山寺をぐるり巡った後に一泊した山形駅近のホテルは山形市で最も高いビルの上層階にあったのですけれど、フロントのある階には展望ラウンジが設けられていたのですな。こんな感じです。

 

 

何故に南国風を装うのかは預かり知らぬところですけれど、それはともかくホテルの、というよりは「霞城セントラル」というビル自体が管理するスペースであるのか、誰でも好きに上がってきて、山形市を一望することができる。上の写真は朝早めでしたのでがら~んとしてますが、昨夕、チェックイン時に覗いてみますと、思わぬ光景が…とは大げさですけれど、このラウンジに10人近い高校生が、よく言う言葉で「屯」していたのでありますよ。

 

デートスポットとして利用するてな方向ではなくして、友たち数人とやってきておしゃべりする場となっているようす。何せ地元の高校生には山形市の眺望など今さらでしょうから、この時節、涼しくて他に人もいないしと恰好のたまり場になっている(ま、高校生がたくさん来るんで、他の人は来ない?)のかもです。

 

 

で、これは南東方向の眺めでして、曇ってもおりますし、土地勘もあまり無いのでぼんやりとですが、写真の右端中央の山の連なりが蔵王であるかなあと。一度だけスキーで来て、広いスキー場であるなとは思いましたが、夏のシーズンにも立ち寄りたいものですなあ。合唱をやっていた方(個人的にはやってませんが、高校の時に合唱部の練習が聴こえてきて)ならば合唱組曲「蔵王」をご存知でしょうけれど、その中にでてくる「どっこ沼」のフレーズが今も頭に残っていたりして、どっこ沼散策なんぞ気分いいだろうなあと思うのでありますよ。ま、今回は蔵王に全く近寄らないのですけれどね。

 

 

方向を変えて、今度は南西側。ご覧のように、東には奥羽山脈、西には出羽山地に挟まれて盆地状になっているのが山形市(を含む村山地方)のようで。こうした地形なだけに、暑い暑い今年の夏、日本最高記録が改めて注目されていますが、東北地方にあって唯一、過去ランキングで上位に入っているのが山形市であると。1933年という古い記録ながら、40.8℃を記録したとは隠れたポテンシャルがあるではありませんか(うれしいことでもありませんが)。

 

ところで、こちらの展望ラウンジは全方位対応ではありませんので、北方向が望めない難点があります。ですが、これを補うように北側に設置されたエレベーターを降りたホールから眺めを得られるのでありますよ。

 

 

中央部分を北へ延びているのがJR奥羽本線(山形線)・仙山線の線路ですな。その左手、方形に木々の立ち込めているところが霞城公園、要するに山形城址公園でして、展望ラウンジのあるこのビルに付けられた名称「霞城セントラル」の由来もここにあるわけです。ちなみに山形城を霞城(かじょう)と呼ぶのはこんな謂われであるそうな(山形まるごと観光情報サイト「VISIT YAMAGATA」より)。

出羽の関ヶ原合戦「長谷堂合戦」の際、直江兼続は山形城を山頂から偵察しようと富神山に登りましたが、霧で霞んでいて見えなかったことから「霞が城」と言われ、それが現在も定着しているという説があります。

ということころでこの日朝から向かいましたのは、この霞城公園でありまして。当初目的としては必ずしも城跡探訪では無かった(一度回ったことありますし)のですが、結果的には…。ま、束の間の山形市ぶらり歩きとなってまいります。