あたかもGWの到来を待っていたかのように膝痛が復活してしまいました。
まあ、東京は緊急事態宣言下でもあり、どこかへ行くということも出来かねますので、
そういう点での痛手は少ない。せいぜい膝を休めることにしようかと。
当初の目論見としては、先に引っ越しの手伝いにでかけた山梨県小淵沢のアパートにでもやっかいになり、
束の間、山歩きやらなんやらと考えたりもしておりましたが、
世間の事情と個人的事情とのダブルパンチとなれば、致し方もありませんですなあ。
ところで、先日の引っ越し手伝いの帰りに「武田信玄」展@山梨県立博物館に立ち寄っていたものの、
その展示などについてはついぞ書き逸れており、GWにまた山梨に出かけた折りには
その際に訪ねた(であろう)あちこちのことと併せて記そうかと目論んでいたのですな。
もちろんこれも目論見外れとなり、ここで唐突に山梨の話を出してしまうわけですが、
今のいま、都民として「都県境を超える」という禁を犯したわけではありませんですよ。
(盲目的にダメと言われたから、じっとしているのがいいとは思ってませんですけどね)
とまれ、山梨県立博物館の話…と、その前に博物館近くでとった昼食のお話を。
博物館とは笛吹川を挟んで反対側の川岸に位置する「赤富士」というお店に立ち寄ったのでして。
古民家を活かした店内のようすからして、
いわゆる郷土料理を食すに似合いの空間という気がしたものでありますよ。
ですので、御品書きから選んだメニューは馬刺し定食、
プラス400円でみそ汁をミニほうとうに変更し、ついでに鳥もつ煮をつまむことに。
ほうとうと鳥もり煮はいかにも山梨ですけれど、馬刺しもまた。
馬刺しといえば熊本、ではありますが、山梨や長野でもよく食されておるそうでありますよ。
と、これらをおいしくいただいたものの、その実、このお店にそもそも立ち寄ることにしたのは
お目当てメニューがあったからなのですが、どうも御品書きに見当たらない…。
コロナ禍でメニューも絞り込みかなと思い、かかるオーダーに及んだところ、後で気付いたことには
座っていた座席背後の壁に、お目当てとしていた一品の写真が貼り出してあったのですなあ。
「赤い富士山カレー」でありますよ。「映え」ましょう?
もともとお店の名前が「赤富士」ですけれど、これも葛飾北斎「富嶽三十六景」の中の「凱風快晴」、
一般に「赤富士」と言われる一枚から持ってきたのでありましょうか。店名にもならい、
できたメニューが「赤い富士山カレー」なのでありましょう。
もっとも石和温泉のあたり、笛吹川の土手からは手前の御坂山地が妨げとなって
大きく裾野を引く富士の姿は眺められないのですけどね…。
「三十六景」の中には甲州街道石和宿のあたりからの景観として、
「甲州伊沢暁」という一枚(上の画像は部分)もありますけれど、こんなふうに見えるには
例によって北斎ならではの鳥の目の目線が必要なのではなかろうかと思うところです。
と、余談に入り込みましたが、お店では食しそこねた「赤い富士山カレー」、
ご丁寧にもレトルト化したものが入口近くに陳列してあり、こちらを買って帰ったのでありました。
パッケージの裏には、おもての写真にようになる盛り付け例が示されておりまして、
こうなるとついついトライしたくもなるところかと。ですが、予想通り「造形」は不得手のようで…。
盛り付け例の説明に従い、最初のうちはしゃもじでぺたぺた山の形を作ろうとしておりますが、
「ごはんであそぶんじゃありません!」というどこからかの声が聞こえ?盛り付けは頓挫いたしました。
で、お味のほどは…?
店内ポスターにも辛さレベル★五つとなっているのは伊達ではありませんで、ジワリと辛さがやってくる。
それでいて、「笛吹市産ぶどう果汁使用」から来ているのか、甘味がほどほどに隠れておりまして、
ちょっとしたホテルカレー的な味わいでありましょうかね。
やはりレトルトとはいえ、「ボ〇カレー」とか「ク〇レカレー」とかとは違うひと品。
一袋900円とはそれなりのお値段(ま、お店で食するよりは安いですが)ではありますが、
姉妹品に「青い富士山カレー」というのもあるそうな(お店では品切れだったようで…)。
いつかこちらにもトライしてみたいものだ…と思うくらいが関の山であろうかという、
2021年のゴールデンウィークなのでありました。