東京・八王子のオリンパスミュージアムを訪ねようと予約の電話をしました折、
先方から「何かご質問は?」と尋ねられたものですから、全くお門違いとは思いつつも
「近くに昼食をとれるところはありますか?」ときいてみたのですなあ。
最寄り駅がJR八高線の北八王子駅という地味も地味な駅ですので、
最初から期待はしておりませんでしたが、答えは案の定というところ。
おそらくオリンパスの事業所勤務の方々には社食があるのでしょうなあ。
ともあれ、八王子駅前まで戻れば飲食店は山のようにありますから選び邦題のところ、
「孤独のグルメ」の井之頭五郎よろしく路地裏をふらりふらり。
何かしら「これ!」と思うランチ処はなかろうかと思えば、あった、あった。
日本語的語感からすれば「クタバリカフェ」というお店の名前はふざけているようにも見えるところながら、
看板やらなにやらの装飾を見ても、「ああ、インドネシア料理だあね」と思うわけでして。
ご存知のようにインドネシア、バリ島には有名なクタ・ビーチがありますものね。
インドネシアのバリ島には一度だけ行ったことがありますが、
クタとそれに連なるビーチは若者の喧騒がありそうでしたので、ヌサドゥア泊まり。
そこのホテルのロビーにからんころんと小規模編成のガムラン音楽が流れていたのが
なんとも涼やかな気分にさせられたものでありましたよ。
とまれ、暑い最中、基本的には南国仕様であろうインドネシア料理は適当であろうと
入り込んでみたわけです。
ラタンや竹を使ったインテリアなど「らしさ」を醸す店内で、
まずは「ビンタンビール!」と行きたいところですが、現時点ではおひとり様でもアルコール不可。
なんともうしましょうか…。
ここでもバナナ・リーフを模した皿に盛り付けられて、
とりあえずはインドネシア料理盛り合わせ的なナシチャンプルなるものをいただきます。
沖縄でチャンプルと言えば混ぜ混ぜした料理ですけれど、こちらは盛り合わせなのですな。
ちゃんとインドネシア語(マレー語)としてチャンプルという言葉あるようです。
ところであまりの暑さの中を歩いてきたものですから、お店の方(やはりバリの方のようで)に
お冷のお代わりを頼みつつ「暑いですよねえ」と言うと、「バリの方が涼しいです」とは、そうだったかなあと。
島だけに海風が入ってくれば確かに涼しいような気もしますが、ほぼほぼ赤道直下とも思われる島の人に
「東京の方が暑い」と言わしめる。いやはや何ともの気候ではありませんか。
まあ、今年が特別というわけではないでしょうから、まあ、最近はこんなもんとも思うところですが、
そう考えると、オリンピックの選手たちから暑さに対する苦情が申し立てられるのもむべなるかなと。
ついでに先頃ネットのニュースで見かけたところによれば、これほど暑いことを日本は隠して誘致したとか、
そんな話も出ているとか聞き及びましたけれど、別に日本の誘致に携わった人たちを擁護するものではないながら、
日本の夏がかくも暑いことはもはや誰もが知っていることで、わざわざ暑いですよということを言わなかったから、
開催国を日本に決めた側は騙されたのだというのはあまりにばかばかしいことでもあるような。
暑いとわかってて黙っていて、7~8月開催にしたのはいったいどこの誰よ、てなもんですなあ。
と、またしても話は横道に入ってしまいましたですが、八王子の横道に入って見つけたインドネシア料理店で、
しばしヌサドゥア・ビーチのホテル・ロビーを吹き抜ける海風とガムランの素朴な調べを思い出し、
わずかながらも涼やかな気分になったものなのでありました。