さてと、しばしの無沙汰をいたしまして長崎から帰ってまいりました。

 

実は出発前日夕刻になって、同行者が「足を挫いた!」という不運な出来事が伝わってきたことから、「こりゃ、だましだまし、ゆるゆるの旅になりそうであるな」と。実際、暑かった夏の慢性的な睡眠不足を一挙に解消するごとく、ホテルの快適な室内では爆睡に次ぐ爆睡でしたので、いい静養になったとも言えそうですが…(笑)。

 

つうことで、ぽつぽつと長崎ばなしを記してまいろうと思うわけですけれど、まずは長崎というところに関する雑感をあれこれと思いつくままに。やおら往路の羽田空港で…となりますと、「長崎のことではないではないか」ともなりましょうが、10月2日の月曜日、羽田は結構な混雑であったのですなあ。

 

何故?というに、要するに高校生らしき団体がざくざくと。保安検査場など長蛇の列になっておりましたよ。これがよもや長崎行きではあるまいなと思っておりますと、全てが全てではないものの、搭乗ゲート前に近づくにつれ、にぎやかなようすになって来て、やっぱり長崎は修学旅行の行先にひとつであるかと改めて。

 

後方席に高校生の塊を乗せたB787は途中、気流・気圧の関係で「ふわり」とする瞬間が幾度かありましたですが、そのたびに後方席からジェットコースターに乗ったときのような歓声が挙がる。ま、飛んでる間じゅう、おしゃべりがかしましく…てなことはありませんでしたので、微笑ましいひと幕ではありましたですけれどね。

 

で、修旅の高校生は何も同じフライトに乗り合わせた団体ばかりでなしに、あちこちから到着する便にざくざくとやってくるわけです。市内にたどり着いてみれば、制服・私服織り交ぜて、いったい何校来ていたのでありましょうか。ただ、引率する教員の方が「角煮まんじゅう、食うか?」などと、やけに楽し気でもありました。

 

と、長崎が修旅の目的地として高校生がわんさかいるのはそれとして、それとは別に「こんなにも!」というほどに外国から来られた旅行者がおりましたなあ。中国は近いですが、昨今の国際情勢からして思いのほか少ないかわりに、韓国からと後はざっくりで恐縮ながら欧米系の方々ですな。市内でたんと見かけるのはもちろん、ホテル内のエレベータで顔を合わせる人の8割程度は外国の方々であったような。なんとなく、久しぶりに海外旅行をしているのではないか…的な印象にもなったものです。

 

ところで、これは長崎に限ったことではないのかもですが、市内を歩いている人たちのマスク着用率が極めて高いのですな。マスクをしていないのは観光客で、現地の人たちはおよそ着用している。高校生もマスクの有無で修旅なのか、現地の学生なのか、判別できてしまうくらいでありましたよ。

 

 

まあ、余談ながら、長崎港には大きなクルーズ客船が寄港しますけれど、今回の滞在中にもこんなふうに松が枝の岸壁にブルードリームスターという大型船が停泊しておりました。周りのビル群の高さと比べても、その大きさが想像されますな。

 

韓国の済州島から長崎に寄り、上海へと続くクルーズのようで、さぞ外国人旅行者をたくさん乗せてやってきたことでしょう。でもって、次の週にはあの!ダイヤモンドプリンセスが寄港するというのですな。まさにコロナ騒ぎの炎上はここから始まったという客船…とはいえ、もちろん今でも船内に新型コロナウイルスがうじゃうじゃしているはずもないものの、そんな環境下にあって、長崎の人たちのマスク着用率の高さが偲ばれたりもしたのでありますよ。

 

これもまた長崎に限ったことではないかもですが、東京の者には新鮮?に映ったのが、町なかでお店がお休みを告知する貼り紙に罹れた言葉なのですね。「本日、店休日」と、火曜日あたりに多く見かけたでしょうかね。東京というか、関東というか、「本日休業」が一般的のような。「店休日」という表現は見かけたことがなかったもので。

 

町なかのようすということでは、観光客を含んでのことにはなるも、場所場所にもより結構な人通り、車通りだったりしましたですねえ。道路には路面電車も通っているので、車通りの多さはせわしい運転にもつながるのか…と、バスに乗ったときに思ったようなわけでして。市街地を外れて1時間強、外海(「そとめ」と読むようで)というエリアまで路線バスで往復したときに、どの停留所でも乗り込んでくる人たちが座席を目指す姿がほぼほぼ小走りなのですな(ちなみに後乗り前降り)。別に席を奪い合うわけでもなく、一散に席に着き、そのままバスは即座に出発する。なんともせわしく見えたものです。路面電車ではそんなことも無かったので、バスだけのことでしょうかね…。

 

ただ、そんなせわしいバス事情とは裏腹に、市内でも信号のある横断歩道が比較的少なめながら、歩行者が横断歩道前で立ち止まるとおよそ間違いなく車は停車してくれるのでありますよ。路面電車併用の、道幅のある程度広いところでも信号が無いのは何故?と思うまでもなく、車はちゃんと止まってくれる。そう考えると、東京の方がやっぱりよほどせわしいということになりましょうね。

 

最後にこれは長崎らしいところであるかと思いましたのは、外海に向かって市街地をはずれようかというあたりで目に止まった大型スーパー、その屋号がいかにも長崎ではありませんか。

 

 

曰く「dank U」とは、オランダ語で「Thank you」の意ですものねえ。上の港の写真でもちらり見えているように、当然にして全国展開のイオンがあったりもするところながら、土地ならではのお店に遭遇しますと、「ああ、はるばる来たぜ!長崎」(本当は函館か…)と思うところでありましたよ。

 

てなあたりを語り起こしといたしまして、この後しばらく長崎を(控えめに)うろうろとしたお話が続いてまいる予定でございます。