さてオランダのアルクマールを訪ねて、
チーズ市 やらチーズ博物館 やらを見てまわったわけですけれど、
さて昼飯をどうしたものかと。


何ぶんにも大したひと混みでありましたから、落ち着ける店も見出だせずじまい。
それならばと考えましたのが、いわゆる買い食い。
今回のところはオランダ風ジャンクフードでしのごうという作戦でありました。



まずこちらは魚介類を扱った惣菜屋さん的なお店のショーケースです。
ここで他の人たちも買ってぱくついておりましたのが
「Broodje Haring(ブローチェ・ハーリング)」というひと品でありました。


Broodje Haring

オランダ語で「Brood」がパンのこと(英語のbreadですな)に
小さいという意味の接尾辞「-je」が付いて小さいパン。
「haring」は魚のニシン でして、これを小さめのコッペパンに挟んだ
要するにニシンサンドのことでして。


日本で(昔ならばいざ知らず)近頃はそうそう接する機会の多くないニシンですが、
北海から水揚げされるニシンをヨーロッパではよく食しているようですね。


塩漬けした生ニシン(そのままではかなり塩辛いようで塩抜きとか)をパンに挟むばかりでなく、

しっぽ部分を持ってそのまま丸かじりといった食べ方もオランダではされるのだとか。


そういえば先日のTV東京「美の巨人たち」ゴッホ の「アルルの寝室」を取り上げたときですが、

アムステルダム絵画警察(言うまでもなく番組内のフィクションで。念のため)の警部が

運河べりのベンチで食していたですねえ、生ニシン。


とまれ、少々生臭いてなことも言われるようではありますけれど、
生魚とは縁の深い日本人にはなんのことはなくおいしくいただきましたですよ。
と、続いての品はこんなような自動販売機で購入いたしました。


オランダのクロケット自動販売機

いちばん上に「商品名表示」がありまして、
その下に並ぶ小窓の中に該当商品が入っているという仕掛けですので、
さほどに「自動」という機械でもありませんけれどね。


それぞれの商品名に「kroket(クロケット)」という言葉が付いておりまして、
日本で言うなら「コロッケ」でありましょうね。
この細長い俵形が定番のようでありますよ。


オランダのコロッケ=クロケット


オランダでは「肉のラグーにパン粉をまぶし揚げたファストフード」(Wikipedia)というのが
クロケットの基本形であるようですけれど、中身に何を入れるかで少々お値段が異なるようす。
今となってはどういう種類を買ったものか、うっかり忘れておりますが
バーガーも織り交ぜていろいろと摘まんでみたわけで。


各種クロケットとバーガー

日本のコロッケはまずソース(いわゆる日本のソース)をかけて食するのが一般的ながら、
こちらは中身にしっかり味があるので、そのままでいただくのですから
まさしくファストフードではありますけれど、そこそこおいしいので文句なしです。


ま、日本人の胃袋にとってはこのくらいをつまむのが
後においしく夕食にありつけるほどほどさかも。
そういう意味でも利用しがいのあるオランダのジャンクフードであったなと
思ったものでありますよ。