若い頃にはよく山歩きに出かけていたものの近頃はさっぱりで、入笠山(の山頂まで)に登ったのは久しぶりの山歩きということに…と申したですが、直近ではどうだったかなと思い出してみますと、どうやら3年前の2022年5月、丹沢手前の低山以来ということになるようで。もっともこの時のピークは標高284mですので、その名に恥じぬ?低山ハイクだったわけですが…。

 

ともあれ、その後にも山歩きに出かけるつもりがなかったわけではないものの、山へ出かけるのに俄かに急浮上してきた問題がありますですね。入笠山でも然りでしたけれど。

 

 

「熊出没注意」。

昔から山登りの際には、熊との遭遇に注意を払う必要があるとはされていましたけれど、昨今のようにその危険性がクローズアップされることはなかったのですよね。まあ、山中ならずとも、里山のきわというか、ともすると山林に近い住宅地にまで熊が現れ、しかも人的被害が生じていることが日々報じられるような状況に至ろうとは、思ってもみないことでありました。

 

ですので、「君子危うきに近寄らず」てなことを言い訳にして、運動不足解消をも目した山歩きからとおざかり、なおのこと運動不足をこじらせて現在に至っておるわけです。が、このほど思い立ったのは「入笠山なら、人が結構多いから熊も遠慮するのではないかいね」という楽観視にも背中を押されたという。

 

事前に周辺の熊目撃情報を検索してみますと、全く出ていないではないものの、メインとなる登山ルート上ではおよそ見かけられていないことを見てとり、「いざ!」となったのではありました…が、やはり山で熊に出くわす可能性はもはや常識段階に入ったのであるか、登山目的然とした姿の方々はほぼほぼザックに熊鈴を取り付けていたようでありましたよ。

 

そんな気付きはすでにゴンドラリフトで上にあがってしまった後でしたので、「どうしたものか…」(要するに熊鈴を装備していない…)と思いましたが、予想通りに頂上を目指す人たちがそこそこいる中、他の人の鈴の音の恩恵にあやかって進むことにしたのですな。

 

そうは言っても、登っていくにつれてスピードは人それぞれにまちまちで、気付けば前に後にも人影は無く、鈴の音も聞こえてこなくなる瞬間が何度も生じてしまい、「まずいかも…」と思ったりも。鈴に代わるものとしては、ラジオを鳴らしながら歩く、歌を歌いながら歩くなどといった対処法もあるようながら、この時は登りで息が上がり(恥ずかしながら)ぜいぜい言っており、このぜいぜい息を吐いたり吸ったりする音を殊更大きくして進んでいったものでありました。

 

おそらく登山者の間ではもはや熊鈴持参は必須なのでしょう。それだけに、持たずに山に入って何事かあったら、それこそ自己責任として叩かれるような雰囲気にもなっているのであろうかと。

 

てな話をしてきますと、入笠山の山頂からの下りに際して「トラブルが…」と申したことは、果たして熊との遭遇であったか?!と思われてしまうかもですが、幸いにして第三酒接近遭遇のようなことはありませなんだ。では、トラブルとは何であるとなれば、これなのでして…。

 

 

靴底がもげておるのがご覧いただけましょうや。やっぱり靴の安物買い(確か1万円しない価格だったのではないかと)はやめておくべきでありましたよ。

 

頂上から下り始めて間もなく、なんだかぺっこんぺっこんするなあと思えば、この始末。かろうじて前方は剥がれておらないものの、全部そっくり取れてしまってはさらに山道を歩きにくい。仕方なく、だましだまし下ったという次第なのでありました。こんな道で靴の不具合はしんどいものでありましたよ。

 

 

ということで、教訓。本格的な登山でもないし…的なエクスキューズは全く戯言にしか過ぎず、高かろうが低かろうが、いったん山へ入るにあたっては装備に気をいけませんですね。そのうちに、もそっとしっかりした登山靴と、そして熊鈴を買いに専門店に出向こうと考えておるのでありました。