
年に一度の健康診断や人間ドックは、「一生ものの身体への長期投資」における本決算であり、FIRE後の自由を謳歌するための必須条件です。
投資の世界でリスク管理が基本であるように、健康維持においても早期発見こそが最大の防御です。
特に40歳を超えたら会社が定める基本的な健康診断だけでなく、より精密な「人間ドック」を欠かさず受けるべき。
自覚症状がない段階で深刻なリスクを摘み取ることこそ、将来かかる膨大な医療費と時間を節約する最も賢い先行投資といえます。
ちなみに「ドック(Dock)」は船の修理や点検を行うための設備(造船所)を指す言葉です。
海を航海した船が次の航海に備えてドックに入り、船体の点検や修理を行う様子を「人間も一生という長い航海の途中で定期的に体のメンテナンスを行うべきだ」という考えになぞらえて「人間ドック」と呼ぶようになりました。
この言葉は日本独特の表現で、1954年に国立東京第一病院(現・国立国際医療研究センター)がこの検査を開始した際、当時の新聞で報じられたことで一般に定着したと言われています。
なぜ人間ドックを推奨するのか。
そこには活用すべき制度と、検査の特性という二つの理由があります。
- 制度の活用
労働安全衛生法により会社には従業員への健康診断実施義務がありますが、さらに各健康保険組合では35歳や40歳以上の被保険者に対して人間ドック受診費用の補助や、提携施設での優遇料金設定を設けているケースが多々あります。
- リスクの早期発見
一般的な健診より検査項目が多いため、自覚症状が出にくい隠れた病の種を見つけやすくなります。
- 自由で多様な選択肢
毎年同じ場所で受けるより、数年おきに医療機関を変えることで異なる医師や設備による「セカンドオピニオン」的効果が得られ、見落としのリスクを軽減できます。
私は49歳で退職するまで毎年「1泊2日コース」の人間ドックを合計9回受診しましたが、2~3年ごとに受診するクリニックを変更するようにしていました。
実際、ある施設での診断結果で毎年「要検査」とされていた項目が、別の施設では「正常」と診断されたり、逆に新たな確認事項が見つかったりと施設による視点の違いを実感したものです。
また、基本コースに加えてオプション検査も積極的に活用しました。
特に遺伝的リスクについてはしっかり診てもらうべきです。
日本人の死因の多くを占める三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)のうち親族が患った病気があるなら、その項目を厚めにチェックしてもらいましょう。
なお、見慣れない用語も多くとまどいがちな検査項目も「マーソ(MRSO:国内最大級人間ドック予約サイト)」などの比較サイトを使えば、検査内容や費用を簡単に調べられ、予約までできます。
多少の自己負担はあっても、病状が悪化してから支払う治療費や失う時間に比べれば検査費用などお安いもの。
鍋底を焦がさないよう定期的にかき混ぜコクを出す「2日目のカレー」のように、健康もまた、日頃からの丁寧な手入れがあってこそ深みのある豊かな人生を支えてくれます。
FIREや定年退職を迎えると受診は完全に「個人の自由」となります。
行政からも年齢にあわせて無償(または少額)で大腸がん検査や胃部エックス線検査をしてくれる案内ハガキが届くので積極的に利用しましょう。
長い人生を自由な時間として満喫するためには、余計なリスクやストレスを抱えない健康な身体が不可欠です。
毎年の本決算で自分の身体への投資運用成績もしっかり開示、分析することを怠りなく。
あなたも人生という荒波を安全に乗りこなす船長として、優秀な整備員を抱えておきましょう。
お粗末さまでした。
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