この冬も諏訪湖の「御神渡り」が通じました。極寒により、諏訪湖の氷がせり上がり、上諏訪から下諏訪へつながるものです。
諏訪大社・上社の男神・建御名方神(タケミナカタノカミ)が下社の女神・八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)のもとへ通った道筋といわれています。

そんな風土で醸される翠露を飲むのは久々です。香りの立つ酒のイメージがありましたが、この一本は穏やかで主張を抑えている。

HI3B1890.JPG

HI3B1891.JPG

全量山田錦を使用し、これを55%まで磨いた贅沢な仕込み。
無濾過生原酒のフレッシュ感が、心地良くノドを通過していきます。
いくらでも飲めてしまいそうな一本でした。
またまた東京のお酒ですが、奥多摩のあきる野市にある中村酒造場は、創業が文化元年(1804年)というから、200年以上の歴史がある蔵です。

幕末、現在の日野市に近藤勇や土方歳三が闊歩していた時代に、すでに酒造りをしていたと思うとなんだか不思議な感じ。

主銘柄の「千代鶴」の新酒にごり酒「たまの里」を、友人ご夫妻があきる野まで行って購入してきたとのこと。

HI3B1893.JPG

HI3B1894.JPG

カルピス色で、モロミの粒が残った舌触りはまさに濁り酒。

酸味が強く、新酒の香りが立ち上がるこの酒は、一人で飲むよりも皆で楽しく飲むのに最適な1本でした。
ご馳走様でした。
なにか最近は「田酒」がいつもと違うような感じがするので、同じ青森でも試飲会で美味しく感じた「桃川」を新年会に持ち込みました。

DSCN3095.JPG

DSCN3093.JPG

二種類の吟醸酵母(青森県産酵母と桃川酵母)で醸した吟醸純米。
が、わたし的にはちょっと吟醸香が強すぎる感じ。
同じ桃川でも造りが違ったのでしょう。

ただ、華やかなお酒が大好きな人たちがいたので、評判が良く助かりました。
それと自分自身が飲み疲れだったこともあります。

DSCN3094.JPG

日本酒の味わいは本当に個人の嗜好と本人の体調により、受け止め方が異なります。
したがって、偉そうに評価するのは差し控えよう。
町田市の農家が作ったお米で醸したお酒。
現在の町田駅前の賑わいから米作りのイメージはしにくいのですが、古くから鶴見川、境川、恩田川と米作りには欠かせない川筋に恵まれている地の利があるのです。

なお、実際の醸造は八王子市の「小澤酒造場」に委託しています。(青梅市で「澤乃井」を造る小澤酒造とは別蔵です。)

HI3B1881.JPG

この酒、1995年からこの世に出ているようです。

HI3B1880.JPG

酒母麹は新潟五百万石を使用しています。酵母は協会9号。
八王子の奥、相模湖北の陣馬山系伏流水が使用水。

HI3B1882.JPG

酒名は公募によるもので、春には桜祭りで賑わう尾根緑道に因んだ「尾根ざくら」が選ばれたとのことです。

町田市民の皆さんは是非とも一度飲んでみてはいかがでしょうか。
超個性的なお酒。どうやったらこんなキツイ香りが出せるのだろうか。
徳島は個性的なお酒が多いようですが、この三芳菊酒造はその象徴的な存在のひとつ。

その「三芳菊」の中でもこの「零」はさらに際立っているのではないでしょうか。

HI3B1873.JPG

このラベルもおどろおどろしい。

HI3B1874.JPG

「この酒、面白い!結構いいじゃない!」と言う人と、「もういいです。」と言う人に分かれるので、お店で見つけて初めて飲む場合は、できれば少量サイズからが良いでしょう。

スペインバル料理と日本酒を融合した和酒バル「KIRAZ(きらず)」(目黒区三田)では「三芳菊」がフルラインアップ提供ですが、ここでは飲めるかも。

『一見の方お断り』『完全予約制』のお店ですが、別に格式が高いわけではなく、むしろ料理が落ちそうなくらい狭いテーブルと丸椅子、ハンガーもなく酒ケースにコートを置くような、食堂的ザックリした店。

でも『一見の方はお断り』する理由もわかる。
昨今の日本酒人気で、評判の日本酒バーはどこも常に満席。

新橋と銀座に店を構える「庫裏」は、月間1000件の「予約依頼のお断り」をしているという。

新橋の「もと(生モトのもと)」では私がカウンターで1時間強飲んでいる間に、20件あまりの予約問い合わせ電話が入っていた。
店長の鈴木さんは「私は電話番です」と自虐的に言っていた。

押上「酔香」も結構多い。あそこは不便な場所だから、行って満席だったら困る。

燗酒を提供するお店では、秒単位で温度管理をしているので、頻繁に電話で遮られてはつらいだろうと思う。
特に少人数で運営するお店では。


酒徒庵は「食べログ」で4.23ポイントという都内の日本酒処でも1、2位を争うハイスコアの店なので、『一見の方お断り』を掲げなければ、毎日電話に忙殺されて仕事にならないだろう。

HI3B1859.JPG

それではこの店の魅力はなんなのか?

大型冷蔵ケースに並ぶ酒瓶を客が見て、飲みたい銘柄をお店に頼むシステムは合理的。
頻繁に入れ替わる多種類の酒を、その都度メニューの書換えをしていたら大変だろう。


ひと通りのお酒を冷やで飲んだあと、冷蔵ケースの前で店長の竹口さんに「徳島の旭若松を燗で」と頼んだ瞬間、竹口さんの眼がキラリと光った。

席で待っていると出てきたのは、暖められたお猪口とまさに適温の「旭若松・雄町100%」。

HI3B1863.JPG

この日のベスト一杯!

その後は次々と燗酒オンパレードとなりましたが、銘柄によっては一度50度まで上げてから45度に冷まして提供するなど、竹口店長のこだわりと工夫、発想力がまさにこの酒徒庵の魅力ではないかと確信した次第です。

もちろん、日本酒に合う肴の数々も引き立ててくれました。

今回もKさんにお世話になり、御礼申し上げます。
津波被災蔵・酔仙酒造の年末予約限定商品です。
陸前高田の人々にとっては、新年の到来を知らせる祝酒でもあります。
ラベルは朝日をバックに羽ばたく鶴と宝船。
HI3B1408.JPG

一関市千厩町で岩手銘醸社より借りていた玉の春工場から、この夏に完成した大船渡市の高台に位置する新工場に造りを移した今期、蔵の皆様の復興にかける意気込みは一層増したことでしょう。

HI3B1872.JPG

そうした被災蔵云々を抜きにして、この初酒槽は旨い。
造りは本醸造生原酒ですが、生酒のフレッシュ感、その中からあふれ出てくる旨味のラッシュ、原酒を感じさせない呑み口の良さ、米を感じさせるほのかな香りetc、SAKEの良さを凝縮した酒です。

この日に飲んだ約10種類の酒の中でも一番うまかったというのは、参加者のほぼ一致した意見でした。
ご用意いただいたKさん、ありがとうございました。
私の名字が入っている「星自慢」はとてもいい酒名。
蔵元が星さんという方で、「星さん自慢の酒」で星自慢。

HI3B1787.JPG

福島県喜多方の「華」になるという気概を込めて「喜多の華酒造場」。
HI3B1788.JPG
酒名も蔵名も至極わかりやすいです。

HI3B1789.JPG
原酒だからアルコール度は18%ですが、日本酒度が-1ということもあって、キツさは感じません。

一時期の辛口時代から、最近の酒はこの辺りの日本酒度のものが増えてきたような気がします。
私のような年代の者にとっては、このくらいの甘辛度がちょうど良い感じ。

特別純米は私の好きな酒質ですが、9号系酵母以外で醸したらどのようになるか、興味が有ります。
フルーティだとか、淡麗だとか、甘いとか、辛いとか、そんな区分けはまったく意味をなさない芯のある酒。
これぞ「ジャパニーズ・SAKE」。

DSCN2930.JPG
全量純米蔵だから、いちいち純米酒と謳っていない。

DSCN2931.JPG
上槽が2010年2月だから、2年以上熟成させている。
ブランド米である「田中農場産山田錦」を100%使用して、これを60%まで精米し、7号酵母で醸している。

アルコール度数は完全発酵の18-19%。日本酒度は+4。
酸度が1.9で、アミノ酸度が1.8だから、表示上からも到底サッパリした酒とは言えない。
そこがこの酒の醍醐味。
しかも生モト造り。

こういう酒は、冷蔵庫でギンギンに冷やして飲んだら堅さばかり際立つだろう。
好みにもよりますが、開栓して数日放置プレイした方が、気の弱い私のような飲み手にはスンナリいく。

美味いのではなく、旨い酒。
北摂の銘酒「秋鹿」さんは日本酒好きの心を掴む。
寛政元年(1789年)創業の信州諏訪・麗人酒造。
「初しぼり」から「ロゼ・スパーク」まで、さまざまなラインアップがありますが、その中でも10年古酒は異彩を放ちます。

HI3B1671.JPG

個性的な目立つラベル。
古酒だから一気にたくさん造れない希少品ですが、1本3000円とは良心的な価格付け。

HI3B1672.JPG

「麗人」という名前につられるわけではありませんが、10年の年月が織り成す円やかな優しいさがにじみ出てくる。
熟成酒を飲み慣れない人でも比較的飲み易い古酒ではないだろうか。

個人的には「純米」の方が旨口感があって好みでした。