しばらくご無沙汰をしてしまいました。

長崎、福岡へと出張したきたのでありますが、

どこかへ出かけると駅弁 の話などを出かけましたが持ち出すことがある延長線上で?

ここでは「空弁」の話などを。


元来、駅弁は旅先へと向かう車中、途中駅などのホームで売り歩いているのを買う、

あるいはそうでなくても列車のすれ違いなどで停車時間が長いときに駅の売店まで行って買う、

そんな旅の一場面を構成するものであったような。


ですが、列車が高速化し、窓が開けられなくとホーム売りの商売はできず、

しかも停車時間も短く切り詰めるられる方向ですから、途中の売店で買うなどもできず。

それでは代わりに車内販売で買うという形があったものの、近頃は多くの路線でこの車内販売も

無くなっていっているようですなあ。


結局、車内で食す弁当は乗車前に調達しておくべしとなっていっておりますが、

その関係から例えば東京駅では日本全国の駅弁が買えたりするようでありますね。

目移りするほどうまそうな弁当からチョイスできます、とは買い手をそそることなのかもながら、

個人的にはどうも…。


旅先でその場所その場所の食材などを使った個性的弁当というのが駅弁の魅力だったわけで、

いかに食しておいしいとしても、どこでも買えますとなってしまいますとねえ…。


まあ、空弁の方は飛行機という構造上?途中で買うということは不可能ですので

搭乗前調達は当然のことでして、この点は昨今の駅弁事情と変わらないわけですが、

せめてもの個人的こだわりとしては(駅弁に関しても同様なんですが)

搭乗する空港の場所との関わりが感じられるものを極力選ぼうとする傾向がありまして。


ということで前置きが長くなりましたけれど、今回の空弁2題、

まずは羽田から長崎へ向かうために調達した品がこちらでございます。


空弁@羽田空港「六郷のわたし」


空港のすぐ裏手を流れる多摩川、下流部の別名は六郷川ですな。

江戸の時代、東海道をたどって川向うの川崎宿に至るには六郷の渡しが使われていた。

そんな関わりが伝わる弁当名についつい飛びついてしまったわけです。


六郷に掛けて箱も六角形、これまた六つに仕切られた中にこまごまと

いろいろなものがならんでおりましたよ。



ですが、満足感は実はここまで。

こう言ってはなんですが、個々の食材に地域的なこだわりがあるようでもなく、

とにかくバリエーション豊かにはしてみました的な内容でありました。

価格のわりには満足度につながらなかったのは誠に残念、とは個人的見解ですが。


一方、福岡空港からの戻りに際しても空弁を調達しようとしたところながら、

夕刻便になりますともはや残っている種類が極めて乏しい。

あちこちの店をのぞいて諦めかけたときにようやく巡り合ったのがこちらの品です。


空弁@福岡空港「」辛子明太子と糸島豚弁当」


これは「いかにも福岡」ではありませんか。

少々高めの値段ながら夕食代わりに想定しておりましたので、そこは躊躇なく。

(と言っても1400円くらいだったと思いますが)


で、これは文句なしに旨かったですなあ。

以前、駅弁にふれて「さめてもうまい」が肝要てなことを言いましたですが、

これはその点でも大したものでありました。



甘めのタレで焼いた豚肉と辛子明太子のコントラストで、

雑多にあれこれの味つけ食材は無くともたっぷり食した感の残るものでありましたよ。


と、なんだかんだと駅弁やら空弁やらへこだわりあるような物言いをいたしましたですが、

その実、写真をご覧になってお気付きの方も多いことでしょう、飛行機の中で食していない…。


往路は羽田で搭乗待ちの間に腹減った感が募って食べてしまい、

戻りの方はその日の昼がずいぶんと遅かった関係で、飛行機を降りてから食したと。

こうなりますと、空弁がどうだ、駅弁がどうだと言えたものではありませんなあ(笑)。