ベン・アフレック
を見ると、ついつい「セサミストリート」のマペットを思い出すというか。
具体的にはバートかなと思いますが、眉毛が濃すぎるという点からすれば、
「ハッチポッチステーション」のジャーニーの方がより…。
単に顎ががっしりしているというだけかもですけどね。
ま、極めて個人的見解ですのでこのくらいにしておきまして、
ともあれベン・アフレック主演の映画「ペイチェック 消された記憶」を見たというお話でして。
とある極秘のシステム開発に携わることになったマイケル(ベン・アフレック)は、
プロジェクト終了時に開発中の一切の記憶を消去されることに同意して開発に臨むことに。
見返りにペイチェック(莫大な報酬の意であるそうな)を得るという条件だったわけですが、
PCでいうところのシステムの復元のように、記憶が開発前の状態に戻されたマイケルは
プロジェクト完了時にどうやら報酬を放棄するものとしてサインしたことに気付かされるという。
ですが、サインをしたときの記憶も消されていますので、まるで何が何やらというわけです。
莫大な報酬は放棄したものの、その代わりに受け取ったのは
種々雑多な品物が入った大きな封筒のでありまして。
巨額の富とは無関係に思えるガラクタの詰まった封筒に頭を捻るマイケルでしたが、
この品々はマイケルが自身に宛てて謎解きのヒントとして残したものと
やがて知ることになるのですな。
話として面白いところは、いったい何のためのものだか…という品物がそれぞれ
記憶が消される前に予見した機器の回避につながったり、
消された記憶の穴を塞ぐヒントになっているという話の持って行きようでありましょうかね。
全体の仕上がりとして、よく出来てるなあというほどの作品ではないとしても
この辺りの小ネタの積み重ねはまあ面白いところでもあろうかと。
ですが、そもそもの話になってしまいますけれど、記憶を人為的に消すことは可能でしょうかね。
脳のどこかしらをぶっこわして全ての記憶を消すということならあるかもと思ったりしますが、
ピンポイントで部分的にというは今現在は不可能なのでしょうねえ。
(どこかで研究されているかもしれませんけれど)
ただシンプルに脳を記録媒体のひとつと考えれば、
その中にはたくさんのデータが電気信号の形で保存されていて、
それを読み出したり、書き加えたり、はたまた消去したりということは想像できる範囲内かと。
考えようによってはPCと全く同じではないかとも思えるところながら、
決定的な違いは検索が可能かどうかということ。
ヒトは「思い出そうと考える」ことをしますので、それが検索ではないかともいえようところながら、
ヒトが頭の中で行う検索のメカニズムを解き明かすのがそも可能なのかと思えてきます。
むしろ記憶というデータが電気信号であるとするならば、
その電気信号をDNA解析みたいな形でこつこつと読み解き、
分類していくと可能性は近付くことになりましょうか。
もっともバリエーションは無限大でどんなビッグデータを扱う機械でも対応できるかどうか…。
原作はフィリップ・K・ディックのSF小説。
「ブレードランナー」、「トータル・リコール」、「マイノリテイ・リポート」など
映画化作品の多い作家の作品でありますね。
ゼネコン鹿島のCMではありませんが、
「人が想像できることは,必ず人が実現できる」とジュール・ヴェルヌが言ったように
これまでSF小説において「未来」とされたあれこれが実現していたりもしますので、
SF作家が描き出した記憶の操作もまた実現していくのでありましょうかね。
何やら悪だくみに使われそうでもありますが…。
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