さて、セントレア
から名鉄線で二つめの常滑にたどり着き、駅近のホテルで一泊した翌朝。
いよいよ気ままなひとり旅の始まりでございます。
スタートは名鉄常滑駅。やきもので知られる土地柄だけに、
駅前からして陶製オブジェがありますなあ。
こちらは「『陶と灯の日』記念碑」というものだそうでありますよ。
解説によれば、常滑焼1000年の歴史を振り返り、
伝統と文化を次世代に引き継いでいくことを願って
10月10日を「陶」(とお)と「灯」(とお)の日と定めた記念のオブジェということで。
さすがに「六古窯
」のひとつとされるだけあって、長い歴史がありますな。
その裏側にはやはり地名にまつわるところがあるのではなかろうかと思います…といいつつ、
実はホテルの部屋にあった「常滑豆知識」とやらの受け売りなのですけどね。
『常に滑る』…一見縁起の悪い名前に思えますが、実は「常」は「床」(地盤)を、「滑」は「なめらか」を意味しています。古くからこの地は粘土質の露出が多く、その性質から「とこなめ」と呼ばれるようになったといわれています。
粘土質が露出していたとは、掘らなくてもやきものの材料がそこここにあったわけですから、
古くに窯が造られ、窯業が盛んになったのも当然という地の利があったのですなあ。
実際に滑りやすいことでは、住民に苦労は絶えなかったろうと思いますが…。
と、話を常滑の駅前に戻しますと、先の記念碑とはまた別に
巨大やきものオブジェが鎮座しておりましたですよ。こんなふうです。
1989年に名古屋で開催された世界デザイン博に出品されたものということで、
先の記念碑ともども、伝統を生かしつつ現代的なアート作品にも取り組む常滑焼の姿が
浮かんでくる気がしたものです。
そういえば、宿泊したホテルの部屋の壁に掛かっていたのも、
やきものアートだったのでしょうなあ。
こうなってきますと、これから巡るやきものの町では
さぞ現代的なアート作品にめぐりあったのでは…と思われるやも。
実は、むしろ常滑焼の伝統を偲ぶことの方が多かったわけでして、
そのあたりはおいおい触れて参りますが、さしあたり「やきもの散歩道」の案内塔を頼りに
歩を進めてみることにいたします。