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Teachers College (Columbia) 留学記

2013年秋から、ニューヨークにあるコロンビア大学ティーチャーズカレッジで生涯学習(Adult Learning and Leadership, Master of Education Program)を学んでいます。
日々の学びの振り返り(Reflection)として書いている日記です。

昨日、質問されて上手く答えられなかったものに
「意欲の低い学生に対して、どのような対応をしたらよいとAdult Learningは言っていますか?」
というもの。

答えは、

状況による。

なんだけど、それじゃ面白くないので考えてみる。

前提の部分として、まず「状況」という言葉をもう少し明確にしてみます。
Cranton(2006)が「コンテクスト」という言葉が指しているものは7つあると言って、それは

・教えるものの中身
・教科のフィールド(文系、理系)
・クラスルームのレイアウト
・学生、先生を含めた心理的な環境
・所属する学部のノームや期待
・組織のノームや期待
・所属する国のノーム、文化

だそう。

けど、それ以外に生徒の性格、能力、学習スタイル…など様々な要因が絡んでくるんだと思う。
まず、それらが定義されてから、より明確な回答を言えるというのが前提。


いくつかヒントになるものを挙げてみる。それはAutobiographical Methodと教師が適切にパワーを行使することの2つ。

①Autobiographical Method
大学院の授業で学んだ中で印象的な教師にStephen Brookfield教授がいます。
僕のコースAdult Learning and Leadershipの前トップの方。その方が授業の一番最初にAutobiographical Methodというものを用いて、授業をスタートしたことが非常に印象的でした。

Autobiographical Methodって、簡単に言うと自己紹介なんだけど、十分な自己開示をすることが特徴。

例えば、Brookfield教授は、
・自分は今教授職にいるにも関わらず、学生時代はテストが苦手だった。テスト中になると少し呼吸が苦しくなって、落第ぎりぎりだった。
・ディスカッションに貢献するのが苦手で、いつも事前に言うことを準備していた。

だから、そういった学生の気持ちがすごくわかる。そんな学生が大人になって「やっぱりもう一度勉強したい」と思った時に、支援できるようになりたい。

そのようなことを授業が始まって最初におっしゃった記憶があります。そして、そのおかげでクラスルームに漂っていた緊張感がすこし緩んだ気がします。この人の前で賢く振る舞う必要はないんだと思えた瞬間があったように思います。

また、Brookfield教授というAdult Learningでは超有名な教授が人間っぽく見えた瞬間でした。

これは、冒頭の問いに対する一つのヒントかもしれません。



②教師の持つパワーの適切な活用。

教師は成績をつけることができるという役割上、勝手にパワーを持っています。
その結果、生徒は意識的、時には無意識に先生が好む意見を言うようになります。

これは、多様な意見が尊重されてない、Safe environmentにならず生徒が発言しにくいというデメリットにつながってきます。

しかしその一方で、教師が持つパワーを適切に活用することで、クラスルームのマネジメントが容易になります。まず大事なことは、教師自身が、自分がパワーを持っていることを十分に自覚すること、そのうえで昨日用いたChoiceful Choiceをしていくということなのではないかと。



とりあえず、今日はこれくらいです。

昨日、Somatic Leadership Developmentの授業で印象的だったのが、ストレスがかかる状況における、人の行動パターンに関する実験に関して。
ストレスがかかる状況で人の(本能的な)反応は3パターンしかなく、それはFight (戦う) - Flight (逃げる) - Freeze (固まる)であること。脳の構造で言うと、扁桃体と海馬という本能をつかさどる部位が反応すると言われてます。

今回の授業の実験は以下のようなプロセスでした。
①自分がupsetした経験をメンバー(4人)に共有
②彼らに背を向けて立つ。
③その後、急に彼らに腕をつかまれ、かつ自分をupsetさせた象徴的な言葉を言われます。
④その時、どのような反応が生まれるのかを観察する
という実験をしました。

振り返りとして、
・実際に言葉を投げかけられたときに、自分の体にどのような変化が生まれるのか、それはFlightなのか、Freezeなのか、Fightなのかについて個人的な振り返り
・観察者からのフィードバックもされます。
・最後に、日常生活とのつながりについてディスカッションをしました。


私のパターンは、基本的にストレスがかかったその瞬間は、肩に力が入りかつ、目つきが鋭くなって、相手をじっと見るというパターン。感情としては、一瞬怒り、驚き。その後、冷静になる。
相手とFightをするとか、Flight(逃避)をするとかではなく、Freezeしている傾向があるようです。
これらの反応のパターンは、自分自身が今まで生きてきた中で自然と培ってきたadaptive strategyであると言われます。ストレスがかかると、自分はこのように対応してきたんですね。

このSomatic Leadership Developmentのコースでは行いませんが、より本格的なニューロサイエンスの授業などでは、心拍数や瞳孔の開きの違いなどもチェックするようです。より、自分のadaptive strategyが鮮明に浮かび上がるんだろう。


大事なことは、ストレスがかかっている状況で自分はこのような振る舞いをしていると知ること。
そうすることで、意図を持った行動やchoiceful responseができるようになるとのこと。
大学院に入学して約2年。時々、クラスの雰囲気を変えるような質問ができる経験が増えてきました。
クラスメイトがディスカッションによりエンゲージして、本音を言うようになるような瞬間。教授やクラスメイトの関わりが変わってくる瞬間。

パターンとして自分が把握しているのが「適切なタイミング」「適切な質問方法」、そして「個人的に苦労して、真剣に解決策を考えているもの」があるのではないかと。他にもあるのかな。

先学期、教授からの印象的なフィードバックの一つに"your remarks were always very relevant and on point."というのがありました。一発でクラスの雰囲気を変える質問を常に模索してて、少しずつそのパターンが見えてきたように思います。

(参考記事:2015年5月14日 2015年春学期終了&日本への一時帰国! 
URL:http://ameblo.jp/journaloftc/entry-12026352408.html )
School to Work Transition を学ぶ上で重要な分野の一つであるSocialization (社会組織化)。
入社した後に、まだ何もわからない新入りから、戦力になっていくまでのプロセス。

ちなみに、Socializationの概念は2014年春学期に受講した「組織心理学」において学びました。

当時、中間テスト対策の時にまとめている文章は、ざっくりというと
・組織社会化とは、その組織の文化を理解すること。
・新入社員が学ぶものは主に6つあり、会社の歴史、言語、ポリティックス、人々、組織のゴールと価値観、あとパフォーマンスの上達である。
・また、組織社会化施策を作成する際に考慮する点も主に6つあり、それはCollective - Individual, Formal - Informal, Sequential - Random, Fixed - Variable, Serial - Disjunctive, Investiture - Divestitureである。
・多様な組織やマイノリティの組織社会化を促進するためには、Collective Socializationによって、彼ら彼女らがisolationを感じないようにする。また、ダイバーシティトレーニングは新入社員だけでなく、既存の社員にも行うべき。そして、採用に関しても明確な基準を持って、マイノリティの採用を行っていくなど。

この本を丸覚えしました。
今考えると、上記のものは基本的に組織の観点からの社会組織化であって、個人の観点からの社会組織が少し抜けていますね。
例えば、Information seeking processに関しても少し学びました。どのように情報を得ていくのかに関する手法ですね。

高等教育機関での学び → 採用活動 → 入社 → 組織社会化までのスムーズな流れを作っていくことが大事なのではないかと考え、今ペーパーを作成中です。


そして、今日もインタビューに関する連絡がなかった…残念。
気長に待ちますー。

今日は久しぶりに一日勉強。一日中勉強ができるって、ありがたい。
最近は、少ーし勉強以外のことに時間を割いています。
まあそんな時もあるかーしょうがない。

今日は、卒業プロジェクトを進めていました。書き始めながら修正を加えていく方が早かったりする。
インタビューのお願いを出しているんだけど、まだ返信が来ないのでそれ待ちですねー。

もう準備は完了したので、早く返信来てほしいな。
もし連絡こなかったらまずいので、他の手も考えておこう。


また明日もがんばります。


今日は、LaGuardia Community Collegeのキャリアイベントに参加。
ほんとはLaGuardia Community Collegeの学生対象のイベントなんだけど、この前一回訪問した時に会った方が担当者だったので、「僕も話を聞きたい!」と言ったら入れてもらえることに。

今日のイベントのテーマは2つあり、
一つ目が、senior college、要するに4年生大学のアドミッション担当の方も来られていました。編入目的ですね。
もう一つが、銀行で働いている方4名が、それぞれどのような仕事に取り組んでいるかを学生に共有。こちらは、Community College卒業後に就職する方向け。

僕の卒業プロジェクトのテーマがSchool to Work Transitionであるため、主に2つ目の銀行の方々のトークセッションを主に聴いてきました。

内容は、
①今までのキャリア
②大学の時の専攻、大学生活のどのような点が役に立ったか
③就職活動に関するアドバイス
④質疑応答
など。

アメリカの就職活動って、「新卒採用」という概念が存在しないので、明確なスキルを持ってないと採用されないという事情があります。ポテンシャル採用というものがないんですよね。
なので、「みなさんスキルを磨きなさい!」というアドバイスが非常に多いのが印象的です。スキルの中の特にテクニカルスキルを指しています。

日本はポテンシャル採用があったりするので、特定のスキルを持っているよりもtrainabilityが重要視されているような気がします。若い年齢限定になると思いますが。


ちなみに、キャリアイベントが始まるまで結構時間があったので、先行研究を読む時間を取れてよかった。Literature Review書き始めよう。

今日、卒業プロジェクトのインタビューに関して相談をしていました。その反省。
ざっくりした感じで「インタビュー30分お願いできませんか?」と送ったら、頂いた返信が、

「まずいくつか確認させてほしい」と、
・インタビューは単独なのか、フォーカスグループなのか?
・インタビューの締め切りはいつか?
・インタビューは匿名で行われるのか?
・録音はされるのか?
など。

確かに、それくらい事前に言うべきだった…しまった。
思い出すと、2014春に受講したResearch on Organizational Learningの授業でも同じことを言われたような気がする。当時は、NYCのテック系起業家支援のコミュニティについて調べてて、いろんな機関にアプローチしていました。


けど、親切な人で良かった。

がんばろう。


(参考記事:2014年4月19日 Silicon Alley URL: http://ameblo.jp/journaloftc/entry-11955099610.html)
Somatic Leadership Developmentの事前課題として見ていたTEDと映画の一幕。

①Simon SinekのHow Great Leaders Inspire Actionというプレゼンテーション。

彼が説明しているのは、「why-how-whatのゴールデンサークル」を活用するメリットと、優れたリーダーはwhyから説明をしているとのこと。

TEDを見てて、ここまでシンプルに説明されていると、若干抵抗がある。
例えば、ライト兄弟とその他の研究者の違いは、「人が空を飛べたら世界が変わる」というwhyがあるかなかったかどうかだ、という点も、ほんとにそれだけなのかなって思う。他の要因、ほんとにないのかな。

今、人の行動変容などをニューロサイエンスの観点から論文を読んでいたりすると、いかに人の行動は複雑な要因のものとに導き出されているのかを実感しています。
それをざっくりwhyがあれば成功できるというのは、少し結論飛びすぎてるのを感じる。

TEDで、短い時間で説明をしようとするからあのような説明になったのかもしれませんね。本、機会があれば読んでみようと思います。

*すみません最近リンクが貼れないんです。
http://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action?language=ja
がURLです。

②Inside Outという映画の一幕
この映画では、喜び、悲しみ、怒りなどが主人公の頭の中でキャラクターとして描かれており、それぞれが活動しています。
この一幕では、楽しい話をしている時に、悲しいキャラクターが入ってきて主人公の感情を刺激したりしています。

こういったメタファーを使うと、自己認識を高めるうえで参考になりますね。
自分の中にも、同じように喜怒哀楽のキャラクターがいて、それぞれが役割を担っているみたいな。

参考リンク:https://www.youtube.com/v/BsNRkQGmpGE#Inside%20Out-%20First%20Day%20of%20School


これらを見て、感じたことを書いて提出しなさいとのこと。
明日には提出してしまいたいです。


出典:日刊スポーツ イチローメジャー初登板1回2安打1失点/投球詳細
http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/1548539.html

イチローが投手で登板!すごいなー。
元々投手で甲子園に出ている選手なので、投手としての適性はある人なのです。が、メジャーのマウンドでほんとに投げるなんて、すごいですね!!

というか、この写真で投げようとしている球種は何なんだろうか…。2シーム?

涼しいなー。今日は9度だったんだ。

Somatic Leadership Developmentの課題で、「Body Scanに毎日取り組みなさい」と言われて、行っています。

Body Scanとはマインドフルネストレーニングの一つで、体それぞれの部位に対して順番にawarenessを当てていくというもの。例えば、つま先、足、かかと、膝…という感じで、今どんな状況なのか、力が入っているのかなどを順番に意識して把握していきます。別に力が入っているから治さないといけないとかではなく、「なんで力が入っているんだろう?」とCuriousになることが大事とのこと。

僕は、高校2年生の時から毎日寝る前にストレッチをするという習慣があるのですが、それと共通点があるような気がします。今、体がどのような状況なのか、柔軟性があるのかないのかみたいなのをストレッチを通じてチェックしています。
たぶん、違いはBody Scanは個々の部位だけでなく、体全体に意識を向ける瞬間が与えられることだと思う。個々の部位と体全体とのつながりを感じる瞬間がある。


こういうのって、毎日続けることでより感覚が磨かれてくるんだろう。
気長に続けていこうと思います。