ちょいと前に都立多摩図書館で石井桃子に関するイベント があった際に聞いた
石井桃子は言葉にこだわったという話がありましたですが、
その一例に石井が最初に翻訳を手掛けた「うさこちゃん」のシリーズ絵本があるようで。
主人公のうさぎは「ミッフィー」としても知られるところでして
英語版では確かにミッフィーと呼ばれておるようす。
ところが、作者のディック・ブルーナはオランダの人で当然にオリジナルはオランダ語なのですな。
で、オランダ語ではこのキャラクターのことを「ネインチェ」というのだということ、
そしてこの「ネインチェ」という本来の音の響きを大事にして「うさこちゃん」という名前を作りだした。
単にうさぎだから「うさこちゃん」ではなく、「ネインチェ」だから「うさこちゃん」という
語感にこだわった結果だったのですなあ。
(ネット検索では「ナインチェ」がたくさん出てきますが、音を聴くと「ネインチェ」の方がと個人的に)
これを聞いて「そうか!」と思いましたのは、
オランダ語で「うさぎ」のことを「konijn(コネイン)」というのですよね。
これの頭の「ko」を取って接尾辞の「-tje」(小さいとか、かわいらしいものを表すのでしょう)を付け、
出来上がったのが「nijntje」というわけです。
例えばドイツ語でも「Margrethe」という女性の名前の「Mar」を取って接尾辞の「-(e)l」を付けた「Gretel」(「ヘンゼルとグレーテル」のグレーテルでありますね)と、子どもの愛称になったりします。
とまあ、そんなことに思い至ったのも(と、ここからは石井桃子もうさこちゃんも出てきません)
昨年夏にベルギーのフランデレン地方 に出かけるにあたって、ちいとばかりにもせよ、
語学アプリでオランダ語をかじっていたからなのですなあ。
そして、その語学アプリで少々のオランダ語を聴くのがその後も習慣化してしまい、
今でも続いておるのでありますよ。
そんなところへ持ってきて、実は明日からアムステルダムに行くことに。
昨年のベルギー行きは、2017年に一度ベルギーからオランダへ抜ける旅に出て、
それだけでは消化不良だったところをいくらかこなしに出かけたわけですが、
期せずして今度はオランダの方の消化不良をこなしに行くことに。
もっとも今回は気ままなひとり旅ということではないものですから、
かなりオーソドックスな観光旅行然としたものになるような。
それでもこつこつ聴いてきた語学アプリの恩恵でもって、
インチキオランダ語を試す機会とはなるかもしれませんですよ。
ということで、しばらくの間はお休みいたすことになります。
どうぞ土産話をお楽しみに(笑)。