ベルリン郊外のヴァンゼー
を訪ねて、リーバーマン・ヴィラを覗くはずが
ヴァンゼー会議記念館の探訪なってしまったわけですけれど、
ベルリン町歩きも最終日の午後となり、ここからさらにせわしく動き廻るのもなんだあねと。
しばし湖畔でまったりとして観光フェリーを待ち、時間はかかるけれどものんびり帰ろうと
同行者間での話がまとまったのでありました。
やがて乗り込む船がやってきましたけれど、
結構な数の先客はポツダムからでも乗ってきたのですかね。
ともあれ、船は桟橋を後にヴァンゼーを巡り、ハーフェル川を抜けて
ベルリンで最も西側のエリアであるシュパンダウまで。1時間半ほどの航程です。
ちなみにハーフェル川はベルリン中心部を流れるシュプレー川
が流れ込む川でして、
やがてはエルベ川に合流して北海に注ぐことになりますが、それはともかく
しばらくは「ああ、広々とした景観の中に大きな邸が並んでおるなあ」と
セレブのお屋敷巡りであもあろうかという眺めが続きます。
木立が増えて邸宅が見えなくなった頃にひとつ橋に差し掛かったのですが、
これがグリーニッカー・ブリッジだったのですなあ。
映画「ブリッジ・オブ・スパイ」でスパイ交換に使われた橋ということで。
ですが、このスパイ交換というのは映画の話だけではなくして現実の話でもあったようですね。
といいますのも、この橋は西ベルリンとポツダムとの境になっていたのでして、
橋の向こうは東ドイツだったのですから。
いやはや、観光フェリーに乗っかって風光明媚なヴァンゼーを巡るにしても
やはり東西分断の歴史が付いてくる。ベルリンという町の特殊性でしょうねえ。
ひと頃はとてもじゃありませんが、ウォータースポーツを楽しめるとか、
そのようなエリアではなかったように想像されるところではありますけれど、
それも今は昔ということでしょうか、色とりどりの帆をはったディンギーが湖面を滑るさまは
平和であることのありがたみをしみじみ感じたものでありましたよ。
と、そんなのどかな風景をぼんやり眺めやっているうちに、
いったいどこまでがヴァンゼーでどこからがハーフェル川なのか判然としないまま
いつしか水路は狭まってきて、市街地へと入って行きました。
目の前に見えてきた変わったデザインの鉄橋は
DB(ドイツ国鉄)やらSバーンやらが通る鉄道橋でして、これをくぐれば
シュパンダウの下船桟橋となるのですね。
停泊している船の向こうに見える橋の先でシュプレー川が合流しているというあたりです。
さて、最寄りのシュパンダウ駅からSバーンとバスを乗り継いでホテルに戻るといたしますか。












