食品寄付とサーキュラーエコノミー | ジェイのブログ

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基本的方針の改定が、会長以下錚々たる面々の委員のフードロス削減推進会議で進められているようだが、フードロスに対する本質的な考え方がブレているように思われる。確かに数字的にはフードロス削減の実は上がっているようだが、食品寄付や食べ残しの持ち帰りを中心としたフードロス削減などは幼稚な検討ではないか。
余った食品や流通できない食品などを、食品困窮者に回すことが「食品寄付」であろうか。それは食品産業にとっては体のいい廃棄処理方法と取られても仕方がない。困窮側にとれば、余剰あるときはよいが、余剰のない(ロスゼロ)場合の心配が孕む。むしろ食品生産の一定割合を寄付すれば、数量も読め、安定供給となる。
つまりフードロスと食品寄付(困窮者救済)とは切り離し考えるべきもので、政府は税制優遇などで推進に努める方がよい。日本では、フードロスを困窮者に回すとなれば、品質や衛生面などPLといった保険手当など問題があり、それらの対応を考えることが主となるのは本末転倒である。
それは食べ残しの持ち帰りも同じで、また持ち帰えった冷めた食べ残しを家で食べるという保証はなく、そのまま生ごみになる可能性は高く、またレンチンして食べも、出て立てのおいしさは再現できないため、その外食先の料理の味を誤認することもあり、外食店にとってもデメリットしかない。
外食にしろ、中内食にしろ、食べ残しや料理残渣は飼料や肥料にして土に戻すことが最良の方法であり、家庭および業務用乾燥器やコンポストの普及や、その優遇税制や推進の補助など、そうした仕組みづくりに知恵を絞り汗をかく方が未来のためである。
時間をかけても、そうした仕組みを確立できれば、食品は大地から生まれて大地に還ることとなり、これこそがサーキュラーエコノミーであろう。もはやフードロスといった考えは不要となる。
そのメリットは大きく、水分を多量に含んだ生ごみを燃やす必要がなく、CO2の大幅な削減となるばかりか、飼料や肥料などとして多用されれば、日本食糧自給率も上ることとなる。
さらに輸入食材や食品なおもこの仕組みに乗れば、どんどんと日本の国土は肥えて豊かになっていくことになる。もちろん輸出が増えれば、その分は差し引くことになろうが、それでもムダに燃やしていたものが、大地に還ることの意義は大きい。
フードロスでは「もったない」を多用する人や、食品寄付を「おすそわけ」と表する人もいるようだが、世界語にもなった「もったいない」の真意は単なる「ロス」ではなく、「命の大切」を訴える言葉であり、また「おすそわけ」は、おすそわけ分を多めにつくり、相手に気を遣わせぬよう「余りものですが」といった伝え方をするものである。
つまり「食品寄付」は余ったから足りないところに回すといったことではなく、先行して寄付分をつくっておくことだ。よってフードロスとは別次元のことで、むしろ食品産業の品格や矜持を示す行為であるべきである。それこそが真に社会貢献であり、持続可能な取組である。