一週間に及ぶ鹿児島滞在にあって最高の好天となった二日目、鹿屋市の荒平天神をあとにして大隅半島をひたすらに南下するという行程でありましたよ。その際、鹿屋市のお隣、錦江町にある神川大滝公園に立ち寄ることに。

 

 

錦江湾(鹿児島湾)へと注ぐ神ノ川が成す渓谷に7つの滝が集まって、伝説とともに七福神に擬えられておるそうな。なぜかしら大黒天とされる滝の名称が「小便の滝」とは?!なんだかなあ、ですねえ。ともあれ、公園として整備されているところには弁財天の滝(小滝)と恵比寿の滝(神川大滝)とがあるということですので、この2つを巡ってきたのでありますよ。まずは小滝です。

 

 

小滝と言って流れは細いですが、落差はなかなかのものではなかろうかと。壁面に節理が窺えるのはやはり全体的に溶岩台地なのでしょうなあ。小滝でこれですから自ずと大滝には期待が高まるところでして、園内の石畳路を進んで行きますと「おお、見えてきた!」と。

 

 

前日がどしゃ降りの大雨だったこともありましょうか、水量が多く、もうもうと水煙があがっておりました。高さは25mで、幅は30mと幅広である点はナイアガラ・タイプとも言えましょうかね(ちと例えが盛り過ぎですが)。

 

 

近付いてみれば…といって、もそっと近寄ることは不可能ではないながら、これ以上は水煙に取り巻かれてしまうものですから、控えめに。先にナイアガラを持ち出しましたけれど、近くで見ますと、周囲が木立ちで開けていないので、むしろアフリカの奥地であるような気がしたものです。なんだか、遊園地のジャングル・クルーズみたいなアトラクションにありそうな風景と言いますか。九州でも南のはずれになってきますと、植生も亜熱帯風になりますしね。

 

 

ちなみに大滝のはるか上空にはつり橋が掛かっておりまして、「遊歩道から「虹のつり橋大滝橋」まで登ると、高さ68mからの絶景が広がり、全長130mの空中散歩が楽しめます」と『鹿児島県観光サイト かごしまの旅』には紹介されておるものの、どうやら老朽化などもあり、現在は橋の通行不可となっておるようす。通りすがった公園管理事務所の人っぽい服装のおじいさんが教えてくれましたですよ。

 

ところで鹿児島へ出かける前段階では、出かけている最中に東京の桜は咲いてしまうのであるかなと思っていたですが、不在中は寒い日が続いていたのでしょうか、今頃ようやく咲き出したようで。一方、やはり鹿児島は南で温暖の故か、神川大滝公園を訪ねた当日(3/18)には園内で桜がちらほらと。今シーズン最初の花見は鹿児島で迎えることになったのでありました。いい日よりながら、日陰はまだまだ寒かったですが…。