飛龍の傍に付く | 0.0のブログ

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攻略するはずであったであろう。空母四隻で大丈夫か?」
 金剛の問いに、長門はようやく小さな笑みを浮かべた。
「艦載機一六〇機を失うのは厳しいけど、彼女達なら大丈夫よ」
 そう言って、二人はまだケンカしている赤城と加賀を見る。
「ふっ、そうだな。それに、もし戦力が足りないというなら、この私が直々に敵空母を砲撃してやろう」
 金剛の不敵な笑みに長門はやれやれといった感じでため息する。だが、その顔には笑みがあった。
「比叡、榛名、霧島。行くぞ」
『はい』
 金剛は妹達を引き連れて去った。

「で?」
 右手に大和、左手に陸奥をくっ付けた翔輝が言う。
「二人とも、離れてくれないか?」
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「「嫌です」」
「何で変なところだけは意見が一致するの?」
 そんな三人の前を、蒼龍と飛龍が歩く。
「二人とも、この子達何とかしてよ」
 翔輝は二人に助けを求める。
「ふー、二人とも、そろそろやめなさい」
 蒼龍が言うと、二人は素直に離れた。大和は相手が先輩なのでわかるが、陸奥は蒼龍より年上のはずだけど???素直だなぁ。
「少尉は色んな艦魂に好かれてるね」
 飛龍はくるりと一回転して軍服を翻す。そんなひとつひとつの仕草がかわいらしい。
「好きでなってる訳じゃないけどね」
 苦笑いする翔輝を見て、大和は膨れる。
「嫌だって言うんですか?」
「いや、そうじゃなくて」
「あ! 今はっきり《いや》って言った!」
「違うよッ!」
 すっかりからかわれていた。
「仲がいいね」
 飛龍は嬉しそうに静かに微笑んだ。
 翔輝はまだギャーギャー言う大和から離れ、飛龍の傍に付く。
「さっきはありがとう。助けてくれたんだよね」
 翔輝は笑顔で礼を言う。そんな翔輝に飛龍は「いいのいいの」と笑みを浮かべる。
「金剛さんが苦手なのは、みんなそうだしね」
「そう。あなたが特別苦手という訳じゃない」
 蒼龍も小さく笑いながら言う。似た者同士というものか。
「もうすっかり春だね」
 飛龍が立ち止まり、深呼吸する。
 春の風は暖かく、優しい。
「季節は春だけど、日本の春は遠いな」翔輝が微笑しながら言う。
「だよね」飛龍も笑う。
「私は早く日本の春が見たい」
 蒼龍の言葉に、三人はうなずく。
 そんな楽しそうな三人の後ろ、取り残された艦魂が二名。
「何か、すっかり忘れられてますね」
「少尉ぃ」
 陸奥と大和が物寂しげに翔輝を見詰める。
 青空には雲一つなく、燦々と太陽が輝いていた。
「長谷川少尉!」
 突然名前を呼ばれて振り向くと、そこには水上がいた。
「水上。どうした?」
「航海科の会議があるそうです。至急航海室に行ってください」
「え、あ、そう。ありがとう」
 翔輝は水上に駆け寄る。去る前に翔輝は振り向き、
「みんな、またね」
 そう言って、翔輝は笑顔で去った。

 航海科の会議が終ったのは夜中だった。
 翔輝はまぶたを半分閉じて自分の部屋に戻った。
 部屋の中央には布団が敷かれ、布団には大和が気持ち良さそうに寝ていた。
「もう寝てたのか」
 そりゃそうだ。もう夜中の二時を回っているのだ。良い子はもう寝ている時間だ。
 少しめくれている布団を掛け直す。そっと大和のかわいげな寝顔を見ると、翔輝は疲れなんて消えてしまい笑顔になった。
「んじゃ、僕も寝るか」
 大和の布団の横にあるベッドに向かう。その途中、ふと机の上に置いてある翔香の写真が目に入った。
 太陽のような明るい笑顔を向けている、今はもういない妹を見て、翔輝の顔から笑顔が消えた。
 今も思い出せる。翔香の『お兄ちゃん』という声が、
「翔香???」
 翔輝はそっと翔香の写真を取り、妹の変わる事のない笑顔――いや