これぞヴェーレンの日時計
お盆休みも今日が最終日。
昨日は近所で日本料理&日本酒だったので、今夜はちゃんと稽古しておかなきゃ...リースリングの。
シュロス・リーザー醸造所の2018年産ヴェーレナー・ゾンネンウーア・リースリング・トロッケンGG。
ヴェーレンのゾンネンウーア(日時計)と言えば世界的にも知られた、モーゼルで最も有名な畑のひとつである。
この畑名、当時はまだ「Lammerterlay」という名前であったヴェーレン村で最上のこの葡萄畑の急斜面に
ヨドクス・プリュムという人物(ヨハン・ヨゼフ・プリュム家の先祖)が1842年に設置したとされる日時計に由来する
...というのはよく知られた話である。
1913年に最初の区画約10haが「Sonnenuhr」として承認され、その後1953年には新たに25haが追加され
更に1970年にはすべてひっくるめて58haぐらいにまで拡張させようという動きがあったものの
10年に亘る法廷闘争の末、1980年に約47haまでに留めることで決着したのだという。
VDPのWeinberg.Onlineによると、現在VDPグローセ・ラーゲ(特級)に認定されている面積は42.6haである。
外観は軽く緑色がかった明るいレモンイエロー。
トップの硫黄っぽい鉱物香が強烈で、酵母や蜜蝋、湿った木などが香るが
抜栓当日はスワーリングしてもその後ろにある筈の果実がほとんど窺えない。
ヴェーレンの日時計と言えばプリュムが有名だが、それを彷彿とさせるこの香りがこの液体の出自を主張する。
口当たりは実にミネラリッシュで、舌に苦汁系の収斂味が強烈。酸は意外に穏やかで程好い力感。
果実味も至極普通に中肉。とにかく重心低めの鉱物味が主体の味わいで、余韻も鉱物。
なんか鉱物一辺倒でちっとも面白くないが、とりあえず初日はずっとこんな感じ。
何はともあれテロワール感はしっかり出ている。
抜栓3日目。リンゴっぽい風味が顔を覗かせるが、相変わらずミネラリッシュ。
それでも初日よりは果実味も力感を増して、バランス良し。瓶底に酒石が少々。87/100
2018 Wehlener Sonnenuhr Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Schloss Lieser (Lieser/Mosel)
A P Nr 2 589 314 32 19,Alc 13%vol,29.10€