八ヶ岳南麓高原湧水群めぐりの2か所目は、JR中央本線の小淵沢駅から

高原列車として知られる小海線に乗り換えて3つ目、清里駅からゆっくり歩いて1時間ほど。

吐龍の滝(どりゅうのたき)と呼ばれている場所なのでありました。

 

同じ湧水群のひとつには、途中の甲斐小泉駅からちょいと歩いたところに

三分一湧水というよく知られた、そしてアクセスもいいので観光客もたくさんやってくるところが

あるのですけれど、そちらには行ったことがありますので、今回はパスということで。

 

もっとも吐龍の滝の方も車利用の場合には、残り山道を15分ほどというところまでは

車で入れますので、結構次から次へと訪ねてくる人がおりましたですよ。

これが、その遊歩道の入り口になります。

 

 

遊歩道のコースを記した案内板には清泉寮などまで続くルートが記されていますので、

木立の中を抜ける散策にも勤しみたいところながら、昨秋の台風被害で道が寸断されたまま、

通行止めとなって区間があるとなっては、そうした目論見は別の機会にということで。

それに、ともすると熊に出くわすこともあるようですし。

 

 

幸いにしてこのときに熊さんたちは違うところにいたようで遭遇はありませんでしたが、

ともあれ木立の中を歩くこと10~15分でしょうか、やがて小海線の橋脚下で清流に出会います。

 

 

沢の流れは真正面奥から下ってきているわけですけれど、右手からも水が噴き出しておりますね。

これがいわゆる湧水でして、やはり崖の地層の隙間からこぼれ落ちているという次第です。こんな感じで。

 

 

これはいわゆる「吐龍の滝」。見た目はさほどでもありませんけれど、

これはこれど結構どばどば出ているのありますよ。名前の由来は、

「緑におおわれた岩間から絹糸のように流れ落ちる神秘さから」龍の吐き出す滝との名づけとか。

あたりに苔が生えているところの水は清涼と言われますので、沢を渡って水汲みに出向くことに。

 

 

ズボンを膝上までまくり上げ、沢に足を浸して向こう岸まで進むわけですが、なんとも水が冷たくて。

暑さ真っ盛りの中で、いっときの涼という以上に震え上がるようでもありました。

あたりでは水の冷たさもなんのその子供たちが水遊びに興じておりましたけれど。

 

と、そんな喧騒からちと離れ(もっとも水流から離れると立ちどころに涼感は減りますが)

遊歩道の休憩場所と思われるベンチのあるところで携帯コンロを持ち出し、

汲んできた水でさっそくにコーヒーを。

 

このときどうした拍子か、同行者がコーヒーをひっくり返してしまい、すわ火傷かという状況に。

幸い冷たい水がふんだんにある場所でしたので、ひとしきり冷やしまくって事なきを得たという。

冷涼な空気のもとでのコーヒーは穏やかひとときを演出するはずでしたが、

湧き水の味わいもふっとぶ一幕だったのでありました(笑)。

 

帰りがけ、谷底から登り詰めて車道に出る直前、遠雷の音がごろごろと聞こえてきました。

見上げると真っ青な空に大きな大きな入道雲。日本の夏ですなあ。

(これを書いている今はもう秋なのですけれど…)

 

 

清里駅まで歩く間に八ヶ岳方向では雲がだいぶ黒くなってきておりましたが、

幸いにして降られることなくたどりつくことができました。

さて小淵沢に戻って、さらにもうひとつ湧水を訪ねることにいたします。