瓶熟13年のエルベルク | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

瓶熟13年のエルベルク

くたびれた週末のリカバリーは、在庫の飲み頃熟成リースリングと共に。

プファルツのフォン・ヴィニンク醸造所の2010年産ケーニヒスバッハー・エルベルク・リースリング・トロッケン。

最近すっかり買わなくなって久しい生産者だが、ワイン庫を掘り返せばこんなモノも出て来るから面白い。

エルベルクは砂質ローム、粘土質の砂、石灰質泥灰土などから成る面積25ha強のVDPエアステラーゲ(一級)。

 

 

ボトルが立派な割には普通のコルク。少しオレンジ色がかった黄金色。

注ぐと非常に細かい気泡がグラス壁下半を曇らせるように付着。

香りは非常にナッティーで、湿った木や腐葉土、僅かにマンゴー系の果実やペトロールなど

そしてブランデーや紹興酒を思わせる芳醇な香り。

 

フワッと柔らかで甘味を感じさせる肉厚な果実味。その背後からスーッと伸びて切れ味鋭い2010年らしい酸。

そして舌の上を苦汁のようにピリピリ刺激しつつ、粘土系の土壌を反映した比較的重心の低いミネラル感。

13年の熟成により程好く一体感はあるものの、酸の存在感が頭一つ抜けたバランス。

 

 

抜栓2日目は果実味がやや引っ込み、シャープな酸が更に冴えわたって

ヴィンテージがテロワールを凌駕するの図。鰤の和風カルパッチョにも合う合う。

洋風の生魚類や握り寿司なんかと違和感無く合わせられるのも、熟成リースリングの良いところ。88/100

(過去のヴィンテージ→2009年産

 

2010 Koenigsbacher Oelberg Riesling Qualitaetswein trocken

Weingut von Winning (Deidesheim/Pfalz)
A P Nr 5 106 327 060 11,Alc 12.5%vol