愛知県瀬戸市の街歩きをして、この日の締めくくりに訪れた新世紀工芸館からホテルへと帰る道すがらのこと。やたら幅が広いわりに車通りの至って少ない道の中央分離帯部分といますか、要するに対向する車線の間が細長く公園のようになっておる場所に、ひとつこんなモニュメントが置かれてあったのですなあ。

 

 

雰囲気はイスラミックで…と思えば「ナプールの庭」とありまして、「はて、ナプールとは?」ではなかろうかと。どうやらチュニジアの都市の名であって、陶器の名産地、工芸の町として知られるのであるとか。瀬戸市はこのナプール市と姉妹都市なのだということで。

 

 

で、翌日の朝方にはまたこのようなオブジェを見かけることに。こちらはこちらで瀬戸市と姉妹都市の関係にある韓国・利川(イチョン)市から贈られたものでして、「朝鮮陶磁器の伝統を継承し、陶芸の伝統を引き継ぐ街」(瀬戸市国際センターHP)であると。瀬戸市の姉妹都市としては他に、中国の景徳鎮市、フランスのリモージュ市がある…となれば、いかにも「やきもの」がらみの町々ではありませんか。

 

ともあれ、そんな「やきもの」の伝統を背負ってきた瀬戸市のことが丸わかりになる(と思しき)施設をじっくりと見て回るのが、瀬戸二日目の目論見でありますよ。その名も「瀬戸蔵ミュージアム」。この建物の中に入っているのですが、改装中であるのか、全体に外囲いがしてありました…。ま、ロンドンにいってビッグ・ベンの全体に足場を組んである姿を見るほどの残念度ではありませんけどね(笑)。

 

 

「瀬戸蔵 開館中」とは出ていますので、ともかくも建物の中へ。ロビーには階上まで吹き抜けであることを活かした長い垂れ幕が下がっておりましたが、やっぱり今の瀬戸市は何をおいても藤井聡太(頼み?)なのですなあ。

 

 

ちなみに「瀬戸蔵」というのはこの建物全体の名称でして、本来的には市民ホールなども入っている公共施設のようですね。その2・3階を使ってミュージアムの展示が展開される一方、1階には窯元直販という「SETO MONO SHOP」がありますので、お土産はこちらで!ということですかね。なかなかにモダンな器がたくさんありまして、中にはくくっと来るものもありましたですが、果たして瀬戸らしい瀬戸ものは?と考え始めると迷路に陥り…。

 

 

ところで余談ながら、ショップと向かい合って「花ごよみ」というカフェがあるのですな。実は前の晩、晩飯どころを探しあぐねて、結果このカフェで済ませることにしたのでありましたよ。写真の窓の奥が暗く、店内のシャンデリアが煌々と灯っているのは要するに夜だからでして。

 

 

入口部分だけで窺い知ることはできにくいですが、このカフェはシャンデリアが伊達ではない、思いのほか洒落た空間でしたなあ。ちょっとしたシティホテルのラウンジかくやの印象も。そうでありながら、しっかりと晩飯になるものも食せるところは有難いところでして、地元名物といった感はおいといて、たっぷり腹ごしらえをしたものでありました。

 

 

それに、場所が場所だけになにげなくこだわりある器が出てきたりも。単にお通しの水がガラスのコップでは出てこないわけで(左側はビール用のグラスとして)。

 

 

と、「余談ながら…」が長くなってしまいました。こののち、ミュージアムは2Fという案内に従い、階段を上がって入口へ…という話になるのですけれど、瀬戸蔵ミュージアムのことについては、また次回に。