先週のようすを「函館は函館でなかなかに難儀な気象状況であったのですなあ」と申しましたですが、より具体的に言いますと「大雨雷強風波浪濃霧注意報」が出ていた、とまあそういう状況でありまして、お察しくださいましな。初日をゆっくり出かけてもたっぷり2日半と踏んでいた3泊4日の函館行が、中二日は時折どしゃどしゃになる雨に降りこめられて、最終日は大層な霧に巻かれていたような次第。何せ函館山もこのように…。

 

 

函館といえば、観光の目玉のひとつに函館山から見下ろす市街地の夜景があるわけでして、いったいどこのお墨付きであるのかはともかくも、香港・ナポリと並んで函館は世界三大夜景のひとつと伝わりますし、函館港と噴火湾(内浦湾)とが両側から迫る細長い陸地を埋め尽くす灯りが写した夜景の写真がガイドブックには必ず載っておりますしね。個人的には函館は三度目になりますけれど、初めて出向いた同行者にしてみれば、函館の夜景は押さえておきたいポイントとなるのは無理からぬ話でありましょう。

 

ただ、天候気象はままらなないものですし、別に「100万弗の夜景」とも言われるそのようすは、そう簡単に見られるものではない点も含んで価値あるものとされているのかもと思ったり。とまあ、このような言い方をしておりますと「ああ、今回は見られなかったのだな…」と思われるやもしれませんですが、事前に天気予報にはちゃあんと目を通していたものですから、到着日早々、この日に行ってしまうしかないと出かけたことが奏功。ちゃあんと眺めることができましたですよ(笑)。

 

と、ここでちょっとしたTipsになりますが、函館山山頂への交通アクセスについて。基本線は山頂への直通バス利用か、ロープウェイ利用かになりますですね。今回は函館駅前と山頂とを直接結ぶ「函館山登山バス」に乗ってでかけました。このフライヤーにありますように暮れかかる時間から走り出すようです。

 

 

帰りはロープウェイで降りてこようかなあなどと思っていたところが、ロープウェイには大行列が出来ていました。直通バスが30分であるのに比べれば、ロープウェイの方はピストン運行していたでしょうから回転は速いものの、ひとしきり夜景を目に焼き付けた人たちの行列は長くなっていくばかり。結局のところ、帰りもバスということに。ちょっと早めにバス停で待っていれば駅前までは座って帰れますし、ロープウェイで下りたとしても山麓駅はいささか辺鄙なところですので、結局バスに乗るか、市電の電停まで歩くか、夜の函館市内を徘徊するか…ですのでね。

 

で、ようやくTipsですが、函館バスには「カンパス」という1日乗車券がありまして、大人1名800円。これが函館山登山バスにも使えるのでありますよ。上のフライヤーにもありますとおり、山頂までの片道が500円ですから、往復利用すればそのためだけでもすでに得するというものなのですなあ。といって、個人的に気付いたときには後の祭りだったのですけれど。

 

ともあれ、函館駅前で19時30分に乗車したときには暮れ切っていない感じでしたですが、30分ほどで山頂に到着しますと、ちょうど山の端が落日に染まる頃合いになっておりましたですよ。

 

 

遠くちょいと右手に浮かぶ特徴ある稜線は駒ヶ岳に違いない…ですが、函館山から駒ヶ岳はほぼほぼ真北にあたりますので、この方向に夕焼けとは??と思ったりもしたですが、それはともかく夜景といえば!という市街の方角へ目を転じてみることにいたしましょう。

 

 

まあ、写真としては誰もがもっともっと綺麗に写されたものをご覧になる機会(例えばガイドブックなどでも)がありましょうけれど、写真はともかくこの景観を自分の目で見ることの満足感てなものがありましょうね。両側に海が迫ってぎゅっとくびれたところに光があふれるさまがいいのでしょうなあ。例えばロサンゼルスのグリフィス・パークから眺める夜景なども有名ですけれど、縦横にはっきり区画された道路沿いに光が広がるようすですので、味わいに乏しいといいますか…。

 

そう言えば、駅前でバス待ちの際に前に並んでいたおじさんが「過去2回見られなかった…」とこぼしていたですが、きっと三度目の正直でこの夜景を目の当たりにしたことでありましょう。やっぱりいつでも見られるとは限らない。この有難さはやっぱり100弗の一部なのであろうなと思ったものでありますよ。