4年間立っていたピノ・ブラン | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

4年間立っていたピノ・ブラン

我が家のワイン庫では、ボトルは基本的に横に寝かせて棚に平積みにしてあるのだが

スペースの関係もあって、スクリューキャップのボトルは部屋のあちこちのスペースに立てて置いてある。

先日、寝かせてたら漏れたため立てたまま放置していた樹脂コルクのボトル を片付けたので

立ててあるボトルの中ではとうとう最古参になってしまったコイツを開けることにした。

その時々で場所は転々としながらも、4年以上に亘って一貫して立ちんぼうだった訳だ。ホント御苦労さん。


シュロス・ザールシュタイン醸造所の2008年産ピノ・ブラン。

実はこれ、4年前 初めて来日したアンドレア・ヴィルシングさんからお土産にと頂いたボトルなのである。

その後、秋に醸造所に行って 同じワインを試飲したり、ゼリッヒのレストランで飲んだり

更にはタンクから瓶詰めしたばかりのボトルをお土産に貰ったり と、何度も飲んだこのピノ・ブラン。

リースリングじゃないチープな1本だけど、一方ならぬ思い入れの有るボトルなのであった。


緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~


スクリューキャップ。緑がかった薄いレモンイエロー。

僅かにミルキーな香りは閉じて淡白だが、スワーリングするとフレッシュな梨やライチの香りが立つ。


当たりの優しい酸と、仄甘くこれまた優しい、肩の力の抜けたような良い意味で緩い果実味。

まさに瑞々しい二十世紀梨の如き味わいである。

完全にステンレスタンクによる醸造な筈だが、湿った木のような落ち着いた樽感があるのが摩訶不思議。

キレはあまり無いけれども酸はかなりボリューミー。ザクッとしたミネラル感。

これが果実味と一体化しているのか品種の特性なのか。若干舌の中央から奥にイガイガ感の残る後味。


2杯目をグラスに注ぐと、驚いたことに土臭いシーファー香がする。リースリングだけの香りじゃないんだ。

リースリングに比べると若干蜂蜜を含んだような甘い、そしてよりミルキーな雰囲気を湛えているが

これは見紛う事なきシーファー香。但しスワーリングするとどっかへ飛んで行ってしまう。

それにしても4年経っても意外に若々しい味わい。まぁそろそろ潮時かな、という気はするけれども。

翌々日。やはり酸が良い。僅かにシェリーっぽいニュアンスとナッティーで仄甘い味わい。85/100


最近すっかりご無沙汰してしまっているが、また新しいヴィンテージをいろいろ飲んでみたいなぁ...。

2008 Pinot Blanc Qualitaetswein trocken

Weingut Schloss Saarstein (Serrig/Saar)

A P Nr 3 555 014 02 09,Alc 12.5%vol,アンドレアさんのお土産