近隣、立川市の中央図書館に立ち寄りました折、かような講座のフライヤーが目に留まったのですな。多摩消費生活センターというところが行う「電磁波ってなぁ~に ~身の回りの製品の電磁波を測定します~」という講座の開催告知でありまして。
Wi-fiや携帯電話の電波にとどまらず、家にいても各種のリモコンやら、電車やバスに乗るにも非接触型カードやらを使う中では、おそらく身の周りに電磁波がたぁくさん飛び交っておろうなあ…とは予て想像していたところでもありますので、出向いてみることにしたのでありました。幸い抽選に当たったものですのでね。
で、出かけてみて「ん?!」と思いましたのは、参加動機といいますか、講座内容に思い込みがあったようで、「そういう話であったのか…」と。個人的には先にも申しましたとおり、「人体に影響はないのであろうか??」という意識がありましたので、「(電磁波が取り巻く現状に鑑みて)こんなことに気を付けてくださいね」といった示唆があるものと考えておりましたが、基本的には「差支えのない範囲ですから気にしなくて結構です」といったことを啓蒙?する講座であったようで。
いわゆる「電磁波」(正式には「電磁界」というらしい)を低周波、中間周波、高周波に分けて、それぞれどんなものが発生源になっているかを紹介し、それそれの周波体でもって人体に影響が出るとすればどのくらいの量であればどんな影響であるかを研究したけ結果として、限界値より遥かに少ないラインで制限する規制をかけている、従って「問題はありません」という結論なのですね。
さりながら、いみじくも説明の中にもありましたとおり、電磁波と(人体への)健康被害(特にその長期的な影響)に関して「多くの研究が行われてきたが、科学的に証明されていない」と。そして、これに続いてカッコ書きながら「科学で無いという証明は出来ません」とも。
科学者的には「悪影響があると証明されていないのだから、差支え無し」ということなのでしょうけれど、非科学的(?)な者からしますと、「結局は可能性として想定される範囲の事象においては研究済みとして、無いとは言い切れないのだから、どうして安心していいとなるかな…」と思ったり。
研究結果という点ではWHOの公式発表なども併せて紹介してくれているところながら、以前読んだプラスチックごみの影響に関する研究でも、全く同様に「影響は証明されていない」という見解であったわけで、これを見たときにはどやはり「だから、どうして安心と言えるのかな…」と思ったものなのですね。
なんともご丁寧なことには、こうした不安、リスク認知については説明してくれておりましたな。ある事象に対してそれにリスクを感じるかどうかは人それぞれであって、受け取る立場で変わるとしつつ、世の中には誤認を煽る情報が氾濫しているので気を付けましょうと言うことでしたなあ。
個人的には、フェイクニュースと思しきものや陰謀論的なるものには適度な客観性を持っているとは思っていますけれど、逆に信頼できる情報の例示として「新聞記事は社会面よりも科学面・論説面」とはともかくも、国や自治体の発信情報とあるのは「どうよ?」と思わざるを得ない。この部分は、それこそそもそも時の為政者が信頼できるかどうかにもよりましょうからねえ…。
ともあれ、非科学的な文系人間の僻目かもしれませんが、網羅的に影響無しとは証明できないのはもちろんながら、それでも問題無いのですよと言い切れてしまうところが、むしろ「怖い」気がしないでもないですねえ。かつては当たり前に使われていたものがその後に有害性が露わになったりする例は、枚挙に遑なしでしょうに。
ま、とにかく現状において電磁波は許容範囲なのでしょう。とやかく言われることの多い「5G」も一定規制の上に展開されるということですし、電子レンジの電磁波もそれこそレンジの中にでも入ってしまわない限り影響は無いのでしょう。その他の微小な電磁波においてをやということで。
ではありますが、気に病むまではならないまでも、気に掛けておくことは「転ばぬ先の杖」でもあろうかとは、話を聞いた後でも(話を聞いたからこそ?)思うところなのでありますよ。