札幌市営地下鉄答え合わせウォーキング 南北線豊平川以南 | キハのひまつぶし研究室

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札幌市営地下鉄最古の路線、南北線ウォークの続きです。

 

地下鉄は幌平橋駅に向けて下り勾配になっていて、幌平橋駅を出るとすぐに豊平川をくぐリます。

駅名の由来になっている幌平橋を歩いて渡ります。歩道にあるアーチが特徴。このアーチがあることにより縦の方向に対し強度が増すのでしょうか。建築工学にあまり詳しくないのでよくわかりません。

 

 

アーチの上から上流を眺めます。この下に地下鉄が通っているのですが、川が流れているため、地上から掘る開削工法は使えません。なので、ケーソン工法(日本語では潜函工法というらしい)を採用したそうです。具体的にどのように工事をしたのかが私にはいまいちよくわかりませんが、そういう特殊な方法なので、南北線建設時で一番の難工事区間だったようです。南行きの線路と北行きの線路を隔てている柱の様子が他の区間とは異なるので、この区間を乗車した際に観察していれば、異なる工法でつくられたことがすぐにわかると思います。

地下鉄は豊平川をくぐると、すぐに上りの急こう配があり、少し進むと中の島駅です。

 

 

先ほどの幌平橋駅からこの中の島駅まで、営業キロにしてわずか0.5㎞(実際の距離は450mらしい)。札幌市営地下鉄の中で最も駅間距離が短い区間ですが、最もドラマチックな区間でもあるのです。

 

 

中の島駅を出て西に進むと、上り坂があります。

 

 

上り坂の途中で横切る精進川。木が生い茂っているので写真ではわかりにくいですが、右岸が崖になっています。上り坂はこの崖を上るために設けられたものです。

 

 

坂を上りきって振り返るとこのような風景。

手元にある札幌の地形に関する解説書によれば、崖の上も元々は豊平川の扇状地だったようです。先ほどの精進川が侵食して崖を作ったのではなく、そこからさらに豊平川が侵食した結果、このような段丘になったらしいです。地下鉄もこの地形に合わせて急勾配を上ります。

 

 

坂の上に平岸駅。地下鉄はさらにここから上り勾配です。

 

 

さらに西にしばらく進むと定山渓鉄道の廃線跡と思われる道路にぶつかります。そこを右折。

 

 

住宅地をしばらく進むと、環状通にぶつかり、そこから蒲鉾のような構造物が見えてきます。ここから地下鉄が地上に顔を出します。建設費を抑えるため、定山渓鉄道の廃線跡を活用して地上に線路をつくったようです。

 

私はかつて東京都板橋区に住んでいましたが、板橋区でも、都営地下鉄三田線が志村坂上駅と志村三丁目駅の間で地上に出てきます。志村坂上という駅は文字通り坂の上にある高台の駅で、そこから荒川が侵食してできた低地に出るのであまり急な勾配は必要なく、地下鉄を地上に出すには好都合な地形だったというのが容易に想像できます。

一方、札幌市営地下鉄は平岸駅から南平岸駅までむしろ少し上り坂になっているので、その分地下鉄に急な勾配を設けないと地上に出せません。都営三田線の例を知っている者からすると、この地上区間は無理やりつくったのではないかという印象が拭えないのですが、建設費を抑え、なおかつ私鉄の廃線跡を活用するという一石二鳥で、そういう意味では好都合だったのかもしれません。

 

 

上り勾配の途中にある南平岸駅。

 

 

駅の東側に上り坂があり、たぶんこの辺りが豊平川の扇状地の東縁なのだと思います。

 

 

地下鉄は豊平川に並行するように上流の方面に進んでゆきます。南平岸駅を出ると上り勾配と連続カーブ。線路沿いの道路は途中で途切れているため、住宅地の路地をジグザグに歩きます。

その住宅地の中にある、その名もずばり、「平岸シェルター公園」があります。公園といってもかなり狭く、子供が遊ぶような遊具もなかったと思います。

 

 

住宅地を抜けて平岸通に出ると、天神山緑地があります。この山の周囲は豊平川により浸食されたものの、天神山だけは固い地盤だったので浸食されずに残されたということなのでしょうか。正解はわかりませんが、そのようなことを想像しながら歩くと面白いと思います。

 

 

平岸通りをそれて澄川駅の手前辺り。不思議な形状の柱。こんな構造で鉄道の高架を支えきれるものなのですね。

 

 

澄川駅の北側は高架下が通れるようになっているのですが、そこから電車を見上げることができます。

 

 

澄川駅。ここから少しカーブを曲がると、地下鉄はしばらく直線区間を進みます。

 

 

右を向くと藻岩山。写真では見づらいのですが、ミュンヘン大橋の柱もうっすらと見えます。

 

 

平岸通を道なりに進むと自衛隊前駅。文字通り、目の前に自衛隊の駐屯地があり、昔はそこがさっぽろ雪まつりの真駒内会場でした。
次が終点の真駒内駅ですが、駅間距離が札幌市営地下鉄で最長の1.7㎞です。

 

 

先ほど中の島-平岸間で渡った精進川を再度渡ります。写真右奥にリニューアル開館準備中の札幌市交通資料館があります。5月1日オープンです。

 

 

まだ立ち入ることはできませんが、交通資料館の屋外展示場を柵越しに見てみると、何年か前に引退した、市電のM101形が置かれていました。この電車はかつて運行されていた親子電車の親の車両で、この写真外の左に、駆動力を持たない子の車両Tc1形も展示されています。

 

 

自衛隊前駅を出て少し進むと、車両基地への線路が分岐しています。

 

高架をくぐる道路。手前が本線、奥が車両基地への引き込み線。道路左側の歩道と右側の歩道で高低差があることからもわかる通り、上り勾配になっています。

 

 

歴史を感じる看板ですが、ここに描かれている地下鉄の車両が、南北線ものではなく、なぜか東西線の6000系車両です。なので、この看板は南北線開通当初から設置されたものではなく東西線が開通してから設置されたものと思われます。

 

 

絞りの調整に失敗しかなり白っぽい写真になってしまいましたが、南車両基地建物。約50年前につくられた建物は、このような茶色のデザインの建物が多い気がします。

 

 

上り坂と林の中を進みます。

 

 

五輪団地が見えてきたら、もうすぐ真駒内駅です。

 

 

選手村のあった、オリンピックの町真駒内。

 

だいたい14時20分ごろ到着。昼食時間も含めて4時間10分ほどかかりました。営業キロが14.3㎞(実際に歩いた距離はもう少し長い)なので、鉄道風に表定速度で表すと、およそ3.4㎞/h。自分の足としては意外と時間がかかったと思います。写真を撮ったりして立ち止まっている時間が多かったので、その分遅くなったのかもしれません。

 

次は東豊線を歩きたいと思います。