ということで、昭和記念公園の中をゆらゆらとしながら黄葉を眺めてきたわけですが、
木立の間に「これもオブジェ?」というものを発見。以前、訪ねたときには園内に
思いのほか彫刻作品、造形作品があるのだなと改めて知ったわけですけれど、
これは素材的にエコアートでもあろうかと思ったのですなあ。
やはり脇には「ハート ぽこぽこ」とタイトルも添えられていて、
見まわせば辺りに作品らしきものが点在しておりまして、
どうやら「よみがえる樹々のいのち」展という屋外展示の中の一作品であったという。
「公園内で剪定された樹木を素材とした作品」の展示は、
今回で25回目ということですから、継続的に進められているものだったようです。
要するに廃材利用のエコアートというわけですなあ。
こちらは「羽をやすめて次へ…」というタイトル。一見したところ、「かたつむり?」とは
どうやら失礼な話であるようで、羽を休めて…というのでから蝶々でしょうなあ。
続けて、あんなの(上の写真、タイトル「何処へ」)やこんなの(下の写真、タイトル「虫たちのいたずら?!」)を
眺めながら、廃材アートについて考えたりしたわけですが、初めのうちはいささかネガティブな発想が。
廃材、捨てられてしまう、いらない材料で「見せる」作品、あるいは「何かを訴える」作品を
作ることには意味があるのだろうと思いつつ、でも結局は捨てられてしまうのだよなあと。
要するに廃棄物の減少にはつながらないというわけで。
さりながら、廃棄物といってもこの展示に使われているのは、
公園内でどうしても剪定の結果として生ずる木の枝などを使っているのですから、
止む無いゴミの存在はありきとして、単純に捨てにかかる前段階にエコアートとしてもうひと段階役に立つ、
それならそれで意味はあるのか…とも思い直したり。
そして、木立の中にヒト形をした造形が点在する作品「Come on! Join us!!」 に出くわすにいたりまして、
これを一時的な展示として会期後に撤収してしまうのは惜しいのではと。
何せ子供が喜びそうではありませんか。
素材が廃材なだけあって、先日訪ねたときに見かけた彫刻群よりもむしろあたりに馴染んでもおりますし、
あまり抽象が勝ったものよりも、子供たちには楽しめそうです。さらには楽しめるという以上に、
自らもこうした造形を手掛けてみたいと思わせるのではなかろうかとも。
その点では他の場所にあった、こんな「イカがでしょうか?!」なんつうものや「げんきなとりさん」といった作品で
その気持ちは弥増すことにもなろうかと思ったものでありますよ。
廃材は確かにもはやゴミでしかない。それで作品を作ったとしても結局はゴミになる。
そうだとしても、作品となったほんのいっときにせよ、子供たちを楽しませる、はたまた創作意欲をも掻き立てる、
そんな機能を果たすことができるならば、単なる廃材として片付けることはできないかもしれませんですね。
ほんのいっときにせよ、影響力があるのであれば、それは芸術作品というべきであるのかもです。
芸術といいますと、感性との関わり、感覚への刺激という点でいささか高尚なものにも思ってしまいがちながら、
もそっと卑近なところで、卑近な形でもヒトの心に働きかけられるのなら、立派な芸術ではなろうかと。
と、ここではもっぱら子供向けであるかのような話に終始してしまっておりますが、
大人であってもさりながら、想像力に刺激を受けるようなものももちろんあるわけで。
当初に思い至ったネガティブイメージはすっかり払拭されて、見て回ったものなのでありましたよ。