いろいろな括りで語られることはありましょうけれど、一般に「日本三大夜景」といえば函館、神戸、長崎というのが相場であるようで。以前、長崎に来たときには港を見下ろす稲佐山の中腹にあるホテルで一泊したことで済ませてしまい、稲佐山の山頂から眺めたことはなかったですし、昨年は函館で夜景を見に行ったりもしましたので、今回は長崎でもということにしたのでありまして。

 

函館山の山頂まではロープウェイがめちゃ混みという事態が想定されることから直通バスで往復したわけですが、長崎でも似たようなことがあっては面倒と、最初から「夜景見学ツアー」という観光バスで稲佐山山頂を往復してくれる企画ものに乗っかってしまった次第。「2,000円かぁ…」なんつうふうにも(せこいことに)よぎったところながら、単純に新地中華街からバスやらロープウェイを乗り継いで往復するとさほど変わらないことに気付いたものですから(笑)。

 

 

で、ここにツアーのフライヤーを引っぱって来てしまいますと、夜景の写真はもうこれで良し(何しろ夜景を撮影するのはなかなか難儀ですので)ともなるものの、ここで注目すべきは長崎が「日本三大夜景」どころか、「世界新三大夜景」のひとつと記載されていることでしょうか。

 

そもそも「日本三大夜景」にしても「世界三大夜景」(「新」が付く前の一般的な受け止めとして)にしても、いつ誰がどう決めたのかははっきりしていないわけで、各地の景観にも様変わりがある状況の中、それならいっそのこと「新」を決めてしまえとなったようで、「夜景サミット2012」(なんと開催地は長崎)で一度は香港、モナコ、長崎に決まったそうな。それが2021年の「世界夜景サミット」(これまた長崎開催!)で香港が脱落し、モナコ、長崎、上海となったとのことなのですな。ちなみに函館は15位以内にも入っておらないようでして、まあ、いろいろな観点から総合的に判断した結果とはいえ、いささか手前味噌の感は否めず…。

 

 

てな話はともかくも、観光バスでもって長崎市街からは対岸に当たる稲佐山の山頂に到達いたしました。長崎港の周囲は湾口を除く周囲を山で囲まれていますけれど、稲佐山山頂の目印は3本の電波塔でして、これが町の至るところから見えて実にわかりやすい。長崎県美術館からの帰りにも、港の向こう側にその姿を望んでいたのでして。

 

 

夜になりますと山頂の電波塔そのものもライトアップされますので、山頂から見下ろす夜景とは別に市街地から見上げる夜景もありとなりましょうかね。

 

 

解説によりますと、ライトアップは季節により色が変わるのだそうです。夏場は涼し気に、冬は暖かさを醸すよう、春は緑色、夏は水色、秋はオレンジ、冬は赤色と移り変わるそうな。

 

 

ということで長い前置きはともあれ、夜景の望める展望台へと移動しますが、思った以上に来ている人は少ないようで…。どうも観光客にとっては函館ほどの掴みとはなっていないようですなあ。

 

 

函館山の方は手すり沿いには人が連なって、少々かき分けるようにしないと最前列に出られませんでしたが、こちらは余裕ありで。ですので、早速に世界新三大夜景のひとつを眼前に。

 

 

夜景観光ツアーのバスガイドさん曰く、長崎が世界新三大夜景のひとつとなった要素の一つとして、港の周囲を山が取り囲んでおり、夜景観賞ポイントがたくさんある点も評価されていたのであるとか。考えてみれば、ついつい夜景は見下ろすものとばかり思いがちながら、(世界新三大夜景から脱落した)香港ではヴィクトリアピークから眺めおろす味方もありましょうけれど、もっぱら九龍側の尖沙咀から対岸の香港島側に聳える高層ビル群を眺めつつ、「シンフォニー・オブ・ライツ」を楽しむ方が一般的かと。これは水辺が目の前ですから見下ろす形ではないですが、やはり夜景の眺めような見下ろすばかりではないと、遅まきながら。

 

 

まあ、高い所からですと遠くまで見晴らせるというメリットはありますけれどね。で、夜景観賞ポイントがたくさんあるのとが特徴と(バスガイドさんが)いう長崎の夜景。稲佐山の頂上にわんさか人が押し寄せるわけでもないのは、その辺にも理由があるのであるかな…と思ったりしたものなのでありました。