アドリブソロをトランスクライブして、リズムパターンを生かしてカスタマイズする練習。

 

(↑ カタカナだらけの文章だな。でも最近はトランスクライブを「耳コピ」と書くとストリートピアノの即興演奏と誤解されるし)

 

このカスタマイズ練習、課題曲以外にも自分で何曲もやって、だんだん分かってきた。

その曲のリズムやフレーズのスタイルを、パターンとして抽出できるようになってくる。そして、その曲のスタイルを使って新しく自分のフレーズを作れるようになる。まだとても簡単なものしか出来ないけれど。

 

こういうことは作曲家や編曲家がやることだと思っていたが、素人でもやればある程度は出来るようになるものなんだな。やれば出来るようになることって、意外にいろいろあるのかもしれない。

 

そして、ふと気づいた。もしかして、この「スタイル抽出と自分のフレーズ作り」が上手くなれば、どんな曲でも無限にアドリブ出来るんじゃないだろうか? いや、「上手くなれば」の話だけど。

 

そしてもう一つ、スタイルをすばやく抽出する手段は、経験プラス「理論」なんだ。

何を今更、という感じだが、理論の使い方がようやくはっきり分かった気がする(遅い)。

適当な運指で弾いてると、ある程度の速さを超えると演奏がぐちゃぐちゃになることを学んだはずなのに、いまだに適当に弾き始めて後で行き詰まる、という自分の学習能力の無さよ。

 

面倒でも、最初のうちにその曲での運指のパターンをしっかり作って応用できるようにしておくほうが、結局は自分が楽なのだ。

 

ということで、曲の練習もさることながら、『ブルース・スケール』のエクササイズを、じっくりと真面目に運指を考えて弾いてみている。

 

エクササイズが管楽器的なフレーズ (この本の著者はサックス奏者) なので、ピアノではやや弾きにくい箇所が時々ある。

逆に考えると、ピアノを普通の指の動きで弾きやすいように弾いているだけではなかなか自然には出てこないような「管楽器的なブルースのフレーズ」を勉強できる、という良い機会でもある。

 

とは言え、一番最初の基本的なスケール練習がすでに運指の工夫が必要だし、しかもエクササイズのキーは、前半はほとんどB♭。今までFに偏った人生を送ってきたので、B♭だと鍵盤の直感が働かない。指と音が連動しない感じ。なかなかの歯ごたえである。

 

エクササイズ2は 2121234 12353213 15321312

 

……この本のエクササイズ、フレーズ自体は単純だけれど、運指を自分で考えて速く弾くのはちょっと大変。とても良い本だけど、「ジャズピアノ初心者なら誰にでもおすすめ、みんなでやろう!」というわけにはいかないかも。ピアノ経験がソナチネ以上、または自分で運指を考えることに慣れている人なら、問題ないとは思うけれど。

 

前回書いたオシャレソロが一段落して、余裕ができてやり始めた『ブルース・スケール』という本が面白い。タイトル通り、ブルース・スケールのエクササイズの本。(全楽器対象。ピアノはC版を使う。他の楽器用のE♭版やB♭版もある)

 

ピアノ専用ではないので、鍵盤ではあまり弾きやすくないフレーズもある。

この本が一番役に立つのは、全く初めてブルース・スケールを学ぶ人より、むしろ「見よう見まねでブルースのアドリブを始めて、どうにか格好がついたのでそのままズルズルと……」という(私のような)タイプだと思う。

 

洋楽ロックのブルース系の曲に馴染んでいたためブルース的な音の使い方は分かるので、ブルース・スケールの練習はそこそこに、ジャズのリズムでフレーズを弾くことに突っ走るタイプ(すみません私です)。そういう先走りしがちなタイプの人にはおすすめしたいです。

 

特に「一応『ブルースっぽく』は出来るけど、ジャズ・ブルースとなんか音使いが違う……」と感じる状態なら、おすすめ。ノリや感覚だけじゃなくて、コードでのアドリブのような段階的な練習をやってみると、新しい発見があります。

 

 

最初のエクササイズは、B♭メジャーとB♭マイナー、同主調の2つのブルース・スケール。

これを、1オクターブ半のスケールに沿ったメロディラインとして練習。

 

参考例のメロディラインが、基本的な音の並びなんだけど適度な意外性もあって、弾いていて面白みがある。付属CDのサックスによる模範演奏も、リズムセクションのバッキングも、スケールの教材っていう堅苦しい感じじゃなくて、聴いて楽しい。

 

 

で、その次の段階のエクササイズは、自分でメロディラインを作って、メジャーとマイナーの行き来を自由に出来るようにする。4小節ごとにメジャーとマイナーを入れ替え、次は2小節ごと、さらに1小節ごとに入れ替え。

 

しかし、この「メジャーとマイナーを使い分ける方法」だけですべてのフレーズを作るのは限界がある。それをどう解決するか?という解説があって、具体例としてブルースのヴォキャブラリーが紹介される。

 

この順番がとても良い。最初からいきなりブルースの完成したボキャブラリーを羅列するんじゃなくて、一度要素に分解して練習してから、その限界を説明し、解決策としてドッカーンと大量のボキャブラリーを出してくるので、説得力があります。

 

 

 

さらに本書の後半は、実際の曲から数小節を引用して応用解説。

例に使ってる曲が「Now's The Time」「Watermelon Man」「The Sidewinder」「Freddie The Freeloader」「Straight No Chaser」など豪華ラインナップ、おまけにリズムチェンジ(I Got Rhythmのコード進行を使った曲)とコンファメ進行(Confirmationの進行を使った曲)まで付いているというお買い得っぷりです。

 

まだ最初のほうのエクササイズをウロウロしている段階だけど、いろんな面白い発見がある。今年の残り半年間は、じっくりこの本と付き合おうと思っています。

ブルースをもっとちゃんと弾けるようになるぞ!

 

 

『ブルース・スケール』Cインストゥルメント

(原題 The Blues Scales    Essential Tools for Jazz Improvisation)

Dan Greenblatt著 ATN刊

課題曲のアドリブソロをトランスクライブして、原形を残しながらカスタマイズする練習。

『ジャズ・コンポジション』だと、50%原形を残すとか30%とか細かい指定があるのだが、そこまでやるのは今の私のレベルでは難しい。

 

明るくオシャレな綺麗系アルペジオやら、繊細なクロマチックフレーズやらをうまく弾けない。オシャレ系はもっぱら聴くだけで、自分で納得するまで弾きこんでこなかったツケが回って来たな。

 

 

……というより、今までの私は、ジャズピアノをいささかのんびりやりすぎてたのかもしれない。

 

少なくとも、演奏スピードを上げる地道な努力って、つい先日まではほとんどしてこなかった。オシャレ系をやらなかった件も、じゃあその代わりにビバップやブルースをすごく追求したのかと言えば、それほどでもなかったし。

 

やっぱり自分に負荷をかけてどんどん積極的に演奏の上達を目指さないと、いつまでたっても「永遠の初心者」っていう立場なのかもしれない。セッションで言えば、ある程度の場慣れはしてるけど肝心の演奏はあんまり上手くないという、ちょっと微妙な感じのプレイヤーなわけで……

 

 

もちろん、無理せずのんびりやるのも、それはそれでひとつの幸せな音楽との付き合い方、ほのぼのとした優しい楽しみ方ではあるけれど。ゆるやかに楽しく、というのも良いんだけれど。

 

でも、私は今年から、練習はゆるやかモードじゃなくてちょっとだけハードモードで積極的に行くことにしたのだった。

とりあえずしっかりご飯食べてから、オシャレソロのフレーズを弾けるように頑張る所存。

 

あと、これが一段落したら、ブルースを改めて基礎から本気でやることにした。

『ブルース・スケール』という、なかなか面白い本を見つけたのだ。

220bpmのブルースコンピング筋トレに慣れて、そんなに速いと感じなくなって来たな、と思っていたら、その次の日、練習の最初からいきなり240bpmがサラッと弾けてしまった。

そろそろ自分の限界かと思ってたが、これだともう少し行けるかもしれない。

 

なにやらパズルのピースがパチッとはまった感じ。回路が出来たというか、脳と筋肉がつながったというか。

 

関連がありそうなのは、このブルースコンピングと同時期に、ひたすらアルペジオやクロマチックスケールのフレーズのスピードを上げる練習をしていたことだ。

そちらはコンピングじゃなくて、運指がめんどくさい(自分で作ったのだが)フレーズを100bpmから160bpmに上げる練習。何か相互作用があったのかも。

今のところ、そっちはなかなか上達しないが……

 

ブルースのコンピングは、4声より5声(右手3声)のほうがむしろ演奏自体は楽に出来る気がして来た。右手の鍵盤上の位置が決めやすくて、迷わないのだ。

 

5声だと弾く時の負荷はたしかに大きいんだけど、迷わないので音の間違いは起きにくい。

なるほど、音が多いから難しいとは限らないんだな。(これは初心者の発見。上手い人には、多分当たり前のことなんだと思う)

 

そして私の場合、240bpmにコンピングのひとつの壁がある気がする。140bpmからだんだんスピードを上げて積み上げてきたものが、ここで空中分解する感じだな……地道に練習。

スウィング3拍子の1拍半 (1小節に付点四分音符2つ)に慣れると、スウィング4拍子でのヘミオラが分かるようになる、というのが何故なのか、ようやく理解した。

 

 

 

4拍子でのヘミオラは、3拍子での「1拍半×2」というパッケージの親戚みたいなものなんだ。

 

私のようにヘミオラ苦手な人は、「3拍子の1拍半」を先にやると良いのかも。

 

 

↑最初はこんなの無理ですわよと思ったヘミオラ様。練習すれば出来る。

 

……そうです。自分は甘いな、まだまだ。

 

ブルースの5音ヴォイシングのコンピング(またの名をブルース筋トレ)、

今のところ、間違えずに3コーラス弾ける限界が210bpm。

 

Fブルースの8小節〜9小節、Am7(♭5)〜D7〜Gm7って、そこまで7小節ずっと同じだった右手のヴォイシングがいきなりコードごとに全部音が変わるので、ヴォイスリーディングがなめらかなわりに気分的に切り替えが難しい。いや要するにのんびりボーッと惰性で弾いててここであたふたする、という気分の問題だけど。

先日、とうとう電子ドラムを買ってしまった。ヤマハの一番コンパクトなタイプ、DTX402KS。畳半畳のスペースに収まり、全体を折りたためる。

 

練習用パッドと違って、シンバルを叩けばシャラーンと鳴るのが楽しい。特にクラッシュシンバルがいい感じだ。ハイハットは金属感がもう少し強いとうれしいかも…

 

iPadと接続してアプリで練習できる。電子ドラムなので音はすべてヘッドホンで聴くのだが、打面をスティックで叩く時のボコボコという生の音は、わりと周囲に聞こえる。

うちは田舎の一軒家なので、まわりを気にしないで済むのがありがたい。

 

使っているスティックはTAMAのもので、ヒッコリー製 (H213B)

グリップ径13mm、長さ40.6cm、チップ形状ボール

 

…というもの。軽い。以前は標準のグリップ径14mmを使っていたが、太くて重く感じた。手が小さい女性は13mmが良いかも。わずか1mmの違いだが、実際に手にすると扱いやすさがまるで違う。

 

毎日スキマ時間にちょっとずつ叩いている。まだ一曲通してちゃんと叩けるレベルじゃないが、エンディングをやってみたり。

 

 

ピアノのほうは、いろいろなリズムのコンピングをブルースの5音ヴォイシングで練習。徐々にスピードを上げる。というか5音って4音よりかなり負荷が大きくて、なかなかスピードが上がらないので、ひたすら練習。ほとんど筋トレだな、これ。

 

さらに、オシャレなスローバラードがやや苦手なのを改めて自覚したので、雰囲気を練習。

あとはアドリブのリズム練習と理論の勉強だけど……もう今月は詰め込みすぎで、消化しきれない感じなのでちょっと休憩。先はまだ遠いな。

 

この10日ほど、集中してピアノを練習した。

ビバップの速いフレーズ。アルペジオでジェットコースターみたいに上下する。

 

「速いフレーズには『速い弾き方』があるから、特にビバップの速いのは最初から速く弾いて練習するべき」と聞くが、以前の私は、まあ、そのうち上手くなったら速く弾こうかな〜とボーッとして、ビバップも結構のんびり弾いていた。耳コピも短いフレーズで、そんなに速いのは選ばなかったし。

 

が、とうとう年貢の納めどきで、チャーリー・パーカーのまとまったフレーズをある程度の速さで弾かないわけにはいかなくなったのだ。いつか来るとは思ってたけど。

 

ビバップの速いフレーズは、運指を自分が弾きやすいように考えて、指の動かし方を練習して、アクセントとスラーの位置を決めたら、実際の演奏の練習は最初から速いスピードでやる……え?すごくゆっくりからじゃダメなの?

最初から「ビバップのアーティキュレーションで、速い弾き方」をしたほうが上達が早いそうだ。あまりゆっくり弾くと普通のスウィングフィールになってしまうので、速いビバップのアーティキュレーションの練習にはならないんだとか。

(これはジャズピアノのビバップフレーズの話。他のジャンルの参考になるとは限らないのでご注意を。特にピアノを独学で始める人には、このやり方はあまり合わないです)

 

 

 

最初はメトロノームを呆然と聴いて、こんなの出来るわけないじゃん、と笑うしかなかった状態から、とにかく10回に1回は弾ける、7回に1回は、5回に1回は……とじわじわと精度を上げていき、10日ほどでついに10回弾けば10回弾ける境地に達した。たまに間違えるけど。

 

なるほど。ちゃんと運指とアーティキュレーションの準備をして練習すれば、どんなにひいき目に見てもピアノ演奏の才能があるとは言えない自分でも、なんとか出来るようになるんだな〜とちょっと感心した。いや感心してる場合じゃないが。

 

速弾きできないっていうのが、魚の小骨が喉に引っかかるように気になっていた。結構コンプレックスになってた気がする。少しでも出来たほうが、安心する。

 

じゃあ、次はブロックコードだな!レッド・ガーランドが好きなのにあれがまともに出来ないというのも、魚の小骨だから。