いよいよ房総半島を離れる段になりまして、東京湾フェリーの金谷港にやってきました。
当然ながら海は目の前、それに対岸の三浦半島もはっきりと肉眼で見えるようになりましたですよ。
奥には富士山の頂が望めるのですが、なんだかやけに大きく見える気がするのは錯覚でありましょうか。
しばし待合室での時間待ちの後、到着して折り返すフェリーのおなかの中に車ごと入っていきます。
と、これはフェリーですので当たり前ですが。
ちなみに千葉県の金谷港と神奈川県の久里浜港とを40分で結ぶ東京湾フェリー、
東京湾アクアラインの開業で営業的には大きな打撃を受けたとは、想像にかたからぬこと。
されど、かつて交通の玄関口が海にあったことに思いを馳せるよすがにもなりますので、
何とか頑張ってほしいものだなと思うところでありまして。
実のところ、今回のような車便乗旅でなくとも乗ってみたいとはつねづね思っており、
なんとなれば海上から久里浜に近づくという点が、黒船に乗ってやってきたペリー提督の気分を
いささかなりとも想像できるような気がしたものですから。
もちろん周囲の眺めは大きく変わっており、変わらないのは海の波しぶきくらいかもですが…。
出航してしばし、そんな波しぶきを多少受けつつもデッキに出てみますと、
妙に海鳥が集まっておるなあと思えば、餌をやっているのでありました。船内の売店で売ってますものね。
そうこうしているうちに早や房総半島は遠くなり、三浦半島側の久里浜港に到着となるのでありました。
考えてみますと、今回は千葉県に行くのに東京都心を通りませんでしたな。
そういう交通路はなかなか大事なのではなかろうかと思ったりするのでありましたよ。
この後は「房総半島紀行」のタイトルには偽りありということになりますが、
ついでに立ち寄った久里浜、横須賀のお話が少々続くことになるのでして、ご容赦のほどを。