実はロシアを旅しております時に

ふと頭に浮かんでずうっと反復して口ずさんでいたメロディーがあるのですな。


思い出してみればプロコフィエフ の交響組曲「キージェ中尉」に出てくる旋律、

なんとはなし、滞在中のサンクトペテルクやモスクワの雰囲気とでもいいますか、

それとこの旋律がしっくり来たということになりましょうかね。


帰国して10日以上経ちますので、なんとなくの口ずさみが

ようやく「キージェ中尉」のヘビーローテーションから離れてきたかなというときに、

読響の演奏会に出かけてみますと、あらら一曲目からプロコフィエフとは!

あいにくと?「キージェ中尉」ではなくして、古典交響曲だったのですけれどね。


読売日本交響楽団第216回土曜マチネーシリーズ@東京芸術劇場

ロシアというときと、ソビエトというときとでは印象が完全に重なるとは必ずしも言えないですが、

ソビエトの作曲家と言った場合に時代的にはショスタコーヴィチを挙げるのが適当かも。

さりながら個人的には何故かしらソビエトのイメージとプロコフィエフが重なったりするのですな。


この古典交響曲などは、まさに!の感があるような。

ハイドンの時代に範をとってオーソドックスでしかも、分かりやすい。

にもかからず、時代の移り変わりがソリッドさに現れているといった音楽は

スターリン(の登場前ながら、その時代だったとしても)に人民の音楽と受け入れられたのでは。


一方で、プロコフィエフは何とも攻撃的?な印象を持つ曲もあれこれ作っており、

これはこれでロシア・アヴァンギャルドを感じさせるような気もするところですし。


それに対して、この日の演奏会のメイン・プロである「展覧会の絵」は、

ああ、ロシアだなあという気がするのですが、どうでしょう。


まあ、時代が違うといえばその通りなのですが、

ムソルグスキーの持つ土俗性のようなところをソビエトというには

あまりにしっくりこない。


もっとも、この曲に関しては最後の最後に大盛り上がりするところでどうしても

「ナニコレ珍百景」が浮かんできてしまう欠点(?)があるのですけれど。

(曲自体が悪いわけでもなんでもないんですけどねえ…)


と、そんな2曲の間に挟まれたカサドのチェロ協奏曲は、

これまたいかにもスペインというふうな情熱を厚く厚く湛えたもの。

ロシアとは全く異なる一品を挟んだ演奏会でしたけれど、

まあ、それなりに楽しく聴いてきたのでありますよ。




というところで世の中一般はGWに突入しておりまして、

いつもならどこへ行っても混んでるから…とおとなぁしくしている方なのですけれど、

今回はドライブに出かけるという声が近しいところから聞こえて来て、

便乗することにしたところが四国の東半分をぐるりと回るという大掛かりな話でありました。


なんだかお天気が今ひとつな気もいたしますが、

取り敢えず明日からまたしばしのお休みを頂戴いたしことに。

まずは徳島空港を目指し、そこから車の旅が始まるようなのでありますよ。

皆様、楽しいGWを!