良い景色、おいしい食事、親切な人々(日高地方の旅) | キハのひまつぶし研究室

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前回からの続きです。

 

7月22日


浦河のビジネスホテルをチェックアウトし、JR北海道バス様似行きに乗車。1時間足らずで様似に到着。だいたい9時ぐらい。

バス停は旧様似駅前にあります。JR日高本線はここが終点でした。昔列車でここまで来たことはありますが、駅の周りに何があったのか、あまり覚えてはいません。

今回は予定よりも1本早い便でここまで来たので、乗り継ぎに時間があります。ぶらぶら歩いてみることにしました。

海岸から西を見ると、エンルム岬が見えます。「エンルム」という言葉自体が、アイヌ語で「岬」を意味するらしいです。調べてはいないですが、エンルム岬のあたりは、見た感じ函館山と同じような陸繋島なのではないかと思います。


10時ごろのバスに乗り、襟裳岬を目指します。襟裳岬着く直前、以前稚内で見たような宗谷丘陵の周氷河地形に似たような草原を通りましたが、そこはいったい何だったのか。

 

それはさておき、えりも岬バス停に到着。

 

 

振り向くと日高山脈の山々が見えます。この山脈の突端の部分が襟裳岬です。

 


襟裳岬の由来は、様似町で見たエンルム岬と同じ「エンルム」で、やはり「岬」の意味です。

 

岬のその先に岩礁があり、日高山脈が海に沈み込んでいっているように見えます。その岩礁にゼニガタアザラシが生息しています。

 

 

襟裳岬観光センターで食事。

襟裳岬名物ラーメン。1,200円ですが、野菜、昆布、「マツモ」という付近で獲れる海藻、タコ、エビ、カニが入っており、この内容で1,200円ならむしろ安いと思えるぐらいです。これはなかなかおいしい。

 

気になったので追加注文したサメガレイの刺身。800円。特にえんがわの部分に脂がのっていて美味。

 

12時ごろ発の様似行バスを無視して、このような食事を堪能していたわけですが、このせいで後で困ることになってしまいます。

 

そんなことには気づかず、14時20分ごろの様似行バスまで時間があるので、風の館を見学。入場料は大人300円。望遠鏡でゼニガタアザラシを見ることができます。

展示内容で気になったのが、かつて岬周辺で、薪にするための伐採が行われていたそうです。そのせいで山がはげ山になってしまい、海は泥だらけに、漁業にも悪影響が出ました。現在は植林活動の成果が出てきれいな海を取り戻したそうですが、先ほどバスで見た丘陵地の草原は木が伐採された跡なのでしょうか。そこまではわかりませんでした。

襟裳岬は「風の岬」と呼ばれているらしく、強い風が吹いてくるのだそうです。そのメカニズムについても解説されていたと思うのですが、わたくしの頭ではあまり理解できませんでした。施設内の設備で風速25mを体験してみましたが、なかなか凄まじい強さの風だったと思います。

余談ですが、昔ラジオで、石原裕次郎が歌った「風速40メートル」(?)という歌を聞いたことがあるのですが(今ググってみたところ、正しい表記は「風速40米」で、同名映画のテーマ曲だったらしい)、25メートルでもこれだけ強いのに、40メートルだとどれだけ凄まじい風なのか。ちょっと想像がつきにくいです。

 

それでもちょっと時間があったので岬の東側を眺めてみます。

 

バスの時間もだんだん近づいてきて、確認のためバス停の時刻表を見てみると、14時20分ごろ発のバスは休日ダイヤでの便で、平日だと15時ごろまで待たなければならないことがわかりました。

帰りの札幌行きペガサス号が浦河ターミナル発16時35分。15時ごろ襟裳岬発のバスは、浦河ターミナルの最寄停留所に16時30分ちょっとすぎの到着のようです。

これだとバスがちょっとでも遅れたらアウト。また、最寄りバス停から浦河ターミナルまで私がちょっとでも迷ったらそれでもアウト。逃せば今日中に札幌には帰れなくなります。翌日が仕事なのでそれは困る。

そんなギャンブルはできないので、道南バスの営業所に電話し、もしちょっと遅れた場合は待ってくれないかとかけあってみたのですが、「ダイヤ通りに出発しなければならないので」と断られてしまいました。まあそれはそれで仕方がないですが、そんなギリギリのダイヤにしないでほしいです。私の確認不足でもあるとはいえ、道南バスに対する印象は悪くなりました。

 

先ほど食事した襟裳岬観光センターで、タクシーだと浦河までどのくらいかかるか聞いてみたところ、浦河まで帰るスタッフの方がいるとのことで、車に乗せてもいいとのことでした。ただし、万が一事故があった場合でも、同乗者である私も責任が出てくる恐れがあることを説明されました。言われてみればそりゃそうだ。

なのでもし別の手段があるのならそちらにした方がよいと言われ、改めて時刻表を確認したところ、十勝方面へ抜け、広尾、帯広経由なら今日中に帰れそうだったので。車への同乗の話はお断りしました。

再度道南バスに電話し、ペガサス号の予約はキャンセル。

 

道南バスに対しての印象は悪くなってしまいましたが、襟裳岬に対しては、景色もよく、食事もおいしく、人が親切だったので、とても良い印象になりました。札幌から車なしでここまで来るのは難しいですが、いつかまた何らかの手段でまた来たいと思います。

 

15時10分ごろ、広尾行きのバスに乗車。えりも町内の百人浜あたりでは、植林で木を育てているような場所を通りました。

16時10分ごろ広尾バス停到着。

かつての国鉄広尾線の終点です。そこから帯広行きのバスに乗り継ぎます。今でも有名な幸福や愛国を経由し、2時間30分ぐらいで帯広に到着。

 

帯広には初めて降り立ちました。もう19時近くでしたが、夏至に近い時期だとまだ明るかったです(カメラの露出補正により、写真では実際よりも明るく写っています)。上の写真のレールは、帯広駅の地平ホーム時代の名残なのでしょうか。

 

ここから高速バスのポテトライナーに乗り23時に札幌駅バスターミナルに到着。

このバスターミナルも新幹線建設に伴う再開発の工事により、近々閉鎖されてしまうようです。

 

予定よりも時間とお金がかかってしまいましたが、勉強代だったということにします。

終わり。