「なんとなくなんとなく」 と口遊んでいて、
Youtubeでもってオリジナルのスパイダース版を聴いたりもしたですが、
そんな折も折、市の図書館には「ザ・スパイダース NEW BEST」なんつうCDがあったりも。
ついつい借り出してしまいましたですよ(笑)。
収録曲は全部で16曲。
それでも40分余りですので、要するにLP仕様のアルバムなのかも。
それだけでも時代を感じるような気がしますですね。
先にも触れましたけれど、グループ・サウンズに馴染んだ方々は少々年上の、
おにいさん、おねえさんたちだったと思いますので、ベスト盤といわれて16曲もあるうちの、
確かに聴き覚えがある曲は「なんとなくなんとなく」を含めて6曲しかありませんでした。
ちなみにこんなタイトルの曲です。
「夕陽が泣いている」、「風が泣いている」、「いつまでもどこまでも」、
「バン・バン・バン」、「あのとき君は若かった」、そして「なんとなくなんとなく」と。
最初の2つはどちらも浜口庫之助の作詞・作曲による作品で、姉妹曲のようなものでしょうか。
要するにヒット狙いで外部からもらった曲と言えましょうかね。
一方、それ以外の4曲はザ・スパイダースというバンド・オリジナルなわけですが、
なんと!そのいずれもがかまやつひろしの作曲であるとは…という以上に、
このベスト盤に収録された全16曲のうち、かまやつの作曲作品は13曲に及ぶのですな。
そのうち5曲は作詞も手掛けているのでありまして、
スパイダース解散後のメンバーの活動を思い出してみるにつけ、
(堺正章や井上順もしばらく歌手らしきことはしていましたけれど)
かまやつひろしは元来のシンガー・ソングライターと言えるのかもしれませんですね。
しかしまあ、先にも「スパイダースってコミック・バンド?」と言ったですが、
「恋のドクター」では「注射ピュッピュッ」というフレーズが繰り返されたり、
はたまた「エレクトリックおばあちゃん 」はタイトルからしてすごい、
筒井康隆の小説のタイトルかと想像してしまうところです。
「恋のドクター」の作詞作曲はやはりかまやつひろし(「エレクトリックおばあちゃんは作曲だけ)。
そのかまやつの最大のヒット曲はご存知「我が良き友よ」でありましょうけれど、
これは吉田拓郎の作詞作曲。そして、これを収録したアルバム「あゝ、我が良き友よ」は
りりィや大滝詠一その他、錚々たる顔ぶれのミュージシャンたちから楽曲提供を受けて作られている。
かまやつオリジナルはただ「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」1曲なのですよね。
Wikiに曰く、「我が良き友よ」は「自身のイメージにそぐわない」と考えていたらしいかまやつひろし。
いちばん売れた曲とアルバムで出来た印象とは違うところに本人の望む音楽世界があったのかも。
それを偲ぶにはむしろスパイダースの曲を聴くという手もあるような気がしたものでありますよ。