早大ラグビー部創部100周年記念式典に参加して | オーストラリア移住日記

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昨年11月25日に「早大ラグビー部創部100周年記念式典」が東京で開催された。

1,200名が一同に会し、早稲田ラグビーの歴史やその時代時代の先人達の努力、そして、そこに培われた早稲田ファミリーの結束などが感じられる素晴らしい式典だった。 

式典については、新聞や雑誌、またSNSでも数多く紹介されているが、OBの一人として、私はこの歴史的な場面に立てたことを嬉しく感じている。

ジャーナリストのようには描けないが、私なりの視点で感じたままを書き残しておきたい。

まず私が感じたのは、予想に反してこの会場に特別に脚光を浴びる主役がいないことだった。

早大ラグビー部には、勝てた世代(日本一になった世代も多い)と勝てなかった世代、試合に出た選手と出なかった選手、また、時代時代に寵児(スター)と言われた選手が多くいたし、卒業後も様々な世界で脚光を浴びるOBも数多く存在する。 

あの日は、会場にいる誰もが主役だった。

 

私の63年の人生で、あれだけ多くの握手をしたのは初めてで、きっとこれからも無いだろう。

その握手には、なつかしさや尊敬、再会の嬉しさや今後もよろしく・・・ 

そんな様々な気持ちが籠っていた。

昼の12時に式典が開会されたが、その後、同期が集まって2次会、先輩方に混じって3次会、更にその後は先輩後輩が入り乱れて4次会・・・ 

水道橋駅界隈は、どこの居酒屋もレストランも、酒が呑めるところなら、あのブレザーを身に着けたちょっと体格の良い男達が溢れていた。

なつかしい昔話や久しぶりの再会に酔いしれ、私には至福の時だった。

100年という歴史の1ページに立った証として、創部以来、8割以上の勝率を誇る輝かしい歴史、先人の卓越した理論や日本のラグビー界をリードして来た頭脳、そのような "早稲田ブランド" を改めて凄いと感じ、その一員であることの重さを感じた。

 

握手をする度に仲間達と共に東伏見のグラウンドを駆け抜けた思い出が蘇り、それは私にとって掛け替えのない貴重な機会だった。

そして、いつの間にか、仲間達(先輩、同期、後輩)の手の温もりや何の忖度も必要としない笑いや会話が、式典のために用意されたプログラムを単なるバックグラウンドに変えていた。

再会を心待ちにしていた先輩が、杯を酌み交わしながら、何気なく小声で言った。

「久しぶりに顔や体つきを見ると、その人がどのような生き方をして来たか分かるよなぁ」

故郷を思い出すこの先輩の言葉は、私にとって特別な響きがある。

 

時代は流れ、今は宇都宮市に合併されたが、大学進学のために故郷を離れた当時は、先輩も私も同じ栃木県河内郡の出身、宇都宮高校の先輩であり、学生時代も社会人になってからも、そして今も、実の兄以上の存在なのである。

 

業界のトップとして多くの人物と接して来た先輩の言葉は、その言葉が私に向けたものなのか?褒(ほ)めているのか?貶(けな)されているのか?その真意は分からなかったが・・・ 

「お前も結構まともに生きて来たんだなぁ・・・」 と、褒められたように受け取った。

日本酒の似合う先輩・・・ 盃の持ち方も何もかもが学生の頃から私の憧れだった。

数多くの仲間達と再会し、"カッコいい中年から老年" を目指したいと願う私は率直に思う。

この日に再会した仲間達(先輩・同期・後輩)の誰もが本当にカッコ良かった。

そして、話せば、ユーモアに富み、とても愉快で洗練されている。

それは、さながらオーストラリアのラグビー仲間と一緒の時に感じる感覚に似ており、やはりラグビーというスポーツの持つ独特のキャラクターなのかもしれない。

この式典でもらった多くの刺激を大切にしたいものだ。

 

元旦に、後輩からメールが届いた。

その文面には、「私も10キロ歩を開始しました」と書かれている。

式典の際に私が10キロ歩を続けていることを話したことに端を発するが、後輩からの初メールに、私は、 「Welcome to our Healthy Life member」 と返信した。

 

60歳を機に私は3日に1回のペースで、早歩き+(部分的)スロージョギングを続けている。

仕事や訪日で長期間空いてしまうこともあるが、その分はどこかで埋め合わせをし、昨年は合計で124回実施、3日に1回の目標は達成出来た。

その結果、体重は15kg減り、学生時代とほぼ同じになった。

写真の私は太めに見えるが、還暦を記念してプレゼントされたOBブレザーがブカブカなのだ。

 

後輩は12月に還暦を越えたばかりで、まだ現役で仕事を続けているが、それでも、これからの人生を楽しむには健康でいることが一番という結論に達したのだろう。

私は偉そうに返信に色々注文を付けた。

一番大切なことは、継続すること!

そのために、体育会のノリで続けないこと!

キツくすれば効果が益すという考えを排除し、無理をしないこと! 

補足として、時間が無いと言うのは自分への言い訳であり、付き合いや酒を飲む時間を減らせば、1時間や2時間は簡単に作れるはず!

そして、最後に「体調管理はカッコいい中高年の第一歩!」と付け加えた。

企業の役員である後輩・・・ 

彼は幾つになっても実の弟のように思えてならないのだ。

かくして、12時間飲み続けたが、記憶が飛ぶことも無く、不案内な地下鉄を乗り継いで郊外のホテルに辿り着けたのも、普段の体調管理のお陰かもしれない。

参加か否かで悩んだが、参加して本当に良かった。

この「早大ラグビー部創部100周年記念式典」が、私はもちろん、老いも若きもOB各位、そして、復活を目指す現役諸君に大きな刺激を与えたことは間違いない。