知人の公害防止管理者水質1種資格者は、瀬戸内海(広島等)で養殖される牡蠣の死滅の原因として下記(主旨)のような仮説を立て、令和7年度補正予算等を活用し好気性環境化の事業を提案する。
瀬戸内海(広島等)で養殖される牡蠣の死滅の原因として、ニュース報道などでは海水温度の影響が報じられている。だが、広島の海水温の2024年、2025年のデータを見る限り、安易に海水温が高かったからとはいえない。
むしろ、瀬戸内海のような内海の海水に含まれる全窒素濃度は年々低下傾向に有り、COD濃度の上昇や、DOの低下等が、牡蠣等の水生生物の生育に影響しているのではなかろうか。下水道の普及等で瀬戸内海に河川等から流入する水に含まれる全窒素濃度は低下し、かつての富栄養化とは逆の水質になってきたためとも考えられる。
また一般的にCODの上昇傾向には、ほかの影響もあるように思われる。洗濯洗剤メーカーの加盟する界面活性剤工業会のHPに依れば、合成洗剤(合成界面活性剤)の販売量は増える傾向であり、その生分解性は純石鹸等に比べると遥かに低いことも影響してはいまいか。
一方で、下水道の高級化や高度化といった下水処理費用の掛かる過剰な設備の増強では、見かけは綺麗になった河川でも、下水処理水放出により1桁PPM程度の濃度が低下しても、海の水生生物の牡蠣や海苔、魚介類の生育を阻害する可能性もある。
東広島市の瀬戸内海の沖合に有る牡蠣養殖場は、沿岸の工場地帯での下水道整備の遅れや上流の河川や住宅の下水道整備率は全国平均よりまだ低い。それにより、住民や工場等も洗濯等に使用する界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)の使用を控えなければ、海底の泥部では硫化水素のような毒性な物質が発生する。
もちろん夏場の海水温の上昇では、30℃を越えると溶存酸素濃度が7ppm程度まで低下し、牡蠣等の生息は困難になる。現行、活性汚泥によるBOD(生物学的酸素要求量)や溶存酸素濃度は、河川等では測定されているが、牡蠣養殖場のような海域での測定は殆どされていないのが現状だ。
当然、瀬戸内海の海水温を下げることはむずかしく、牡蠣養殖棚付近で曝気装置などを用い、人為的に海水に含まれる溶存酸素を7ppm以上に増やすことはできる。衆参を通過し成立した18.3兆円規模の正予算を活用し、好気性環境化の事業に組込むべきではなかろうか。