元々この日は、長男の高校のPTA運営委員会などが終わった後に、昼過ぎから仕事、というのも中途半端なため、色々と所用を詰め込む予定だった。

 

 第一候補だったのが、年末年始の関係もあって、定期的な「日帰り帰省」の間隔が少し開いてしまう、旧来の地元(第2の故郷……というか現・本籍地)の吉祥寺での所用を片付ける、としてはいた。

 ところが、ここに年明け1月の「郵便局設置改廃情報」が飛び込んできて、遠方は厳しいものの、関東でも動きがあることを知った。

 

 その中の一つ、埼玉県草加市の03335:中草加郵便局が、1月22日に移転し「草加市役所第二庁舎内郵便局」と改称される、というもの。

 

 

 この局は未訪であり、草加と言えば足立区のすぐ先でもあるので、何とかしておきたい。

 

 そこで、吉祥寺への帰省を前倒しして、週末に予定していた都心での他の所用と「合体」させ、済ませておくことにした。

 その結果、飛行機に乗る訳でもないのに、吉祥寺駅前からHND(東京羽田)への空港リムジンバスに乗る羽目になったのだが、それは本稿とは関連が薄いので割愛する。

 

 草加市と言えば、実は2017(平成29)年の2月末にもテーリングのために訪問している。

 

 

 

 この時は、翌3月から、03266:松原団地駅前局(当時)が「草加松原郵便局」と改称される(正確には、駅名の解消に伴い、郵便局も「元の局名に戻る、というのが実態ではあるが)、ということでの「駆け込み訪問」だった。

 この時、松原団地駅前局の後、周辺の郵便局を一回りして、最後に03456:草加旭町郵便局(当時)、03288:草加松原西郵便局(同)と訪問したところでタイムアップとなったのだが、その後この2局とも、それぞれ移転により「草加新田駅前郵便局」「草加北谷郵便局」と改称することになった。

 ほんの数年の間に、これだけまとめて近隣の郵便局の局名が変わってしまうとは思わず、あの時、頑張って(最後は)走った甲斐があったと思ったのだが、今回はその隣の駅周辺の話なので、手付かずだった。

 

 昼頃にPTAの会議と作業が終わったとして、そこからバスと京急を乗り継ぎ、直通する都営浅草線で押上まで出れば、今度は東急田園都市線・半蔵門線直通の東武に乗り換えて、14時頃には草加駅に出られる。

 そうすると、草加駅と、やはり手付かずの隣駅である谷塚駅の周辺にある6局ほどを、どうにかまとめて片付けられるかも知れない。

 

 予想よりも早く京急に乗れたのだが、浅草線直通ではなく泉岳寺止まりの快特。それでも転換クロスシートの2100形だったので迷わず乗り、途中駅からだったものの、何故か窓側に座れた。

 泉岳寺ではホームの反対側に快速・成田空港行が停まっており、スムースに乗り継ぎ。押上で急行・南栗橋行に乗り換え、草加駅に着いたのは13時55分だった。

 

 東口から出て、少しずつ南に移動しながら東進。草加市役所付近を通り抜け、郵便局があると思しき県道に出た。

 

 少し歩くと、目的地の03335:中草加郵便局を発見する。

 ここが通算7,225局所目となるのだが、この日の「想定」では、ここを含めて最大で6局を訪問できれば、と考えていた。

 つまり、逆回りをすれば、ここを7,230局所目とすることもできるのだが、途中にやや長い「局間」が2か所ほどあるため、現在の「徒歩テーリング」の標準ペースである「1時間当たり3局程度」での見積りどおりにはいかない可能性があると思っていた。

 今回選択したルートで巡れば、最後になるのは隣の谷塚駅から至近にある局だから、取りこぼしても再訪は難しくない。それこそ、中草加局の移転改称後に、それに加えて松原団地改め草加松原駅近辺の移転改称局とともに片付けることもできよう。

 しかし、中草加局を取りこぼしてしまうと、当然ながら取り返すにはタイムリミットまで1か月ほどしかない。そんなことから、こちらを優先する以外の選択肢はなかった。

 局内には「郵便局の移転・局名変更のお知らせ」が貼り出されていたが、ありがちな「最終営業日のATM稼働時間短縮」などはなく、週末だけが「停止」ということらしい。

 

 テーリング後、移転先となる草加市役所の「第二庁舎」の前を通った。

 庁舎自体が改装工事のため閉鎖されており、どの辺りに入居するのかもわからなかったが、中草加局の窓口での他のお客さんとのやり取りを聞いていると、駅にも若干近くなるし、便利になりそう、と概ね好評のようである。

 なお、「○○市役所内郵便局」というのは珍しくもないのだが、「○○市役所第二庁舎内郵便局」という細かい名称は、あまり聞いたことがない。「第×庁舎」的な建物内に郵便局が入っていることはしばしばあるものの、国の機関など(「第×合同庁舎」とか)ならともかく、都道府県や、まして区市町村レベルの庁舎では珍しいと思われる。

 そう考えると、いずれ「草加市役所内郵便局」とかになってしまいかねない(何しろ草加市内の郵便局は、このところ移転などが伴うことが多いとはいえ、やたらとコロコロ名前が変わっている)ので、早いうちにフォローしたほうがいいかも知れない。

 隣接する足立区には未訪局がそこそこ残っているし、越谷市もレイクタウンくらいしか行けていないので、今後の「重点課題」となりそうに思う。

 

 その工事中の「第二庁舎」前を通って北上し、今度は草加駅の北東にある03623:草加住吉局へ。

 師走の郵便局は混んでいることが多く、ここも客は多かったものの、大半が郵便窓口の利用者だった。

 

 今度は東武伊勢崎線の西側へと回り、少しずつ南下して草加駅から見ると、ほぼ西に当たる03385:草加氷川局へ。

 今回は、徒歩ルートとも重ならなかったが、草加駅から直接こちらに向かったとすると、「【118】東横INN草加駅西口」の前を通っていた可能性がある。

 尤も、わざわざ草加に泊まってまで100円テーリングするようなことはないだろう。確かに、東武を使わないと面倒な場所ではあるのだが、渋谷(湘南新宿ライン)や錦糸町(横須賀・総武快速線)といった辺りで半蔵門線直通に乗り継げば、乗換も1回で済む。

 

 さて、これで草加駅から近い郵便局は片付いた。

 

 ここからどうするか。

 残り時間は1時間少々。

 既訪・未訪の状況を勘案しても、次に転戦すべきなのが、隣の谷塚駅周辺であることは確かだと思われる。

 

 選択肢は2つあり、まずは草加駅に戻って谷塚まで1駅乗り、そこから東口の1局を片付けてから西口側に回って、更に少し離れたところにある局まで計3局を巡るという案。

 もう一つは、少し距離はあるものの、氷川局からそのまま南西に進み、上記の3局のうち谷塚駅から最も遠い郵便局に向かい、そこから谷塚駅方面に向かう、という案。

 前者のほうが、最後に駅から最遠地点に向かうため、そこから駅に戻る時間は有効時間帯と切り離せる分、一見有利に思えるのだが、1駅移動の電車がうまい具合に来るかどうかという点がポイントになってくる。

 後者は全てを徒歩で、ということになり、谷塚駅を通り越すまでを有効時間帯に収めなければならないため、体力勝負になる。しかし、外的要因としては「信号待ち」くらいなので、自身でペース管理がしやすくはなる。

 

 残り時間的には、かなり際どいとは思ったものの、後者を選択することにした。

 電車代が勿体なかった訳ではなく、丁度現在、勤務先で「各課対抗ウォーキングバトル」という、指定期間内に各課員が歩いた平均歩数を競うイベントをやっており、この際これで「歩数」を稼いでやろう、という要素もあった。

 また「テーリングは歩いてナンボ」という精神が根底にあるのも知れない。

 

 しかし、もしかすると最後の1局はギリギリで間に合わない、ということになってしまう可能性がある。いや、そうなりそうな気がする。

 単純計算でも、かなりギリギリだと見ているので、途中で何らかのトラブルが起きたり、窓口が混んでいたり、といったことがあれば、即「ゲームオーバー」ということになりかねない。

 

 その場合、最後の目的地としている03213:谷塚郵便局の扱いについても、複数の選択肢が考えられる。

 

 筆者の「原則」に従えば、谷塚駅から至近にあるので「潔く諦めて次回以降、近隣の改称後未訪局とともに再挑戦」とするのがセオリーではある。

 

 別解として考えられるのが、本来は「周囲に他の未訪局がなく、かつ再訪するのに一定の時間や手間がかかる場所」の場合に適用する「例外ルール」ではあるが、「貯金窓口終了後でかつ郵便窓口営業中の場合にATM等で預入して郵便窓口でゴム印を受ける(銀行直営店は不可)」でいくか。

 ただし、現在ではATMで硬貨を伴う預入・払戻の場合には手数料がかかるようになってしまっており、通算で7,230局所目となる見込みの局では、ちょっと使いにくい。

 

 しかし、旧・特定局クラスの郵便局の場合、都市部でよくある「○○××郵便局」(○○は区市町村名、××は町丁・大字名等)や「△△△内(前)郵便局」(△△△は施設等の名称)という原則から外れた局名は、改築などの際に併せて改称されてしまう例が散見される。

 埼玉県内だけ見ても、例えば「古谷⇒川越古谷」とか「玉井⇒籠原駅前」といった例が思い出されるし、やや趣が異なるが「神保原⇒上里」という事例もある。

 現に、谷塚駅の西側にある郵便局は03561:草加谷塚西局である。谷塚局に関しては、そのうち「草加谷塚」ないし「草加瀬崎」(町名)あるいは「谷塚駅前」という局名になっても不思議はない。その意味ではお隣の足立区にある01458:花畑西郵便局も「同類」である。

 

 第三の選択肢は、通算記録用の口座(通称:A口座)を除外し、「ゆうちょラリー」用の口座(R口座)を使用して、ATMで千円札を突っ込んで記録する、という方法。

 この場合、一緒に持って回っている家族名義の通帳や、JN1ZCT「100円玉友の会」名義の通帳(の扱い)はどうするのか、という問題も生じる。

 既訪局の場合に、ラリーのためだけにR口座にATM預入する、というケースはままあるのだが、この場合に家族や「友の会」の口座にも入金するかどうかはケースバイケースだ。ただし、貯金窓口営業時間内の場合には窓口で各100円を預入するのが原則である。

 一方で、今回のように「未訪(だった)局」でこの手法を採ってしまうと、「通算訪問局所数には含まれないのに、訪問(テーリング)したことがある局」という「中途半端な状態」の履歴を作ってしまうことになる。いずれ「再訪」が果たせれば解消するのだが、果たせないまま改称なり廃止なりになってしまうと厄介なことになる。

 

 しかし、どうするかは「その時になって考えよう」と決め、とにかく「最善を尽くして時間内に全部巡る」ことを最優先に考えることにした。

 


 「なぜベストを尽くさないのか」(by上田次郎@日本科学技術大学教授)である(謎)。

 

 (つづく)