横浜のそごう美術館で千住博
の作品に見入ったあとですが、
おそらく喫煙所もあろうかと屋上へと上がってみたのでありますよ。
するとやおら出迎えてくれたのは、いかにも岡本太郎作と思われるオブジェ。
「太陽」なるタイトルでもあり、どうしても大阪万博の「太陽の塔」を思い出すところながら、
表情の異なる3面の顔を持っていたりしたものですから、
かつて青山にあった「こどもの城」のオブジェを思い出すとも。
ところで、そんな横浜そごう屋上のひと隅に老人の坐像が据えてありました。
見れば「初代十合伊兵衛像」とあって、最初は全くぴんと来るところがなかったですが、
しばしのち「これって、そごういへえさん?」と読解したことから
百貨店のそごうという社名は創業者の苗字だったのかと今さらながら。
(関西の方には何をいまさらかもしれませんですが…)
それはともかく、屋上であれば少しは見晴らしのきくところもあるのではと徘徊しますと、
横浜らしく海の見える方角が何とか開けたところに出ました。
何とかベイブリッジが望めはするものの、
右手のビル群が遮って、みなとみらいの方向は見えず、手前には再開発中と思しき空き地だけ。
それでは別方向に開けたところはないかと思えど、見えたのは海とは反対側の横浜駅方向で…。
と、ビルが並んでいるだけの風景ですが、左端に高速道路のすぐ向こうに建つ建物を目にして、
やおらおなかが空いてきた感を抱いたのですなあ。ビルには「崎陽軒」とありまして。
ちょうど昼飯どきでしたので、デパ地下には崎陽軒の売店があるかなと
早速にエレベータで急降下して探すも見当たらず。
幸いにしてそごうと横浜駅をつなぐ地下街ポルタに崎陽軒の食堂兼売店を発見いたしました。
端から思い浮かべていたのは一も二もなくシューマイ弁当だったわけですが、
売店の店頭に立ちますと瞬時に心変わりが生じたのでありましたよ。
シューマイも食べたいところですが、チャーハンも旨そう…と。
そこで、手に取ったのは崎陽軒のお弁当「横浜チャーハン」でありました。
お日柄もよく公園のベンチでさっそくに食すことにして、ふたを開けますとこんな具合。
いやあ、チャーハンが旨そうでありましょう?前に駅弁のことを書きましたときに、
冷めてもおいしくいただけるようでないと駅弁としては…てなことをつぶやきましたが、
その点このチャーハンはいいですなあ。予想が裏切られることなく味わえましたですよ。
もちろんシューマイも二つ付いておりますし、鶏のチリソースのおまけまであって。
たまたまそごうの屋上に上がって崎陽軒を見かけたことが、
このささやかな満足につながったのですなあ。いろんなことがあるものです。
ちなみにここではシューマイ、シューマイと言ってきましたですが、
崎陽軒の場合は(よく知られておりますように)「シウマイ」ですな。
ですから、タイトルに「♪おいしいシューマイ」と音符をふりましたのは
崎陽軒のCMを思い出していただこうかという目論見でありましたが、
これもちゃあんと「♪おいしいシウマイ、きようけん~」と記さねば
崎陽軒のこだわりに違うと叱られそうでありますね(笑)。