東北地方を貫流する北上川は石巻でもって海へと注いでいた…という名残りの旧北上川が石巻にはあるばかりですが、その中洲に石ノ森萬画館はあったわけですね。それが故でもありましょうか、中洲部分には「マンガッタン島」という呼ばれ方もあるということで。旧石巻ハリストス正教会教会堂の中で見た航空写真を思い浮かべても、「そういえば、ニューヨークのマンハッタン島に似てもいるかな…」と思ったりしたものでありますよ。

 

で、マンガッタン島内の施設を見て歩きした後は、ちと遅くなりましたが昼飯を食すことに。中洲からは旧北上川を駅寄り方向に渡り越したところにある、土産物店とレストランが入った「いしのまき元気いちば」へと足を運びました。

 

 

2階のレストランは、ちょうど旧北上川の堤防の高さと同じになっておりまして、なかなかに見晴らしもよろし。お天気次第では堤防から直接出入りのできるテラス席の利用も可でありましたよ。

 

ともあれ、さてはて何を食するかという点が肝心なわけですが、漁港で名高い石巻にやってきていながら前の晩は仙台駅で入手した駅弁「牛たん味くらべ」で済ませてしまったという経緯もありますので、「当然ながら海産物でしょう!」とはなろうかと。お品書きを見ても、魚介類盛り盛りの「金華山丼」とか「石巻元気御膳」とかいうあたりが推しメニューのようす。さりながら、未だ胃の調子が万全でない状況下、盛り盛りの品は控えるに如くは無し。本気で軽くいくなら「石巻焼きそば」やら「サバだしラーメン」やらも名物らしい…と、身悶えせんばかりの悩ましさの中、結果的にはかような丼ものでいくことに。

 

 

「なんだい?結構がっつり肉料理でないの?」という誹りを免れないところで、確かに肉は肉なのですが、これ、クジラ肉なのでありますよ。「ローストホエール丼」という一品でして、お品書きの説明に曰く「石巻伝統文化食!!鯨をローストいたしました。和風のタレと相性バツグン!!」であると。昔の学校給食ではクジラ肉にたびたび接していたもので、ついつい目がいくのですよね。

 

先にサンファンパークへと向かう際に乗ったバスの終着点である鮎川港は「わが国最大規模の沿岸捕鯨基地」(水産庁HP)であって、港には「おしかホエールランド」という「クジラの生態や特徴、牡鹿半島における鯨文化を紹介する施設」もあるとは後から知った次第。金華山も含め、牡鹿半島にはまたいつか出向かねばならんような気がしてきたのでありますよ。何せ、ローストホエール丼をおいしくいただいた後は石巻を離れて次の目的地へ移動する旅程としていたものですから。

 

つうことで、運転本数の少ない仙石線の発車時刻を気にしつつ、昼飯を終えると早々に石巻駅へと向かったのでありました。と、前日に仙台から石巻への移動は仙石線ならぬ仙石東北ラインを利用して、「奥州宮城仙石線沿線紀行」の看板に少々違うことになっていましたので、今度こそ正真正銘の仙石線でと考えておったわけなのですな。

 

 

駅に到着しますと、「おお、仙石線マンガッタンライナーが停まっておるではないか!」と思うも、どうやら日曜日限定運行である由。時刻表を勘違いしていたせいか、結局のところはまたしても仙石東北ラインに乗ることになってしまいましたですよ。

 

 

ですが、仙石東北ラインは途中から仙石線を離れて東北本線に入ってしまいますので、次の目的地は東北本線と枝分かれした後の仙石線上にあるものですから、途中の高城町駅で仙石線に接続するかどうかを駅員さんに確認したりするひと幕が。昨今、ほとんどの方がスマホを持っていて、ちゃちゃっと手元で乗換案内などを検索するところでしょうから、かような素朴な質問をする旅行者は絶滅危惧種になっておりましょうなあ(笑)。

 

ともあれ、列車の接続状況を確認して高樹町駅までは仙石東北ラインで、その後本来の仙石線に乗り換えてたどり着いたのは本塩釜駅。東北本線にある塩釜駅とは微妙に離れているのでありますよ。こののちは、本塩釜駅近くのホテルをベースに仙石線で行ったり来たり、あちこちを訪ね歩くことになるのでありました。

 

 


 

2024年も大晦日となりましたですねえ。「奥州宮城仙石線沿線紀行」の振り返りを続けておりますが、せめて石巻のお話だけでも年内にけりを付けてと思っておりましたが、なんとかなったようで。塩釜に到着して以降はまた年明けにということになりますが、ご覧くださった皆さま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。おそらく年始は3日か4日か、スーパーの開店日ではありませんが、そのあたりから店開きの予定でございます。それまでしばしお暇を。