憧れのハッセルブラッド。
何故欲しかったのか?
憧れだったのか?
それは生々しさが写真から感じられるからであり
まるで魂がコピーされているかのように・・・
まるで一枚の写真に写る人が、こちらに話しかけてくるように・・・
そして、いかにも動き出しそうにも見えてくる。
そんなありもないことがありそうな錯覚を覚えるからである。
まさに写実の極みと云えるかもしれない。
そんな写真はハッセルブラッドにしか出来ない。
がしかし、何故にハッセルブラッドを買わないか・・・
というと、買収されてDJIという中国メーカーの傘下になったという事で、
メンテナンス性とブラックボックス化による
いわゆる・・・ソフトウェア部分の信頼性に欠けるからであり、
東京在住の方ならすぐに販売店に持ち込むことも可能だが
田舎ではそれは出来ない。
また2023年に東京のストアも閉店となり、
もはやどこに持ち込めばよいのかすらも分からなくなってしまったという・・・
それも決断できない一つでもある。
やはり日本のメーカーの方が、メンテナンス好きな私にとっては、
時折メーカーに依頼してセンサークリーニングやレンズの調整などをしてもらいたい。
そんなことで、欲しいものは欲しいのだが、何故に生々しさが写真に残るのか?
を考えてみたいと思う。
カメラ本体とレンズの組み合わせで、同じ被写体でも
印象は大きく変わるのがレンズ交換式カメラの特徴だ。
以前、シグマのDP3メリル2という特殊なカメラを使用していたが、
センサーがAPSサイズのフォビオン配列であり4600万画素で、
またレンズもレンズシャッター式であった。
RAWデーターは常に50MBであり、
当時のキャノン5D2の2000万画素では5MBであったから
その10倍であったことは懐かしい。
多くの人は、画素数が多いほど美しく精細に撮影できる
と錯覚してカメラを購入されていることだろう。
それは全くの勘違いでもある。
ただ単に拡大できるだけの事であり、
トリミング耐性という画像の切り抜きという手法が拡大したという
表現方法のキャパシティが寛容になったに過ぎないのだ。
故に画素数競争は全くの意味をなさない。
A4サイズのプリントでは1000万画素もあれば十二分なのだ。
5000万画素を印刷しようとすれば
大体にして、プリンターが20mの巨大印刷に対応していないし、
モニター鑑賞でも4K以上は表示できないから
8Kで撮影しても、8Kモニターを持たない人には間引いた画像しか見ることが出来ない。
つまり、99.9%の人が、撮影した本当のサイズを見ることや印刷などはできず、
画面上での等倍拡大にほくそ笑み
印刷された、または出力された
いわゆる間引いたデーターをそのものだと勘違いしているにも関わらず
間違った悦に入って満足しているに過ぎない、
いわゆる子供だまし的なまやかしが画素数の増加という手法なのだ。
では、なぜ高画素機が魅力的に見えてしまうのか?
それは、メーカーがそういう風にバカな我々コンシューマーに
高画素機はいいですよと過大広告と営業を仕向けているからに過ぎない。
また、カメラ信者が真実に気づきもせずに、洗脳されそう勘違いしているに過ぎない。
これが上手くマッチングしているのが
現在のカメラファンとカメラメーカーとのニーズなのだろう。
但し、望遠レンズにおいて野鳥の撮影をする場合においてのみ、
トリミング耐性は非常にありがたいと断言しておこう。
しかしながら
昔のフィルムカメラと現在のデジタルカメラで比較してみても、
明らかにフィルムカメラの方が画質が良い。
故に最近では驚くべきことに、ペンタックスからは、
PENTAX17と云うフィルムカメラが新発売された。
但し、フィルムには困難なことでも、ミラーレスカメラでは容易になっていることで
一長一短があるから、見極める必要がある。
デジタルでは、リニアに誰しもが楽に・・・
暗所撮影やシャッター速度が稼げるように出来るから、
現在はミラーレスが流行っているのであって
また動画撮影が容易に出来ることも、8mmフィルムの現像時代に比べれば
はるかに凡人に汎用的に扱えるようになったことは、
やはりどう転んでもミラーレスカメラは望ましい。
例えセンサーサイズを変えずに2億画素になろうとも10億画素になろうとも、
絶対にきれいには撮影できない。
ではどうやったら魂を撮影できるのか?
それは、記録諧調が最も重要なことであり、
現在主流のカメラは14ビットでの記録が主流で、約16,384諧調で表現される。
色表現で云うならば4兆色に値する。
少し前までの一眼レフカメラでは12ビット記録が主流だったから4,096諧調で表現されていた。
色表現で云うならば680億色で、実際には1677色が表現される。
この、同じカメラでも、記録方式の12ビット記録、14ビット記録、
16ビット記録という部分が非常にリアルさと云う意味では重要になってくる。
現在のハッセルブラッド(43.8×32.9)や富士フィルム(43.8×32.9)などでは
16ビット記録が可能であり
65,536諧調で280兆色で記録される。
それが故に、生々しさが記録され、見る者に
本物と間違えてしまうほどの衝撃を与えるのだろう。
いずれ、時代が進めば、どのカメラでも16ビット記録されるだろうけれども
連写する場合においては、CPUやインターフェースが現在の技術力では、
コスパ的に追い付かないだろうから
連写カメラの機体には今後も14ビットの記録方式が使われるだろうし、
若しくは、画素数を2000万画素に減らしたモデルが幅を利かせるかもしれない。
鳥の撮影においては、秒間120コマなどのようにシャッター枚数を稼ぐことが重要であり
ピント精度が必要になってくる。
また、一枚一枚をゆっくり撮影するスタジオ向けカメラでは、
ピントは中央一点でよく、解像度を増すために、良いレンズを使用し、
画素数を増やして撮影することが主流となり、また
16ビット記録方式が使われるという、
ある意味での、業界の棲み分けが進んでいくことであろうと思われる。
私は、きっとこの16ビットの諧調に魂のコピー感を視て、
14ビットに過去の時間の記録感を視てしまう目を持っているのかもしれない。
それだけではなく、もしかして、フォーカルプレーンシャッターと
レンズシャッターの大きな違いもあるかもしれない。
大して大きな問題ではないかもしれないが、人間は画像の中心や被写体を先に見てから
画像の周辺を見る癖があるように思うが、レンズシャッターは、周辺から絞り羽が閉じていき
最終的に中心が閉じる形式の記録方式となっているが故に
人間の目にとって、中心部分ほどスローシャッター気味の光粒子の取り込み量が多くなり
結果的に、被写体が浮き出るような形のスタンド効果?
もしくはレンズ樽型彎曲効果として記録される形となって
見る者に、中判カメラという以上に、
フォーカルプレーンシャッターの富士フィルムと、
レンズシャッターのハッセルブラッドレンズの違いの効果を
発揮するのかもしれないと考えるのだ。
センサーサイズの大きさは、あくまでもダイナミックレンジ(ラチチュード)の幅にあり、
光りに対しての許容度が上がるだけの事であり、暗所性能が優れるだけのことであり、
それに画素数を増やしていけば、
APSサイズのセンサー(23.4×16.7)で撮影した1200万画素の画質と同様に
1画素当たりの記録する面積が狭くなって、
いわゆる画素ピッチ(μm幅)が狭くなってしまい
サイズのメリットと云う旨味を失ってしまう。
だったら、最初からフルサイズセンサーの1200万画素、
つまりはα7S3で良いのではないかと思うのです。
とはいえ、元々4800万画素のセンサーを1200万画素にしているので、
ダイナミックレンジが広い訳ではないことは注意が必要。
今後20年経ったとしてもスチール写真の14ビットの決定版は
いろんな意味で、きっとソニーのα7S3の存在に揺るぎはないでしょう。
時代と共に画像処理エンジンが進化して、処理能力が向上すれば、
その分、画素数を増やしても
ディープラーニングAI補正などによって、それらしく演出していくしょう。
今現在、誰もが画素数が多いほど良いカメラだと錯覚している訳ですが、
実は実用上ではそうではないことはニュアンスで掴んでいただいたかもしれません。
追い打ちをかけるなら
フルHDモニター(1920×1080ピクセル)で見るなら207万画素でJPG記録写真で十分なはずであり。
また4Kモニター(3840×2160ピクセル)で見るなら829万画素で十分であり
スマホの画面ではIPHONE12では、(2532×1170ピクセル)であるから
500万画素程度で十分なのです。
また、現在の主流のプリンターでは
A4サイズの印刷サイズは、210×297mm 推奨画素数は2516×3544(900万画素)
A3サイズの印刷では、297×420mm 推奨画素数は2970×4200(1400万画素)
が適切なサイズとなります。
つまり、2000万画素以上のカメラには、
あくまでも記録データーとしての価値を見出すことは出来るかもしれないが
印刷上でも、モニター鑑賞などの出力上でも全くの意味がないのです。
逆にデメリットの方があるかもしれないことは、後に述べたいと思います。
先ほど述べたように、トリミングという手法においてのみ、メリットがある訳ですが
フィルム時代の人に言わせるとここ重要
F1.4のレンズで撮影した、周辺のボケを殺してまでトリミングをする行為は
間違っている、もしくはアホの極みとまでと言われてしまうでしょう。
これが、ターニングポイントだったのは、キャノン5Ds 5060万画素機が発売された時
京都の竹林のトリミング写真で、これほどまで拡大できますよという広告だった。
フィルム時代の人に喧嘩を売っているのではないか?
レンズメーカーとして、F値の低いレンズを売る気が無くなったのか?
カメラ・ド素人に売りつけるための宣伝文句か?
などと揶揄されていたが、
やはりアマチュア写真家はこぞって高画素機を手に入れたのだった。
この頃から、
息を吞んでシャッターを切るという古風なカメラテーゼが崩壊していったのだろう。
被写体を浮き立たせるためにボケが重要だからF値の低いレンズを使う訳であって、
トリミングはこのレンズのメリットを完全に殺す所業だ。
更に、パソコン上で、5000万画素を印刷するのに、
900万画素サイズにまで画素のダウンサイジングしなければならないので
操作劣化による、出力形式や間引く手法などによって、画質の低下が激しくなってしまう。
・・・・だとするなら、1200万画素で撮影して、
無操作の無劣化で印刷する方がありのままで良いはずだ。
だから、今のカメラで撮影したものよりも、以前に撮影した画素数の低いカメラでの写真が
美しく見えてしまうのだ。
もしも、最新で高いカメラに魅力があるとすれば、
16ビット記録方式と
センサーの光の記録方式と
CPUのエンジンによるカラー設定
のものくらいだろう。
最近、ソニーはビオンズXRで人肌が美しいとされている。
レンズは、キャノンのLレンズは蛍石を使用する素材の観点から、これ以上ないほど間違いはない。
手持ち動画用に快速に動くかと云えば、プラスチックレンズには
コンパクト軽量という点からガラスレンズは敵わない。
スチール専用なら低画素機のニコンとキャノンが良いだろう。
動画用用途なら、記録方式の点でソニーとシグマに絞られるだろう。
大体にして、キャノンとニコンは機体が大きくて、重すぎて私には運べない。
そういう意味では、いずれはキャノン・ニコンユーザーは、
高倍率ズームレンズに集約されるのだろうねと思う。
カメラは、実はレンズの世界と呼ばれ、レンズを多く持っている人が楽しめる世界でもある。
しかし、それを殺すのは、今まで述べてきたように高画素化であり、
その最たる悪行は
F値の低いレンズを使用してまで撮影し、そしてトリミングするという皮肉なめぐり合わせである。
云いたいことはお分かりでしょうか?
最近の私の平標山の写真や動画は、
全てアイフォンの1/1.5センサーサイズ(約9.8×7.3mm)
1200万画素で撮影したものであり
そんな小さなセンサーサイズなのにも関わらず、実に素晴らしい映像が記録できている。
トリミングなどせずとも、広角領域が見事に表現されている。
次期、アイフォン16は4800万画素の光学式望遠レンズがついているはずだが、
トリミングの事を考えての事だろう。
その間違った世界的主流を作ってしまったのは、サムスンのギャラクシーであり
ソニーもエクスペリア1シリーズで、今年はまんまとその流れに乗ってしまった。
そしてアップルも、昨年モデルから右ならえをしてしまった。
同じセンサーサイズで画素数を増やすことは、暗所性能が著しく悪化する訳だが
AIチップの自動修正・補正能力によって、ノイズやざらつきなどを改善しているのだろうと思いたい。
いつまで、画素数競争は続くのであろうか?
メーカーとしては売れれば良い訳であり、
画素数を増やして売れるのならばそうせざる負えないのだろう。
だがしかし、そんな画素数競争には目もくれず
いずれ私は16ビット保存が出来るカメラを手にするつもりでいる。
その前に、14ビット保存が出来る現在使用のα7Ⅳで10年ほどは遊んでみたいと思う。
その時、ハッセルブラッドはどのように生き残っているのだろうか?
日本のメーカー(ソニーもしくは富士フィルム)が吸収してくれていれば良いのだが・・・。
という事で、今日は画素数競争に意味はないという内容でした。
分かる人にはわかる、分からない人には理解してもらえないという内容かと思います。
この内容はミラーレスカメラの中でも、もっとも重要なことなので
問題提起をしてみたところです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。