冷涼なヘレンベルクが恋しい
今夜はマキシミン・グリュンハウスの2018年産ヘレンベルク・リースリング・トロッケンGG。
面積19haのヘレンベルクは主として赤みを帯びたデボンシーファーの風化土壌から成る畑で、保水力に富む。
ヘレンベルクは暑い夏に本領を発揮する畑である...なんて話を昔誰かから聞いたような記憶があるが
温暖化の影響により今やアプツベルクにも品質では引けを取らなくなったと評されるヘレンベルクにとって
2018年の暑く渇いた夏は、まさに「おあつらえ向き」ではなかったか?
外観は黄色がかったレモンイエロー。注ぐとグラス壁に細かい気泡がビッシリと。
アプリコットや黄桃、マンゴーなど熟度の高い果実香。
この香りほどには豊満でないが、そこそこ豊かな果実味...尤もちょっと平板かな。
アタックは比較的柔らかいものの、終盤に行くに従い伸びて本領を発揮する酸。
ミネラル感もやや起伏に乏しいか。舌の上に持続する酸の余韻は長い。
全体にバランス良くそこそこ凝縮感もあるが、残念ながら今ひとつ突き抜けるものに欠ける印象。
強いて言うならエレガントさに欠ける点か。終始感じる黄桃のフレーヴァーと筋金の入った酸とのコントラスト。
ちょっとマッタリし過ぎなのは土壌中の赤シーファーの故か。87/100
(過去のヴィンテージ→2017年産、2016年産、2015年産)
まぁ色合いからしても、風通しが良くかつては冷涼であったヘレンベルクも
近年の温暖化の影響によって、そのテロワールは既に過去のものとなっているのだろうか。
いや、気候の変動幅が大き過ぎて、条件が良くなるどころか葡萄が熟し過ぎるようになっているのかもしれない。
広大なヘレンベルクの気象条件は必ずしも一様ではなく、特に標高の高い区画はより冷涼だという。
冷涼な区画とそうでない区画に分けてみても面白いんじゃなかろうか、などと考えながら飲んでいたら空っぽに。
2018 Maximin Gruenhaus Herrenberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 07 19,Alc 12.5%vol,30.00€