ということで、ICEでぴゅいっとライプツィヒからヴィッテンベルクへとやってまいりました。
訪れる人は歴史絡みの興味からとは思いますが、駅舎はことのほか新しいのですなあ。
ともあれ、駅前から旧市街へ向かうわけですけれど、さしあたりその道々も整備されたばかりのような。
これは2017年が宗教改革500年にあたっていたことで、いろいろと新しくされた一環でもありましょうかね。
しかしまあ、名にし負うルターシュタット・ヴィッテンベルクでありますから、とにもかくにもルター押し。
そんな中でルターと親交があり、ここヴィッテンベルクで活躍した画家ルーカス・クラーナハも
もちろん忘れられてはおらないようで。
この指輪を咥えた翼のある蛇(ドラゴンといういうには手足が無い…)の姿は
クラーナハが作品にサインとして用いたものですものね。
と、このモニュメントを過ぎて道は線路から離れ、町中方向へというちょいと先、
右手に小さな公園のような場所がありました。「LUTHER-EICHE」と刻んであって。
言葉の意味としては「ルターのオーク」、楢の木ということでしょうか。
確かに奥には立派な木が茂っておりまして、ルターとオークの木は関わり深いものであるそうな。
1520年、教皇レオ10世がルターに対して、自説を撤回しなければ破門すると文書を出しますが、
ルターは敢然として、ヴィッテンベルクの人々を前に文書を焼いてしまうのですな。
そのときにこのオークの木が使われたとかいう話でもありますけれど、
見た目、立派でも樹齢500年以上ということはないでしょうなあ。
ところで、このルターのオークの木とは通りを隔てた反対側に、
小高い丘になってやはり公園のような感じの場所がありましたので、ちと登ってみることに。
ドイツではこんなふうなひと目から隔たった公園のようなところには
思いがけぬほどにゴミ(空き缶やら食べ物の包み紙やら)が散乱していることしばしですが、
ここは比較的ましな方でありましたよ。ルターの目があると思われているのかも…とは、的外れであったようす。
なにしろルターにまでいたずら書きがされてしまうくらいですものねえ。
それはともかく小さな丘の上に立って眺めてみれば、
遠く流れてやがては北海に注ぐことになるエルベ川を越すための大きな橋が見えましたですよ。
そして、反対側に目を転じますれば、木立の向こうに赤い屋根の大きな建物が見えておりますね。
これがヴィッテンベルクのルターハウスで、当然に中は資料館になっておりますが、なんとも展示が豊富でして。
たっぷりと時間をかけて見てまわった…という話に続いていくのでありますよ。