「エッジ」の使い方 | 馬術稽古研究会

馬術稽古研究会

従来の競技馬術にとらわれない、オルタナティブな乗馬の楽しみ方として、身体の動きそのものに着目した「馬術の稽古法」を研究しています。

ご意見ご要望、御質問など、コメント大歓迎です。










  野球のピッチング動作で、片足を上げところから横向きに重心移動していくような動きのことを、「並進運動」と呼んだりしますが、

このとき、爪先でプレートを蹴って上体から先に突っ込むような投げ方(ショルダーファースト)になってしまうと、
腕の力だけで投げるような感じになったり、肩の開きが早くなったりして、ボールに威力が出なかったり、肩や肘を傷めたりしやすいと言われています。



  そうならないようにするための方法として、
並進運動の際、軸足のスパイクの「インエッジ」側で踏ん張るようにして、
肩よりもお尻を先行させる(『ヒップファースト』)ようなイメージで動作を行うと良い、ということが、

手塚一志氏の名著『ピッチングの正体』以来、今では広く知られるようになりました。



  ですが、この「インエッジ」も、あまり意識し過ぎと、今度は腰の開きが早くなって、やっぱり「手投げ」になってしまうことがあるのだそうです。

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  始めから意識的にインエッジに荷重をかけてしまうことで、腰が回転運動を始めるタイミングが早くなり過ぎて、うまく腕の振りとリンクしなくなってしまうのでしょう。


  下半身の力や重力を使って脊柱を回転(1stスピン)させたところに腕の回転(2ndスピン)をタイミングよくリンクさせて、「コリオリの力」をフル活用してボールを加速させるには、


始めはむしろアウトエッジの方に荷重をかけておいて、並進の途中のここぞというタイミングでインエッジに荷重をかけて踏ん張り、一気に腰を回転させるようにする方が良い、ということのようです。



  乗馬でも、腿や膝を鞍に密着させるために「鐙はインエッジで踏め」といったことが言われたりしますが、

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その形を意識し過ぎて固まってしまうと、

随伴の動きが妨げられてうまく座れなくなったり、
膝で鞍を挟んで体重を支えるような形になるために、鐙が外れやすくなったり、脚が使いにくくなったりします。


ですから、やはり始めから形を作って固まるのではなく、
一歩一歩の随伴の動きの中に、アウトエッジへからインエッジへと荷重がかかるポイントが移動していく、というくらいの意識の方が、

骨盤や下肢の動きを妨げず、スムーズに随伴しやすくなるかもしれません。

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