山梨県北杜市小淵沢の、お泊り勝手のアパートに滞在して、

隣県・長野の富士見町をぐるりと巡ったお話をしておりましたが、滞在先がアパートということでもあり、

住んでいるように、暮らしているように滞在するのも、まあ、妙味ですな。

ということは、精力的に観光地を巡るというばかりでなしに、近隣を散歩して歩くなんつうこともあるわけでして。

 

前にも触れましたですがすぐ近くには大滝湧水公園があり、

相変わらず豊富な湧水を惜しげもなく出し続けておりましたなあ。

 

 

また八反歩堰といわれる、これは疏水なのでしょう、その流れに沿った遊歩道がありまして、

のんびり散歩するには何ともいい道があるのでありますよ。

 

 

すぐそばの田畠を潤す大事な水脈なわけですが、

木々の陰になっている木陰の部分を過ぎるとほどなく視界が開けて、

下の方にもやはり田畠が広がっています。この疏水から分水することを考えれば、

この水の貴重さはなおのことでありましょう。

 

 

とまあ、そんな気持ちの良い道(天気が良ければこそですが)をしばし進んで、

一旦舗装路と出くわすあたり、そこに「三峰の丘」と呼ばれる展望台がありました。

 

 

ひとつところで3つの山が見えるくらいどこの展望台でもあることではないか…と思うところながら、

この場所がいささか自慢げ?に「三峰の丘」と言われるのは、見えるという三峰というのが、

富士山、南アルプスの北岳、北アルプスの穂高岳と、日本の高峰三座がいっぺんに望める場所なれがこそ。

さて、本当に見えるのか?と、確かめたくもなるものです。まずは富士山を。

 

 

真ん中遠方にうっすら見えておりますが、一応望遠をきかせて証拠写真的に。

 

 

あたまに笠雲をいただいておりますが、確かに富士山は見えました。

さて、三座のうちで最も遠い北アルプスはどうでしょう。方向としては、こっちですな。

 

 

この小さな写真では識別できないものと思いますが、肉眼では中央遠方に見えており、

ついつい「おお!」と。こちらもまた証拠として、望遠で迫っておくとしましょう。

 

 

あの峨峨たる山並みはなるほど北アルプスでありましょう(といって、穂高とは分かりませんが)。

では、距離的に最も近いはずの北岳はと言えば、こちらの方角で…。

 

 

ちょうど真正面の、ひと山向こうに頭だけが見えるはずなんですが、そこには次々と雲が湧いており…。

本来はっきりと雄姿の拝める、右手の甲斐駒ヶ岳でさえ山頂付近しか見えていないという。

まあ、前日雨が降りましたので、しっかりと保水した山々がお日さまを浴びて一斉に雲を

湧き出させているのでもありましょう。しばぁらく眺めていましたが、状況は好転せず仕舞いでした。

 

「三峰の丘」という名のとおりに三座一望とはいきませんでしたけれど、

展望台を少々離れて北側に回り込んでみますと、それまで隠れていた側の眺望が得られましたですよ。

 

 

八ヶ岳ですなあ。ここに降って沁み込んだ雨が伏流水となって、小淵沢あたりで湧き出している。

それが昔から疏水として利用されているわけですが、ちょっとした散歩でこうした眺めが得られるのは

なかなかにいい気分。自宅近くの廃線跡遊歩道を歩くのはつまらなくはないですが、

やはりこうした景観のほうが楽しいですなあ。

 

身近なところで、取りあえず小淵沢住まいをするようなリモートワーク続きがあればこそ、

アパートにお邪魔して、あたかも住んでいるように散歩気分に浸ったわけですが、

はてさていつまで続く(続いてくれる?)ことやら。また訪ねていく機会があれば、

そのときはしっかりと三座一望となることを期待したいところなのでありますよ。