山とは、つまり本格的な登山を指す山です。
やっぱりガイド付きの登山で本当に良かったです。
私は大概の山は一人で完結出来るんですが、今回だけは
どうしても、心細くて、ガイド付きでなければ行けなかった所でした。
行き先は、飯豊山の石転び雪渓の、
登山地図に記されているルートである梅花皮沢雪渓ルートではなく
地図に記されていない、
地元限定のスキーヤー御用達の門内沢雪渓ルートに案内されて
念願の門内沢雪渓を歩くことが出来て本当に良かったです。
北アルプスなどの雪渓では、酸化鉄(ベンガラ)によって
登山ルートがはっきりと示されていますが、
この飯豊山の梅花皮沢雪渓は、日々の雪解けの状態によって、
また、
崩落の落石状況によって安全地帯とルートが変わるので、敢えてベンガラは撒きません。
ルートファイティングが命に関わる非常に重要な要素になってきます。
ちょっとでも見誤ると、沢に落ちてしまい、這い上がる事が出来ません。
前の人とロープで繋いでいれば、助かる可能性もありますので
地元、小国山学会のガイドとサブリーダーに率いられて、
安全確保を優先してもらいながらの登山になりました。
また、状況によっては時速200Kmの石が、音もなく飛んできます。
今回は、カラカラ・・・ドーンという音が何回か聞こえ、
稜線の反対側で崩落が起こっていたようです。
こちら側でなくて本当に良かったです。
過去に、様々なイベントで、いわゆる「出会い」という付近までは
幾度も訪れたことがありますが、その先の雪渓登りをしたことはありませんでした。
いつかは、梅花皮沢雪渓登攀とは思っていました。
北アルプスの白馬大雪渓なんて、ちゃんちゃらおかしいと思えるほどの急登です。
ここら辺で30度くらいですかね?
サブガイド)(ヾノ・∀・`)イヤイヤ、まだ30度にはいってませんね。
(。=`ω´=)ぇ?
流石にここら辺は、私には45度に見えるんですが・・・・
サブガイド)ようやく30度くらいでしょうか?
(。=`ω´=)ぇ?∑(=゚ω゚=;) マジ!?
最後が急ですね。
あれは・・・45度じゃなく・・・・絶壁じゃん
アポーン
今日はとりあえず、稜線に到着することが目的ではなく・・・・
ここから尻制動で滑走するのが目的ですから・・・
ここら辺で水平を作りましょうか?
はーい
みんなでピッケルで斜面に水平を作るために、ガシャ・・カシャン・・・
時折、突風の吹き下ろしの風に、思わず耐風姿勢とばかりに
斜面にしがみつき平伏する・・・
あーーー、
なになに・・・・飛んでったー・・・・
後で拾いに行きましょう。
危ないから今は、ザックを水平に置きましょう。
置く時には、ピッケルでザックの紐を貫通させてから斜面に刺してください。
準備できた人から、滑走してもいいですよーーーーーーー
( ^ω^)ムリムリ★
多くの人が、ここからじゃ、滑落停止訓練でも止まれない程に
恐ろしい斜度なので、もう少し下ったところからでもいいですか?
自分が出来ると思ったところから、やってもらって結構です。
という具合に、喝を入れるため、サブガイドは
じゃ、私が・・・マタギ制動の手本をお見せしましょう・・・
サブガイド!!!!(/ ´•ω•)/まってー
私一人じゃ降りれないので、付いていてください。
わかりました。
では下まで降りてみましょう。
それでは、私はひと足お先に・・・走って降りますね・・・・
www
という具合に、私は走って降りてみました。
ある程度斜度が緩いところから、多くの人は持参した尻制動マットで
気持ちよく下山します。
私も、先週まで標高差1200mを日帰りで行けるようにと、
かなり頑張ってトレーニングをしてきたつもりだと思いますが
それでも、最後の見た目45度の斜面を攻略するには、
あと2時間は頑張らなければならず、体力が持つか不安でした。
本当にギリギリな所でした。
私の大腿四頭筋の限界だと思いましたが、
それでも私より高齢のメンバーたちはくじけていません。
皆さん凄い体力だと思いました。
帰りは、12本アイゼンを付けたまま、尻制動の方々に負けまいと
メチャクチャ走りまくったので
後半では大腿の内側の筋肉が攣ってしまい、一時歩行困難になってしまいましたが
5分立ち休みと、小林製薬のツラレスを飲んで、完全回復して最後まで何事もなく
帰ってくることが出来ました。
行動時間は約12時間。
私の参加するツアーはペースは早いし、テクニカルだし、行動時間は長いし
滑落停止訓練を全員が受けていて、ピッケルアイゼンはお手の物。
はっきり言って、参加者全員がプロレベル。
だから、やりがいがあって良いんですが、
今回のルートは危険箇所が多くて、そういう意味で気疲れが多く
「本当にくたびれたーー」という感じの一日でした。
飯豊温身平のブナ林を歩いて行きます。
ここから、散策コースを抜けて、本格的登山コースへと進入していきます。
とは言っても、夏道は雪の下に隠れているので、
ルートファイティングしながら藪をかき分けながら進みます。
残雪の上をまっすぐに歩いていきたいのですが、藪を抜けるために
右に左にルートがジグザグになってしまいます。
私は、やはりツアーの古参メンバーでもあるので、一応シンガリを務めさせていただきます。
という建前で、スカしっぺが出来る一番後ろが気が楽なのです。
www、それは実は内緒ね。
サブリーダーは、中央の体力に自信のない方のサポートにつきます。
こんなところをヘツリながら慎重に進んでいきます。
帰りもここを通るのかと思うと気が重いです。
と思ったら、もっと危険な場所があって、死ぬかと思いました。
ようやく、超危険なスリッピーな壁を超えて、残雪に降り立つことが出来てホッとしました。
あとは、出会いまで雪の厚みがある安全な部分を探しながら歩いていくだけです。
左右から沢水が見られるけれども、その下は、薄いスノーブリッジ形状だから・・・
雪が薄くなっていて、いつ体重で崩落、落下、死亡するか分からないから超危険です。
むやみに水を汲もうと近づいていかないほうが無難です。
いつもなら、出会いまで3時間だけれども、今回は、雪崩で高巻きの登山道が崩壊していて
安全な道を探すのに苦労して、少し時間がかかっています。
見えた
ようやく、「石転び出会い」に着きました。
とはいえ、これで、工程の約半分です。
普通は、左に見える梅花皮沢雪渓(4時間)を稜線までつめるのですが・・・
我々は今回は、右側の門内沢雪渓をつめていきます。
歩いても歩いても・・・まだまだ先は遠い。
それが、近くに見えて遠い雪渓歩きの特徴でもあります。
前方に、雪がバランスよく立っているのが見えます。
まさにパブリックアートですね。
もはや、「出会い」すら遥か彼方というところまで、登ってきました。
標高1400m・・・ここまで来ると、風が冷たくて寒いです。
やっぱり、5月中旬も過ぎたのに冬装備が必須なのは、飯豊山の特徴です。
稜線まであと400mと云った所でしょうか?
この先は、強い風と急斜面により、写真を撮る余裕はありませんでした。
この雪渓を皆さん、尻制動でルンルンと下っていかれました。
私は、次回来る時には、スノーボードを担いで持ってこようと思いました。
という事で、
今回は、飯豊山門内沢雪渓のピストンを日帰りでやってきた。
という報告でした。
最後は7分18秒のスライドショーを作ってみましたので、ご覧いただければ幸いです
最後までご覧いただきましてありがとうございました。