子供の頃の貴重な体験 | オーストラリア移住日記

オーストラリア移住日記

憧れから、移住決行、移住後の生活、起業、子育て、そして今・・・

スポーツ天国オーストラリア。

新聞紙面やTVのニュースを見れば、スポーツ記事の占める割合が圧倒的に高い。

スポーツやアスリートが国民から愛されるような基盤がしっかり出来上っているためだろう。

反面、時には選手やコーチのスキャンダラスな事件が報道されることもあり、スポーツ選手のマナー違反(例えば薬物や飲酒による事件等)には、容赦無く、当然、国民の視線も厳しい。

 

オーストラリアのスポーツ関係者、例えそれがレジェンドやヒーローと言われるアスリートであっても、我々の前でおごり高ぶるような連中に出会った試しがない。

彼らのフレンドリーさやマナーの良さが我々一般人との距離を埋め、とりわけ若年層には人としてあるべき姿を示し、その将来に素晴らしい影響を与えるのは間違いない。

それがオーストラリアのスポーツ文化であると私は考える。

そして、そんな姿勢に接すれば、自然に応援しようという気持ちが湧いてくるものだ。

20年以上も前の秘蔵の写真が出てきた。

1991年に開催された第2回ラグビー・ワールドカップで、ワラビーズの優勝に貢献した司令塔 ”マイケル・ライナー” の膝に乗った長男隼人の写真である。

隼人は当時のライナーと同年代になったが、ラグビーを始めたばかりの7歳の隼人にとって、この素晴らしい機会が更にラグビーを夢中にさせる切っ掛けになったのは間違いない。

ワールドカップで優勝したばかりのメンバーを前に、隼人よりも私の方が興奮していたのだ。

ただ、ライナーは 世界のヒーローでありレジェンドなのに、それを一切感じさせなかった。

写真を懐かしく振り返りながら・・・ 

フランス代表キャプテン 「ジャン・ピエール・リーブ」 の残した「ラグビーは子供をいち早く大人にし、大人にいつまでも子供の魂を抱かせる」という言葉を思い出した。

ジャン・ピエール・リーブの意図した真意とは異なるかもしれないが・・・

「子供を尊重した大人の姿勢は子供をいち早く良い大人にし、また、大人になってもその魂はいつまでも残る」という意味に私は捉えている。

あの日、幼い長男に対するワラビーズメンバーの姿勢は極めて紳士的だった。

ティム・ホラン、彼を歴代のプレーヤーで最も優れたセンターと選ぶ目利きのファンは多い。

ライナーの絶妙なパスを鋭いアングル(角度)や頭脳的なコース取りで確保、敵のディフェンスラインをペネトレイト(突破)するスキルは素晴らしかった。

タッチライン際を抜けたキャンピージーがホランに放った肩越しのパス、キャンピージーの判断とホランの絶妙なコース取り、そしてトライに、2人のあうんの呼吸は世界を驚かせた。

あのプレーはいつの時代になっても語り継がれるだろう。

ああ、20年以上経った今も、やはり私自身が興奮している。

ジョン・イールズ、当時はまだ若かったイールズは、後々ワラビーズ・キャプテンとなる。

1999年第4回ラグビー・ワールドカップでは優勝キャプテンとなった。

彼はクリケットでもトッププレーヤーだったし、クイーンズランド大学の心理学の学士号を持つ文武両道のアスリートであり、今もラグビー界はもちろん様々な分野で活躍している。

 

今まさにサッカー・ワールドカップがブラジルで開催中である。

2019年には日本でラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピックが開催されるが、間近に迫った世界的スポーツイベントの開催までに、日本のアスリートもそしてファンもワールド・スタンダードになっていて欲しいものだ。

そのためには、アスリートやファンばかりでなく、スポーツに関わる協会や政治家、関連団体、メディア他のクリーンさやフェアな姿勢が必要不可欠な条件になるはずだ。

そして、それらすべてが国民目線に合致していることが絶対条件だろう。