Teachers College (Columbia) 留学記 -4ページ目

Teachers College (Columbia) 留学記

2013年秋から、ニューヨークにあるコロンビア大学ティーチャーズカレッジで生涯学習(Adult Learning and Leadership, Master of Education Program)を学んでいます。
日々の学びの振り返り(Reflection)として書いている日記です。

日記を書いてたら消えてしまった…まじめな内容を書いてたのですが、残念。

日本でも、日本シリーズが行われていますが、こちらNYでもNew York Metsがワールドシリーズに出場しています。
こちらマンハッタンでも、メッツのユニフォームを着た人を見かけることが増えました。

僕の住んでいる場所からメッツの球場は若干遠いので過去に1度しか行ったことがありません。松坂投手のメッツ初先発を見てきました。




金・土も試合なんだね。テレビで見ようと思います!!
今日は、Somatic Leadership Developmentの授業。
生徒がした質問に「感情を揺さぶる授業は、セラピーなのか?」というものがありました。

ちなみに、先生の回答は、
「感情を揺さぶる授業=セラピーではない。この授業では、人の内面で起こる深い感情に入っていかないため、セラピーとは言えない」
とのこと。

そうなんだね。
「教育」と「セラピー」の境界線が僕自身もよくわからなくなってきていたので、今回のちょっとしたやりとりは、はっとさせられた。
そして、知らないうちに自分も「感情を揺さぶる授業はセラピーである」という考えをもっていたので、少しそれを避けようとしていたことに気が付いた。
セラピーまでいっちゃうと、教育者としての倫理的な問題と絡んでくるため、注意が必要です。

人の行動変容の支援って、ちょっと人のディープな部分にも入っていかざるを得ないときもあります。そのとき、自分はどこまでいくのかについて決めておくことも大事なことだと思います。

ペーパー、なんとか80%終わりました。
思ったより時間がかかったけど、ひと段落してよかった。

ここからは、ペーパー読み直してロジックおかしいところをチェックすること、あと、もう一回リーディングして内容を厚いものにしていくだけ。
ここからは、授業のために取り組むよりは、どちらかというと自分の学びを深める方に力を注ぎます。この最後の作業をがんばるかどうかで、自分の中の定着の度合いが大きく変わります。

せっかくなので、ニューロサイエンスとリーダーシップ開発、Somaticなど、しっかり理解してしまおう。

明日もがんばります!
おっしゃ、結構ペーパーが進んだ。今、Somatic Leadership DevelopmentのMid term Paperを書いています。
ダブルスペースで8-10ページ。

今回の授業で取り組んでいる本や論文の一部を簡単に共有をすると、

読んでいるのは、この本たち。修行(Shugyo)とは何かについて書かれています。


修業は「自己中心的な考え方を改め、物事をマスターし、見本となる人生を歩み、そして人を導くためのものである」と英語で書かれています。
なんか、英語で修行の概念について説明されると、新鮮ではっとさせられる。

その他に論文も読みます。
The Neuroscience of Leadership (2006)
・Center for Creative Leadership (CCL)のFuture Trends in Leadership Development (2011)
・同じくCCLのLeadership Development Beyond Competencies (2014)

「ついでにこんなのも読んでみなさい」って提案されたNY Timesの記事など、
Why What You Learned in Preschool Is Crucial at Work
Lars Dalgaard: Build Trust by Daring to Show That You’re Human

などなど。
ちなみに、全部完璧に理解する必要はありません。ざっくりと何を言っている論文なのかを理解することと、自分の経験に引き付けて何か語れるものを準備することが大事なのでは。


今回の授業は、あまりこれらの論文の内容を直接扱わず、とにかくワークばかり。体を使うSomaticの授業なので、そういったスタイルになるんでしょう。大学院っぽくはない。
ですが、こうやってMid Term Paperでちゃんとリーディングしているのかチェックする仕組みとなっています。


明日、80%は終わらせます!
がんばります!!
1億総活躍のトリガーは国民的な「学び直し」にあり というDiamond Onlineの記事。国の「1億総活躍」の考えが打ち出されたことを受け、1億人が活躍するためには、地方在住のビジネスパーソンによる高等教育機関での学びなおしが重要とのこと。

1億総活躍、いい言葉ですねー。

「学び」をどう定義するかという視点が大事だと思いました。学校やクラスルーム内だけでなく、学校外で起こる学びも含めて、総合的な学び直しのデザインが必要なのではないでしょうか。
大学での学びは、学びの一面でしかないですし、今であれば学校外で無料に受講できるMOOCもあります。そして、経験からの学びとかももっと重要視してもいいと思う。
例えばなのですが、海外の一部の大学では、人の経験を単位認定するところもありますね。

また、高等教育の学び直しを根付かせるためには、修了率を高める取り組みも必要です。自己啓発の学び直しをやりきることはそんな簡単なことではないし、最後までフォローしきる支援も必要です。
もし大学で学びなおしをするのであれば、修了証のような他者に説明ができるような取り組みも必要です。


「1億総活躍」を実現するために、何を提言すべきなのか。この点は今後も自分が考え続けるべきポイントですね。
ペーパー、実は少しだけ追い込まれていまして、今日も進めていました。なんとか今日中に進めておきたいと考えていたところまでは終わってよかった。Somatic Leadership Development、結構リーディングが多い。

今日は、卒業申請に取り組んでいました。その一環で、今日はアカデミックアドバイザーに卒業の申請について相談に行ってきました。

話によると、今学期から卒業申請の仕組みが変わったようです。

僕のコース(Adult Learning and Leadership)は、一応カリキュラムが決まっているんですが、個人的に受講したいコースがある場合、教授のOKが出れば卒業単位に換算されます。例えば僕は、「高等教育」に興味があったので、教授に相談して関連した授業を取らせてもらいました。
(参考記事:2013年9月9月 Fall Semesterで受講するコース

しかし、この新しくできた卒業申請の仕組みでは、まだ柔軟性に乏しく、手作業で卒業申請する必要があるようです。
「明日中に、今まで受講したコースと、それがどのカテゴリーに入るのかについて伝えてほしい」とのことでした。なので、明日朝起きたら忘れずにやります。

Teachers Collegeは、同じ修士課程でも45単位で卒業できるコースもあるし、36単位でOKのコースもあります。ちなみに僕は60単位。

ちなみに博士課程の話をすると、Ph.Dは75単位。Ed.Dは90単位必要です。TCではPh.Dが取れるコースもあれば、Ed.Dが取れるコースもあります。
博士課程に必要な単位数までもうあとちょっとなんだよね。


博士課程の旅はまた今度に置いといて、まずは修士課程を終わらせるために全力を尽くします!
今日は組織開発(Organizational Development)の話をする機会がありました。アメリカのような多様性のある人が同じ組織で働く場合、組織内で起こるダイナミクスを考慮した運営が求められます。

日本でも、最近は組織開発の重要性が再度認識され始めているようですね。
OD Network Japanという集まりもあるそう。少し興味あり。

ちなみに、OD Network Japanが出すODの定義とは
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ODとは、組織やコミュニティに連鎖的な変化を起こす価値観主導だがダイナミックな手法である。とりわけ組織やコミュニティや社会が望ましい状態に変わり続ける能力を構築する努力である。
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とのこと。
組織開発の定義って、学者によって異なるので、なんとなくイメージできるくらいでよいのではないかと思います。

TCで受講した、組織開発に関係する授業をご紹介すると5つほどありました。
Group Dynamics
Action Learning Design and Coaching
The Learning Organization
Research on Organizational Learning
Facilitating Adult Learning
*リンクは、以前書いた日記につながります。

特に、2014年秋に受講したGroup DynamicsではGroup Relations Conferenceと呼ばれる人間関係のトレーニングを受ける機会がありました。T-Group系のトレーニングで、今、グループで何が起こっているのかに関するAwarenessを高める訓練を行います。

Group Relations Conferenceを提供しているTavistock Instituteのロゴ。


このT-Group系のトレーニングが組織開発の源流と言われています。カンファレンスの間ずっと人の感情と向き合うためかなりパワーを使うのですが、今考えると組織開発の基本を学べたことはよかったと思う。
参考:2014年11月24日 Group Relations Conference終了!

個人的には、個人の行動変容を促すためには、他者との関係性の質の向上や、個人を取り巻く環境へのアプローチが必須と思っているため、組織開発の学びを深めていく重要性を感じています。


日本に戻っても、この点は学び続けます!

大学院の学生と話をしていると、僕の日々の勉強時間がかなり長いことに気が付きます。
確かに、ずっと勉強ができるのが自分の強みだったりする。
その一方、要領が悪い人というイメージも持たれます。実際、テスト前日にざっと勉強してちゃんと点数を取る人もいますね。

ただ、僕がなぜ細かく、丁寧に勉強するかというと、大学院卒業後も「使える知識」に持っていきたいからなんです。浅く覚えたものは結局すぐ忘れてしまい、役に立ちません。例えば、テスト前日にざっと勉強する程度では、すぐ忘れるものです。なんとなく授業に参加しているだけでは期待しているほどの成長がないことは、大学院に入学て1か月で気が付きました。

だから、今学期学んでいるリーダーシップ開発の授業の勉強しながら、過去に受講したHRMやEQの勉強とつなげる取り組みをしています。
それらのコースとの共通点が見つかれば、学びは深くなるし、忘れにくい。


確かに、要領は悪そうですね。修士という学位がほしいとか、コロンビア卒の肩書がほしいというのであれば、ほかのやり方があると思う。

まあ、それが自分のスタイルなのかな。他人と比較すると、目標がぶれますね。
目標を見失わず、自分らしくがんばろう。
Somatic Leadership Development、今週のリーディングはリーダーシップ開発に関して。
量が結構多いんだけど、楽しんで読んでいます。

リーディングの一つにFuture Trends in Leadership Development (2011)というペーパーがあり、読んでいました。これは、リーダーシップに関する研究機関であるCenter for Creative Leadershipから出されているペーパー。題名の通り、「リーダーシップ開発の未来」について書かれています。

ロゴ。


印象的だったのが、リーダーシップ開発におけるAdult Development Theoryがわかりやすく紹介されていたという点。具体的に紹介されていた理論は、Robert Keganの成人発達理論。
僕のコースには、Robert Keganのお弟子さんである、Drago-Severson教授が在籍しています。以前、Adult Learning and Education: Theory and Practiceの授業を受けた際にゲストスピーカーとして来ていただき、一度お話を聴く機会がありました。そこで、Keganの理論を簡単に学びました。

ペーパーの話に戻すと、未来のリーダーシップ開発は、コンピテンシーに代表されるリーダーシップの様々な要素を網羅的に理解するだけでなく(Horizontalの視点)、一つひとつの要素をより深めていくこと(Verticalな視点)が求められていくようになるそう。(Petrie, 2011)

問題解決や論理的思考能力、コーチングの手法などいわゆるHorizontalな開発は学ぶことができるが、Verticalな開発は、自分の経験を通じて深めていくことが大事。
そして、このVerticalなリーダーシップ開発が成人発達理論とほぼ同義。大人として成熟していくことで、リーダーシップを深化させていくイメージ。器を大きくしていくイメージ。

今までの授業で、「Adult Development = Leadership Developmentだ」とはよく言われていたものの、このペーパーがその関係性を最も簡潔に説明してあるものであると感じます。読んでて面白かった。


明日、もう少し読み進めてみます!


参考:Petrie, N,. (2011) Future Trends in Leadership Development, Greensboro, NC, Center for Creative Leadership
個人的な思いとして、日本人はディスカッションする力を伸ばすべきであると考えています。
そのために必要なことは、「ディスカッションというものをもっと知ること」なのではないかと。ちなみに、成人学習においてディスカッションは中心的な教育手法として扱われています。

「Discussion as a way of teaching」という本があります。
昨日紹介した、Brookfield教授の本。このディスカッションメソッドは、もっと広まってほしいと思う。

Discussion as a Way of Teaching: Tools and Tech.../Jossey-Bass

¥5,208
Amazon.co.jp

2014年夏に、僕もこの授業Discussion as a way of teachingを受講しました。
今日は、discussion=議論とは何か?の説明と、ディスカッションに関する質問を紹介します。

ディスカッションとは何か?
まず、Brookfield教授は、授業用テキストにおいて「会話」「対話」「議論」の違いを明確にしています。(Brookfield, 2014, p, 3)
会話:an exchange of thoughts & feeling where genial cooperation prevails.
対話:Intersubjective understanding (= placing yourself in others' shoes to see the world as they see it)
Mutuality (= deepening and changing understanding based on what we learn from others)
議論:disciplined & focused exploration of mutual concerns but with no end point predetermined in advance.

まず、この違いをちゃんと知ることがスタート。

ディスカッションに関する質問。
また、授業ではディスカッションに関して様々な質問を学生に投げかけます。(Brookfield, 2014, p.4)
・ディスカッションで何を成し遂げたいのか?
・ディスカッションに参加するのをためらう理由は何か?
・ディスカッションが上手くいった時、それはどんな原因があるか?
・よいディスカッションリーダーは何をしているか?
・どのように良いディスカッションの環境を作れるのか?
・最悪なディスカッションとはどんなものだったか?
・ディスカッションに参加する抵抗を乗り越えるために、どのようなことを行ったのか?

などなど…。一つ一つの質問に対して、一回自分で考えてみること。そして、クラスメイトとこの質問に関して意見交換してみることが大事。

そうすることで、日々なんとなーく取り組んでいたディスカッションを様々な観点から見ることができ、少しディスカッションに対してクリティカルに取り組むことができるようになってきます。

そして、Brookfieldは民主的なディスカッションについても触れています。参加者全員の声を拾って、みんなで結論に近づいているプロセスの重要性を指摘しています。
これは、コミュニティオーガナイジングのような、様々な人種、民族、文化の人のディスカッションをファシリテートするために生まれたそう。具体的に、様々なテクニックが存在します。


今日はここまで。

自分自身がファシリテーターとなった時、ディスカッションがスムーズに進行できるように、今後も学び続けようと思います。



参考:Brookfield, S,. (2014) Discussion as a way of teaching workshop resource packet, University of St. Thomas, Minneapolis, MN

参考記事①:2014年8月13日 復習⑤Discussion As a Way of Teaching こちらは授業の簡単な説明
参考記事②:2015年2月15日 Action Learning Workshop 2日目 Action Learningの授業でもダイアログについて学びました。