乗数効果
[Bloomberg]アイスランド、わずか1日で固定相場制を廃止-ムーディーズが格下げ 以下、抜粋 =====
10月8日(ブルームバーグ):アイスランド中央銀行は8日、前日に導入した自国通貨クローナの対ユーロ固定相場制度をわずか1日で廃止した。1ユーロ=131クローナという水準を防衛できなかったことが原因。
同中銀がウェブサイト上で発表した声明によると、「当面は」固定相場水準でのクローナ防衛はしない方針。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、同国の国債格付けを「A1」に指定、従来の「Aa1」から引き下げた。
ブルームバーグのデータによると、中銀の声明発表後、クローナは最大手カウプシング銀行など同国の銀行の間で1ユーロ=165クローナの水準で取引されている。
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アイスランドは実質的に当局が経済をコントロールできなくなっている。債務不履行は時間の問題。
すでに、クレジットイベントは発生しているとなると、CDSはここでも地雷爆発。
さすが、かつてバフェットが「凶器」と呼んだだけのことはある。色んな処で炸裂中だCDS…
日本の短期金融市場でも、金融機関が他の金融機関を信用せずに、日銀としか取引していない、という話も聞く。改めて、「信用」の重要さを痛感する日々。中央銀行は世界の金融機関に、これでもかってくらい資金を供給している。しかし、供給された側は、ヒトに貸す気などサラサラない。清算の迫るCDSを誰が持っているか分からない。生き残っている連中は全て危なく見える…国債を買うだけだ。
中央銀行は、マネーサプライをコントロールすることはできる。しかし、マネーはマネーサプライに乗数効果が働いて、経済全体に行き渡るもの。そして、「信用」が崩壊した市場では、この乗数効果がまったく働かなくなる。今まで起こっていた信用創造が急にストップすることで、経済全体には「意図せざる引き締め効果」が発生している。こうなると、いくら金融緩和したところで無意味である。しかし、まったくの無駄という訳ではない。
とはいえ、大事なのは、マネーサプライなのではない、乗数なのだ。
たぶん、これだけじゃ効果はない。
[Reuters]FRBがFF金利を0.5%引き下げ、主要中銀と緊急協調利下げ
アメリカ 2.0% → 1.5%
欧州 4.25% → 3.75%
イギリス 5.0% → 4.5% 銀行が発行する短中期債への政府保証付き
カナダ 3.0% → 2.5%
スイス 3.0% → 2.5%
(中国 7.20% → 6.93%)
でも、中身は結構動く。ディフェンシブと言われたって、換金需要には勝てない。
4502 武田薬品。指数に比して、大きく下落。いよいよ、なりふり構わぬ「株売り」が猛威を振るっている。出来高も大商い。資金の回収を意識せざるを得ない。「持っているから売る」そういうことだ。ファンダメンタルとかヴァリュエーションの議論?売ってから考えよう、ってところかな?
信用収縮の証拠
[時事通信]8月の米消費者信用残高、3.7%減=約10年半ぶりマイナス 以下、本文 =====
【ワシントン7日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、8月の消費者信用残高が2兆5773億3987万ドルとなり、季節調整済み年率で前月比3.7%減少したと発表した。減少は1998年1月(4.3%減)以来、10年7カ月ぶり。7月は2.4%増だった。
金融危機がクレジットカードや自動車ローンなど個人向けの与信にも波及してきたことが鮮明になった形。残高の減少幅は78億7864万ドル。
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金融機関同士でカネが廻っていない上、他のアクターにもカネが廻っていない。
たとえ、金融機関同士でカネが廻り始めても、B/S修復は続く。
個人向けクレジットが早期に回復することは見込みづらく、アメリカのGDPの70%を占める消費は浮上することは期待しがたい。借金大国アメリカでは、クレジットの厳格化=消費の減退。
FRB HPより作成
Black Swan
が、日本にもやって来た。今回で何羽目だろう??
・欧州は政策についての合意が上手くいかないようで、金融不安は鎮静化せず。
・アイスランドが救済を求めても、誰も手を差し伸べられず。結局、ロシアが支援。
・そのロシアでも大手企業は資金繰りがタイトとなって、当局に救済を求めている。
・英国では、銀行が当局に救済を求めているという報道がBBCで流れる。
・アメリカは利下げが仄めかされても、まったく効果なく、金融を中心に大幅下落。
・引け後発表のアルコアはコンセンサス大幅未達。
・IMFは世界の経済成長は09年には重大な下降期へ突入しつつあるとの報告をまとめる。
とりあえず、目に付いた事実だけを列挙してみた。この状況を受け、日本株式市場も終始軟調。
しかも、とんでもなく値幅が出た。出来高を見る限り、Offerが異常に盛り上がったというより、Bidが引いたという印象だ。買い板が薄いなか、Mustのオーダーが板を叩いてでも執行されたという状況だろう。これだけ、Volatlityが拡大している状況下では、どこかで死人が出ていても不思議ではない。そして、そのポジション処理が、大きなインパクトとなって市場に表出するのだ。
取引値 9,203.32
前日比 -952.58 (-9.38%)
始値 10,011.64
高値 10,011.64
安値 9,159.81
うーん、凄まじい!!
さて、まずはカネが廻るかが問題。協調利下げしても、カネが廻らなければ意味がない。
カネが廻ったからといって、根本的な問題が解決する訳ではないのだが、まずは最低限そこから。
簡単な備忘録になってしまったな…記念カキコってやつだ。
流動性
WSJ-SEC、空売り禁止措置を修正して延長へ 以下、抜粋 =====
空売り禁止措置の影響は、上場株式の売買高に最も顕著に表われた。コンピューターを駆使した素早い取引を手掛けるヘッジファンドは、空売りを利用することで自らの投資にヘッジをかけることが多い。売買高の大きな部分を占めていたヘッジファンドが取引を縮小したことで、空売り禁止リストの銘柄は売買高が半減した。これが取引終了前の数分など、重要なタイミングでの株価の乱高下をもたらしているように見える。
それに加えて、買呼値と売呼値の開きが、取引時間にかかわらず拡大している。これは市場で円滑な取引が行われにくくなっていることを示す。オプションを一般的なヘッジ手段として利用し、ポートフォリオのリスク相殺を狙う投資家は、株式オプション市場でもSECの規制変更の影響を感じている。
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証券化商品の流動性がなくなって、「投げ売り価格」の恐怖を皆が体験した。
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そのくせ、目先の株価下落に焦り、株の流動性を無くすような施策を取ってしまった。
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空売りが出来なくなったので、多くの投資家がCDSでポジションを取ることを試みた。もちろん、株より流動性のない市場。
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そして、CDSのスプレッドはとんでもなくワイドニングし、企業(特に金融機関)はマネー・マーケットで資金調達が困難になった。
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金融システムは麻痺してしまった。
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Now On Stage
流動性・決済、といった当たり前のモノがなくなった。
壮大なバブルの崩壊だということを、改めて感じさせる。日本もそうだったけど。
そして、流動性がいかに大事なものかということを思い知らされる。
投資で大事なのは、Exitの仕方。Riskを張るのは簡単。でも、張ったRiskを閉じるのは難しい。
いきなり、話は飛ぶが…凄いな、この御時世で+20.8%は。
ホットストック:ファーストリテ<9983.T>買い気配、ユニクロの9月既存店売上高が20.8%増
株価も凄いが…
そう、需要の減少なのです。
[Reuters]9月の米国内自動車販売台数は予想以上の減少、日本勢も大方が2けた減 以下、抜粋 =====
調査会社オートデータのまとめによると、9月の米国内自動車販売台数は年率換算で1250万台近くに減少、予想を大幅に下回った。8月は年率1370万台。9月の市場予想は1550万台だった。
メーカーは販売奨励策を拡充したもののの、販売減に歯止めをかけることはできなかった。自動車業界調査会社エドマンズによると、9月の値引き額は平均2801ドルと、前年同月から19%増加した。
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ローンが通らなくなったら、そりゃこうなるって…キャッシュで車買える市民が少ないんだから。
さて、「ガソリン高で大型車が売れないから、Mix悪化効果で厳しい」的な解説では済まされなくなった(小型車比率の高いはずのホンダも-24%という数値)。「消費者にカネがないから、車が売れない」という状況だ。
小型車シフトを各社打ち出しているが、効果は限定的だろう。もちろん、大型車より安いので、大型車をひたすら作り続けるよりは、売上を維持できるのかもしれないが、需要自体が減少する影響の方がはるかに大きいだろう。かといって、稼働しないと固定費は負担できない。
…泥沼のインセンティブ合戦かな?
いよいよ、景気後退は誰の目にも明らかになっている。
需要の減少に耐えられる企業だけが、次の循環を迎えることができる。
[Reuters]米大統領、自動車メーカーへの250億ドル低利融資計画を承認
しかし、ちゃんとカネを引っ張ってくる処は、流石。
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