さて、昭和記念公園内の花みどり文化センターを訪ねて、二つ目の展示です。
風景写真家が撮った「東京で見たすごい雲」というものですが、
ごくごく普通にいい景色(それがどんなものかは人それぞれながら)の写真といいますと、
自然に乏しい東京では大したものは撮れないようにも思うところです。
さりながら、雲の写真なれば「そうとも言えんぞ」(「太陽に吠えろ」のヤマさんふうに?)と思ったり。
何しろ都会であろうが、田舎であろうが、空を見上げればそこにあるわけですから。
会場内のようすはこのような。やはり東京でも雲の写真は種類も豊富にとれるものですな。
まあ、一瞬たりとも同じでないのが雲でありますから。
以前、といって十年以上も前になりますけれど、たまたま『「雲」の楽しみ方』なる一冊を手にして、
いささかの雲探究に個人的盛り上がりを見せた時期もありましたですが、時を経てすっかりご無沙汰。
今回の展示を通じて、雲の種類なども振り返っておくことにいたそうかと。
こういっては何ですが、中学の気象愛好会が文化祭で発表用に模造紙で作った解説図のよう…と、
それはともかく、雲は高さによってずいぶんとその姿が異なることが分かりますですね。
低層の雲はいかにも温気をはらんで鬱陶しい印象ですけれど、高層の雲になりますと
青空の高いところにうっすらと実に清々しい。今はちょうど季節の変わり目ですが、
天高く…という、爽やかな秋の雲が見られるようになるのが待ち遠しいですなあ。
旅客機の巡航高度はおよそ1万メートルでして、気流がおだやかなれば
巻雲の仲間に彩られた雲のじゅうたんの上をすい~っと進んでいくわけですね。
ゆっくり進んでいるようでも、相当に速い速度で。
そんな飛行機から雲を眺めることもしばらくご無沙汰になっておりますな。
いつになったらロングフライトに身を委ねられることか…てなことを考えても詮無いですので、
地上から見上げても、一時としてじっとしていることのない雲、それをぼんやり眺めやること自体、
最高に贅沢な瞬間なのかもしれません。そんなふうに思いつつ、空を見上げるといたしましょうか…。