続くときには続くもので、ここ数日でTOPPANホールとミューザ川崎と、ランチタイムコンサートに出かけましたけれど、今度は東京オペラシティコンサートホールの「ヴィジュアルオルガンコンサート」を聴いてきた次第です。
ま、ここ数日を振り返る以前から気付いていたことではありますが、平日の昼間の開催とあって、集う年齢層の高いこと高いこと。当該イベントが取り分け無料であったり、かなりな安価であったりすれば尚のことですなあ。平日昼間に自由がきくのは、年金暮らしということにもなりましょうからねえ(と、その点では他人のことをとやかく言えた義理ではありませんが…)。
ですが、申し込むにあたって(全員が全員ではないにせよ)些か安直に過ぎるのでは?と思ったことも。実際、先日に近隣施設で開催された、グリーンランドを紹介する「多文化共生講座」(映画上映とお話)でも後ろの列から聞こえてきたご高齢のご婦人ふたりの囁き交わしとして、「どんな映画が上映されるの?話によったら寝てしまうかも…」とは内容を知らずに申し込んだのであるか?てなふうに。
もちろん年齢を問わず、知識欲を満たしたいてな思いを否定するわけではありませんので、一概に「だったら申し込むなよ(人数に限りがあるんだから)」てなことを言うつもりはないものの、聞こえた囁きからは前向きな印象が無かったもので、そういうことなら…と思ってしまったのでもありまして。
また、オペラシティのオルガンコンサートでも、しばらく前にホワイエで「取り敢えず申し込んでおいて、都合が悪くなったら来るの、やめちゃえばいいのよ。どうせタダなんだから」てなことも聞こえてきましたですねえ。もちろん、申し込んだからには具合が悪くなろうとなんだろうと参加せよと言うものではありませんけれど、「とにかく申し込んでおく」てなのはどうなのであるかなあ…と。やっぱり人数に限りがありますので、申し込み満席で来られないとなる人もいるわけですしね…。
昨年覗いた美術講座でマクラに使われた笑い話として、「老人にこそ教養と教育が大事…」(今日用がある、今日行くところがある)というのがありましたですが、放っておくと空白になりがちな行動予定を埋めんがために「とにかく申し込んでおく」ということだとすると、果たして動機としてはいかがなものであるかなあ…とは思ってしまうところでして。
折しもこの日の東京オペラシティコンサートホールの「ヴィジュアルオルガンコンサート」は(うかうかしていると予約段階で満席になってしまうこともありながら)、自席の一列前にごっそりと空きが出ていたりするのは、思いがけず到来した熱波にあきらめた人が多いのであるかなあと。ま、それはそれで無理して来て、救急搬送されたりする覚悟をせよと言っているのではありませんですが…。
と、ちいともオルガンコンサートの話に至っておりませんが、パリの教会の現役オルガニストというフランス人奏者が登場した今回、多彩な音色が特徴でもあるパイプオルガンではありつつも、わりと音色の選択が「いかにもオルガン」といったものでしたなあ。
もっとも、このいかにもオルガンらしい音色というのは、昭和を生きてきた日本人らしく?ハルモニウムの、というよりもそっとはっきり言えば幼稚園の園庭で先生が弾いていた足踏みオルガンの音を思い浮かべているのですけれど。
プログラムとしてはフランスの作曲家作品が多かったですが、最初と最後に演奏されたバッハを聴いていて、この間遅まきながら思い至ったバロック音楽らしい対位法に耳を傾けて、俄か知識の浸透を図ってきたものでありましたよ。やはり老人には教養も大事ということで…(笑)。