さて、ベルリンの鷗外記念館
へとウンター・デン・リンデンから向かう途中には
シュプレー川という川が流れておりましたので、記念館を見た後は川岸歩きということで。
奥に見えている大きな屋根がフリードリヒシュトラーセの駅で、
それを過ぎた先に船着き場があるということでしたので、
少々足休めをしようということからもシュプレー川クルーズに乗り込むことに。
ま、歩き廻りがもっぱら壁とナチスの関連ですので、
ここでざくっとベルリン見物というわけでもありますよ。
アムステルダムの運河クルーズで乗った船よりはかなり大きいですが、
それだけ川幅がありましたですね(テムズやセーヌほどではありませんけれど)。
まずは上流方向へ向かいますと、ほどなく見えてくるのが「Museumsinsel(博物館島)」。
美術館・博物館が立ち並ぶシュプレー川の中州(でいいのかな…)でして、
見えてきたのはその西側の突端部分、ボーデ博物館でありました。
場合によってはこの島の中の美術館・博物館を廻るだけで数日のベルリン滞在が必要かと。
今回の短い時間でちまちま訪ねるのは止めにして(もちろん別の機会を目論んでおり…)
川の上から島を眺めやるだけにしておこうと次第でありますよ。
博物館群を右手に見ながらしばし進んだ先に現れたのはベルリン大聖堂です。
プロイセン
王家の墓所としてドイツ皇帝となったヴィルヘルム1世までは
ここに眠っておりますけれど、ヴィルヘルム2世は第一次大戦敗戦後に
オランダに引き取られたので、ご先祖とは一緒ではないのですなあ。
あたりきょろきょろ見回しているうちに、閘門に行き当たったところで
今回のショートコースは折り返し、今度は下流方向へと向かってまいります。
下流側、西側へと進んでいきますと建物がよりモダンになってきますなあ。
こちらはDB(ドイツ国鉄)のベルリン中央駅ですね。
と、ほどなく通過するのがモルトケ橋。
モルトケがプロイセン軍の参謀総長として
普墺戦争、普仏戦争の勝利に貢献したことは言わずと知れたことでもありましょう。
でも、参謀総長の名前が橋に付いているというのはプロイセンらしいというか…。
モルトケ橋を通り抜けますと、すぐ左手に見えるのがドイツ連邦首相府。
長らくメルケルさんがお住まいのところですなあ(実際住まっているかはわかりませんが)。
川岸から見ると、なんだか不用心のようでもありますが、
おそらくはかなりの警戒厳重さなのでしょうなあ。
で、お次に見えてきましたのは「Haus der Kulturen der Welt(世界文化の家)」というホール。
独特の外観は周囲に馴染む…とは言いにくいもののようにも思いますけれど、
世界のさまざまな地域の文化を紹介するだけに特異な存在感が必要だったのでしょうかね。
と、そんなこんなをきょろきょろしていますと、あたりはすっかり木立につつまれて。
ティーアガルテンの林の向こうにはジーゲスゾイレが望めましたなあ。
ここまで来ますと遊覧船は折り返し、
またフリードリヒシュトラーセの船着き場へと戻っていくのでありました。
今では遊覧船で上流下流とお手軽に行き来できるシュプレー川ですけれど、
ふと思えば、この川も壁で分断されていたわけでして、
今回たどった短いコースでも途中までは東ベルリン、その先は西ベルリンであったのですな。
そんなことも考えつつ、再び陸地の人となったのでありました。