時は生命の数だけ流れる糸
それは永遠に流れる大河を織り成す
色とりどりに織り組まれ
結びて大河の時となる
交わり結びて離れてまた結ぶ
模様を彩る縁(えにし)の糸に
縺れ絡まりては織り成せぬ
成せねば縁(えにし)の巡りに還れず
縺れ絡まり解くまで
時は流れを止めてしまう
時間は進めど時は止まり
大河に戻れぬ魂は
縺れとなりて彷徨いて
輪廻繰り返し解(ほど)きにかかれど
情けに流され解くを忘れ
縺れたままで彷徨うばかり
縺れ解(ほど)くは時の解放
解き放つ(時放つ)のが祓い清め
止まった時を再び動かし
大河の時の流れに還す
生命の数だけ時は流れる
人の数だけ時は流れる
離れた時が結ばれて
同じ時の流れとなりて
か細い糸は撚糸となり
紐が組まれて
帯が組まれて
織布が組まれて
大河と成りゆく
二つと同じ生命無く
二つと同じ糸は無く
二つと同じ時は無し
小我の糸が機織り成されて
大河の織布と成りてゆく
時が結ばれ時間と成りて
世界は彩り変えて行く
時の結びは魂の
横糸結ぶ綾織もの
綾の彩(いろどり)は生命の彩
二つと同じものは無し
時は生命の数だけ流れる
ゆめゆめ忘るるべからず